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1~10話
7c、私は時間の潰し方をわかっていない
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食事が終わるとまた部屋に運ばれる。
おかしい。ガルが帰ってきてから私は手も足も動かしていない。
「……あの、このお屋敷には、ガル様一人で住んでいるんですか?」
広い屋敷なのに食堂にガル以外の人が居ないのが気になった。
ソファに座るガルの腕の中、顔を見上げると紅い瞳が真っ直ぐ見つめ返してくれる。
「ああ、住み込みの使用人を除けば。両親は五年前に事故で亡くなっている」
「っ! すみません!」
「いや、かまわない。それに今は一人ではない。マヤが居るだろう?」
私を、数に入れてくれるの? まだ一日と少ししか過ごしていないのに。
お金で買って来ただけの、愛玩奴隷でしかない私を?
実の両親にさえ、居ないもののように扱われた私を?
「マヤ? どうした?」
真っ直ぐな瞳を見つめていられなくて、ガルの厚い胸に顔を埋めた。
翌日、ガルは朝から仕事に出かけていった。
私にいい子にしているよう言い聞かせるのも忘れない。
私はといえば、暇を持て余して当てもなく部屋の中をさ迷っていた。
今日着せられているのはふんだんにリボンがあしらわれた淡い水色のワンピースだ。
昨日の服といい、私が着るにしては随分と子供っぽい気がするのだがガルの趣味なのだろうか。
まあ際どい露出のセクシーな服なんかを着せられるよりは断然こっちの方がいいので、文句はない。
おかしい。ガルが帰ってきてから私は手も足も動かしていない。
「……あの、このお屋敷には、ガル様一人で住んでいるんですか?」
広い屋敷なのに食堂にガル以外の人が居ないのが気になった。
ソファに座るガルの腕の中、顔を見上げると紅い瞳が真っ直ぐ見つめ返してくれる。
「ああ、住み込みの使用人を除けば。両親は五年前に事故で亡くなっている」
「っ! すみません!」
「いや、かまわない。それに今は一人ではない。マヤが居るだろう?」
私を、数に入れてくれるの? まだ一日と少ししか過ごしていないのに。
お金で買って来ただけの、愛玩奴隷でしかない私を?
実の両親にさえ、居ないもののように扱われた私を?
「マヤ? どうした?」
真っ直ぐな瞳を見つめていられなくて、ガルの厚い胸に顔を埋めた。
翌日、ガルは朝から仕事に出かけていった。
私にいい子にしているよう言い聞かせるのも忘れない。
私はといえば、暇を持て余して当てもなく部屋の中をさ迷っていた。
今日着せられているのはふんだんにリボンがあしらわれた淡い水色のワンピースだ。
昨日の服といい、私が着るにしては随分と子供っぽい気がするのだがガルの趣味なのだろうか。
まあ際どい露出のセクシーな服なんかを着せられるよりは断然こっちの方がいいので、文句はない。
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