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51~60話
58a、ご主人様は私の愛をわかっていなかった
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屋敷へと転移し、自室に戻れば二人きりになる。
いつものようにソファへ向かうと、すかさずマヤが言った。
「ちょっと下ろしてください」
硬い声に空気が変わったのを感じる。
……いよいよか。
マヤをそっとソファに下ろし、隣に腰かけて身体ごとマヤの方へ向いた。
「ガル様、お話があります」
「……ああ」
「昼間、執務室で聞いたお話についてですが……」
「ああ」
執務室で交わした会話はいくつかあるが、マヤにとって一番の重大事項といえばあの話に決まっている。
誠意を尽くして謝罪するべく、口を開くと同時にガバッと頭を下げた。
「勝手に婚約をさせた事、本当にすまな」
「10歳に間違うとはっ、どういうことですか!!」
「…………ん?」
何やら違う内容が聞こえた気がして、頭を下げかけた不自然な体勢のまま顔だけをマヤに向ける。
「ガル様はっ! 毎日一緒にお風呂に入って! 私の、は、裸を、何度もみみみ見てるじゃないですか!!」
「あ、あぁ」
「それなのに! それなのにっ! 10歳って!! わ、私だって、ちゃんと胸、あるのにっ……! そりゃあ平均よりちょっと小さいかも知れないですけどっ、それでもちゃんと……ちゃんと……っ」
唇を戦慄かせながら、つぶらな瞳の表面を涙の膜が覆っていく。
胸……? ……!!
「マヤ、マヤ、すまない! 決してそんな意味ではないんだ。最初からすっかり幼いと思い込んでいて、そんな目で見るまいとそればかりに気を取られ疑うこともしなかった」
幼いと思い込んだまま、ただただ欲望を向けまいと必死で、マヤが成人しているかもしれないなどと自分に都合のいい期待を抱くことさえなかった。
涙ぐむマヤを慰めたくて、そうっと腕を伸ばし慎重に抱き寄せる。
マヤを慰めているはずなのに、腕を振りほどかれないことに俺の方がひどく安心を覚えた。
いつものようにソファへ向かうと、すかさずマヤが言った。
「ちょっと下ろしてください」
硬い声に空気が変わったのを感じる。
……いよいよか。
マヤをそっとソファに下ろし、隣に腰かけて身体ごとマヤの方へ向いた。
「ガル様、お話があります」
「……ああ」
「昼間、執務室で聞いたお話についてですが……」
「ああ」
執務室で交わした会話はいくつかあるが、マヤにとって一番の重大事項といえばあの話に決まっている。
誠意を尽くして謝罪するべく、口を開くと同時にガバッと頭を下げた。
「勝手に婚約をさせた事、本当にすまな」
「10歳に間違うとはっ、どういうことですか!!」
「…………ん?」
何やら違う内容が聞こえた気がして、頭を下げかけた不自然な体勢のまま顔だけをマヤに向ける。
「ガル様はっ! 毎日一緒にお風呂に入って! 私の、は、裸を、何度もみみみ見てるじゃないですか!!」
「あ、あぁ」
「それなのに! それなのにっ! 10歳って!! わ、私だって、ちゃんと胸、あるのにっ……! そりゃあ平均よりちょっと小さいかも知れないですけどっ、それでもちゃんと……ちゃんと……っ」
唇を戦慄かせながら、つぶらな瞳の表面を涙の膜が覆っていく。
胸……? ……!!
「マヤ、マヤ、すまない! 決してそんな意味ではないんだ。最初からすっかり幼いと思い込んでいて、そんな目で見るまいとそればかりに気を取られ疑うこともしなかった」
幼いと思い込んだまま、ただただ欲望を向けまいと必死で、マヤが成人しているかもしれないなどと自分に都合のいい期待を抱くことさえなかった。
涙ぐむマヤを慰めたくて、そうっと腕を伸ばし慎重に抱き寄せる。
マヤを慰めているはずなのに、腕を振りほどかれないことに俺の方がひどく安心を覚えた。
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