立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

文字の大きさ
上 下
195 / 555
13.冬休みはイベントがいっぱいです

17

しおりを挟む
「別にウチは複雑な家庭じゃない。それに事情を知ってて大和と付き合ったのヒナタじゃん」

「うん、そーだよ。別に嵐が~!とか大和が~!じゃない。

……一人いるじゃん。完璧な他人が」


ガッツリと私を睨み付けたヒナタさん。

………もう、二人の前で何も隠す気ないんだね。


「彼氏がさぁ、他人の女と同じ家で暮らしてるとかマジ無理」


「…ヒナタ、もう俺たちを見かけても話し掛けないでね?

俺も嵐も、他人とは一緒に住んでないからそう言われる筋合いないし」


大和くんが笑顔でそう答えたんだけど、よく見たら左手で嵐くんの服を掴んで引っ張っている状況。


「えっ?」

ヒナタさんがなぜか驚いていて、言葉を失っていた。


「妹を悪く言う人とは友達にもなれないなら。

こんな場所で長々と立ち話したくないし、俺ら行くから。

元気でね」


大和くんはそう言ってヒナタさんと反対方向を向いた。

嵐くんも大和くんに引っ張られて回れ右した感じになったから、私も頭を下げてから二人に着いて行くことにした。


最後に見たヒナタさんの表情は




すごく、悲しそうに見えた。







「葵がいたらぶちギレてただろうね」

「それは間違いなく!」

「ってかめちゃめちゃ引っ張るから言いたいこと言えなかったし」

「喧嘩を止めた…んだよね?」

「心、正解!」


お会計が済んだ葵ちゃんもヒナタさんを見ていたから、事情を大和くんが説明していた。


「新年早々何やってんだか」

葵ちゃんは呆れ気味だったけど、私たちもそう思ってる。

新作の、しかも混んでる店内で何してるんだろうって感じだね。


「全くだよね。あっ、靴見たい靴!アディダサの新作出たらしいよ!」

大和くんが笑顔で嵐くんを引っ張って二人で先に行ってしまった。


「あぁ言ってるけど大和はショックだったと思うよ。ヒナタさんがめっちゃ好きだったみたいだし」


そう言った葵ちゃんはこれ以上はヒナタさんの話をしなかった。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

正しい聖女さまのつくりかた

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:841

舞台に似合いの最高の喜劇を

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:30

俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,219pt お気に入り:93

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,442pt お気に入り:139

誰が悪役令嬢ですって? ~ 転身同体

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:2

攻略対象5の俺が攻略対象1の婚約者になってました

BL / 完結 24h.ポイント:1,533pt お気に入り:2,625

処理中です...