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41~50話

43b、私は首元の色をわかっていない

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「明日は、式の準備をしに行こうな」

頭頂部に口を埋めたまま話すので、ガルの吐く息で頭が温かい。

「……そういえば、一年以内にするんですか? 結婚式」

「ああ。準備や手続きで、最短でも半年以上はかかるらしい……。俺としては明日にでも式を挙げたいくらいなんだがな」

準備期間が長すぎると不満そうなガルに、愛しさで笑みが溢れる。

「ふふっ。きっと、準備してる時間も楽しいですよ」

後頭部を優しく撫でつけられいざなわれるように上を向けば、ちゅっと軽い口付けが降ってきた。

「……それもそうだな。結婚前のひと時を楽しむとしよう」

ぺろりと舌舐めずりしながら、ガルが言った。



「ガル様!? さっきしたばっかり……! あっ」

「何度でも足りない。マヤが欲しい」

「やっ、だって明日は、ひぁっ、お、お出かけ、なのにっ!」

「っは……ああ、何処へだって運んでやる」

「待っ、んむっ……んっ、んんーーっ!」

長い夜が更けていく。












翌朝。

必死の攻防でどうにかガルを一戦に押しとどめ、ぎりぎり足腰を死守することに成功した私は、ふらつく脚で姿見の前に立ち全身を確認する。

立ち襟のワンピースは相変わらず可愛らしくフリルがたっぷりで、髪は揃いのリボンでハーフアップに結われている。

「準備はできたか?」

「はい!」

自分では何もしていないけれど!

「では行こう。……マヤ、外出は怖くないか?」

ひょいと抱き上げられ、気遣わしげに瞳を覗き込まれる。
ああ、前回街へ出かけた時に迷子になったことを心配してくれているのか。

「今日はずっとガル様に抱っこしててもらうので大丈夫です」

「ふっ、そうだな。俺が離さなければいいだけだ」

ガルの首筋にきゅっとしがみつけば、節くれだった指にするりと頬をくすぐられた。
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