勇者に付き合いきれなくなったので、パーティーを抜けて魔王を倒したい。

シグマ

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第3章 龍人族

秘竜石

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 斥候として戦いを挑んできた竜に敗けを認めさせたが、その戦いの間に周囲を他の竜に囲まれてしまった。
 困ったアヴラムはフルグルに竜と話してきてと冗談のつもりで話したのだが、すんなりとフルグルは竜と会話を始めてしまった。
 フルグルが竜に近付くも龍人であるフルグルにいきなり攻撃をするということは無く、そして話し合いの結果として竜谷に立ち入ることが許され、竜のボスであるドミナスの元へ向かうことになった。

■■■

 竜谷を進みたどり着いた先に現れた黒色の竜は他の竜と比べかなり大きいのだが、どこかイヴリースの竜であるイグニスにどこか似ている気がする

「グルルルル」

 幾ら竜のボスとはいえ龍のように念話で話すことは出来ないので、フルグルに間に入ってもらい会話をする。

「私はアヴラムです。友の為に[秘竜石]を手に入れる為にこの場所へやって来ました。どうか[秘竜石]を手に入れることを許してはくれませんでしょうか?」

『お主の実力が高いことは認めよう。我が弟が人に頭を垂れることなど有り得ぬことよ。だが只の人の子を竜の墓場に入れることは我らの誇りに懸けて有り得ぬ』

 どうやら斥候で戦いを挑んできた竜は、ドミナスの弟竜だったらしい。

「ではどうすれば良いと? 私もこのまま手ぶらで帰るわけにはいかないのです」

『お互い譲れないということならば、力ずくで押し通すしかあるまい。我が弟を屈服させたお主の力をワレにも証明しめみせよ』

「他に方法は……いえそれしか無いのですね」

 お互い引けぬ状況で竜を相手に話し合いで解決することは出来ない。
 竜は力の強いことが正義であり、他の竜を従わせた竜がボスになる。
 意見を通したいのなら竜の習わしに従うしかない。
 なので竜の墓場と呼ばれる竜谷の最深部に入ることを認めてもらう為に、アヴラムは竜のボスであるドミナスとの一騎討ちをすることになった。

■■■

 伏せていても分かるドミナスの体躯の大きさは、立ち上がるとさらに大きく感じ普通の竜の3倍はあるだろう。

 通常の竜であれば討伐ランクは普通Bランクであるが、ドミナスは間違いなくAランクに達しているだろう。
 アヴラムといえども正面からの力勝負では負ける可能性の方が高い。

「グギャァァァア!!」

 翼のはためきで巻き起こった風で体勢を崩された所にドミナスが飛び掛かってくるも、アヴラムはドミナスの足の爪と自分の体の間に剣を差し込み何とか回避する。
 しかし逃げた先に尻尾を叩き付けられて吹き飛ばされてしまう。

「ゴフッ。ハァハァ、やばいなこれは」

「大丈夫かアヴラム!」

「ああこれぐらい何てこと無い。久しぶりにこれだけ強い相手と戦うから油断しただけだ」

 強がってみるもののドミナスの動きは力強く想像以上に速い。
 一瞬の気の緩みが思わぬ致命傷に繋がりかねない。
 倒す為の戦いではないので攻撃をせずに様子を伺っていたのだが、このままドミナスの攻撃をいなすだけでは後手を踏み為す術が無くなる。なのでアヴラムは受け身から攻撃に転じることにする。
 しかし空を飛ぶ相手に対して剣のみで戦うのはどうしても分が悪い。
 スキルを用いた剣撃を飛ばすだけでは限度があるので、魔法を用いた攻撃を行いたいところなのだがアヴラムは普通に魔法を使うことを苦手としている。

「あれを出すしかないよな」

 アヴラムが取り出したのはラーカス商会でハヤトから渡された一本の剣である。
 それは元より使っていた蒼の聖剣と比べると加護が無い分で劣るが、質は同等かそれ以上の業物だ。
 この剣を貰ってから手に馴染むまで、そして剣に埋め込まれた魔石に刻まれた魔法を上手く扱えるように時間が掛かったが、ここで使わずして何時使うべきか。
 トロイメア商会で見繕った剣も質は高いが、魔石が埋め込まれた魔剣には劣る。
 なので持っていた剣を諦め、アイテムバックからハヤトに貰った剣を取り出し持ち代えた。

「さぁここからが本番だ!」

■■■

 魔剣、それは魔物から手に入れることが出来る魔石に紋を刻んだモノを剣に嵌め込んだ剣であり、魔力を込めることで刻まれた紋の魔法を使える代物である。
 ラーカス商会はその魔剣の量産化に初めて成功した先駆者であり、ハヤトが生み出す魔剣は聖剣のように加護を授かっていなくても見劣りしないばかりか上回る力を発揮する。
 アヴラムが持っていた蒼の聖剣はハヤトが作製した魔剣に加護が付与されている逸品なので、それを上回ることは難しいが新たにハヤトから貰った剣も十分過ぎる業物である。

「グギャァァアス!!」

 剣を持ち替えたアヴラムは、魔剣から産み出した水流を操り攻守に渡ってドミナスを圧倒する。
 蒼の聖剣と同じように水系統の魔法を使えるように気配りをしてくれたハヤトには感謝しなければいけない。
 そして攻撃する手段を手に入れユニークスキル[弱点把握EX]で弱点を見極めることが出来る以上、遅れをとるアヴラムではない。
 常に相手の動きを見極め先手を取り続けることで反撃の隙を与えず、そしてアヴラムが放った剣撃に水の塊を載せた水流弾アクアバレットがドミナスの翼に直撃しドミナスは墜落する。

「さぁこれで降伏してくれますかね?」

『我はまだ負けておらぬ。この命が尽きるまで敗北では無いわ!』

「そうか……だが私も負ける訳にはいかないし、かと言って貴方を殺すつもりもない。貴方のブレスを正面から防ぐことが出来たならば私の勝ちとしてくれませんか?」

『お主が我のブレスを? ふはは、面白いやってみせよ!』

 フルグルの訳がどんどんと調子に乗ったものになってきているのはさておき、ドミナスが勝負に乗ってきてくれた。
 竜にとってブレスはそれだけ誇りあるもので、それを正面から防がれるということが意味することは大きいのだ。

 ドミナスの纏う魔力が高まり、斥候が放ったブレスとは比にならない威力の火炎ブレスが放たれる。
 アヴラムはそれに合わせて水の槍アクアランスを放ち、ブレスの勢いを落とした上で水を纏わせた魔剣でブレスを迎え撃つ。
 魔力と魔力、火と水のぶつかり合いで一瞬の閃光と共に爆発が起こりあたりは水蒸気が霧のようになり視界が失われてしまった。

「大丈夫かアヴラム!」

 視界が晴れてフルグルがアヴラムの元に駆け寄ってくる。

「ああ、何とか生きてるよ」

「何とかって、腕がボロボロじゃないか!」

 ドミナスのブレスの勢いを殺しきれず魔剣は折れ、ブレスの衝撃波で腕が焼け焦げたのだ。

「大丈夫、致命傷ではないし腕が無くなったわけではないんだから」

 アヴラムはそう言うとアイテムバックからハイポーションを取り出し、腕に掛けると少しずつ感覚が戻り動かせるようになる。

「おいおい、それってただのポーションじゃないのか!?」

「ん? ポーションだとは思うけど貰い物だからな」

「いやいやいや、ただのポーションでそんなにすぐ傷を癒せるわけないだろ! ちょっと見せてみろ!」

 アヴラムがポーションだと思っているものが入った瓶がフルグルに奪い取られ、そしてフルグルは一滴なめる。

「これはハイポーション……いや、もはやエリクサーか? 確かに直ぐに治す必要はあるけどそれを傷に掛け捨てるってバカなのか?」

 舐めて鑑定してしまうフルグルの変な特技はさておき、フルグルにバカ呼ばわりされてかなりショックを受けるアヴラム。
 しかしアヴラムにとっては当たり前のようにラーカス商会のハヤトから貰ってきたものであり、これがアヴラムにとっての普通のポーションなのだ。
 それが常識外れなモノであるとは思っていないアヴラムがおかしいということは、聖騎士団を辞めてこれまでに経験したことから身に染みて分かっているので反論できない。

「何かすまん……以後気を付けるよ。それよりドミナスの方はどうなった?」

 煙が晴れて露になったドミナスは、ブレスの反動でなかなか動けないのか大人しくこちらを見つめている。

「大丈夫だ、ドミナスにはもう攻撃をする意思はないよ。さぁ近くに行って竜の墓場に立ち入る許可を貰おう」

「そうなのか?」

 フルグルの言葉を信じ、腕も回復したのでドミナスに近づく。

『お主は強いな。我のブレスを防ぐとは思いもしなかったわ』

「ですが私の剣は折れ、これ以上は戦えそうもありません。なのでこのまま戦いが続くと厳しかったですよ。ですがどうか竜の墓場に立ち入ることをお許し頂きたい」

 収納した剣を取り出せば戦えないことはないのだが、ドミナスのプライドを傷付けないように敢えて隠す。

『お主のことは戦いの中で良く分かった。曇り無き良き魂をしておるな。不浄無きお主であれば特別に立ち入ることを許可しよう。あとそこのフルグルとやらも構わん、若い竜にも手出しせぬよう伝えておくから進むが良い』

「有難うございます」

 龍人であれば進んで良いのはなんだかズルいと思うが、仕方がない。
 許可を得たので竜谷の奥に進むのだが、ふと後ろを振り返った際に見た夕日に照らされたドミナスは、どこか晴れやかな表情をしていた気がする。

■■■

 アヴラムとフルグルは竜谷を突き進み、そしてたどり着いた先は生き物の気配のしない静寂に包まれた場所であった。
 崖が左右から迫り、洞窟のように奥まった場所であり隙間から射し込む光が幻想的である。

「さてどうやって秘竜石を探そうかな」

 竜の骨が幾重にも重なり散乱しているが、この中から秘竜石を探しだすのは容易ではないだろう。

「おいフルグル、聞いているのか?」

 フルグルはここの風景に目を奪われているようだ。呼び捨てにしても気付かない。
 肩を叩くことでようやく反応する。

「……ここは何と表したら良いか分からないが、とにかく凄いな」

 フルグルはアヴラムには見えていない、もしくは感じ取れていない何かを感じているようだ。

「凄いのは分かるが、どうやって秘竜石を探せばよいと思う?」

「それは……あっちだ」

 フルグルは首をキョロキョロとさせたかと思うと知っている場所のように歩き出す。
 アヴラムは後を付いていくと岩が風化し崩れた場所から地下に通じている場所があった。
 そこは僅かな月光しか射し込んでいないのだが、岩が煌めき地下とは思えぬほど明るい。

「あれが秘竜石なのか……」

 月明かりを浴びて、一際明るい煌めきを放つ石と呼ぶにはあまりにも大きい秘竜石がある。
 どれ程の月日、そしてどれ程の竜の魔石によって出来上がったものなのか想像も出来ない。

「ああ本当に綺麗な秘竜石だ……でも持ち帰るには大きすぎるな」

「そうだな、幾らフルグルの馬鹿力でもこれは持てないだろう」

「なに、それなら試しに持ち上げてみるか!」

「いやいやいや、冗談だから止めてくれよ」

「ならどうするんだ?」

「どうするって言われてもなぁ」

 アヴラムが秘竜石に手を掛けると一部に亀裂が走り、上部から手に収まる大きさの秘竜石が崩れ落ちてくる。

「うおっ、危な!」

 アヴラムは慌てて落ちてきた秘竜石を受けとる。

「良かったな、どうやら竜の魂が持って帰るように言ってくれているようだ」

「フルグルは何か聞こえるのか?」

「んー何となくな。ここに来てからざわめきのような声が聞こえるんだよ。まぁ風の空耳かもしれないけどな」

「でもまぁフルグルのお陰で秘竜石を見つけられたから助かったよ。さぁこれで目的は達したから早く里に戻ろう」

「おう、そうだな……って何で呼び捨てなんだよ!?」

「いまさら!? まぁ何となく?」

 これまでの調子乗りな感じというより馬鹿っぽさから、さん付けするのがアホらしくなってきたとは言えないアヴラム。

「まぁアヴラムならいいか、それより秘竜石を持たせてくれ」

「良いのかよ……まぁ持つのは良いけど無くさないでくれよ」

「おう!」


 こうして無事に秘竜石を手に入れたアヴラムとフルグルは龍人の里への帰路につくのであった。
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