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41~50話
44a、またね
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股関節の痛みでぎくしゃくする脚の動きをどうにか誤魔化しながら、できうる限りの全速力で使用人棟を目指す。
私が行儀見習いを辞めたと知っているのはメイド長と一部のメイド仲間のみ。
人のいなさそうな道を選んで進み、通りがかった男性使用人へは何食わぬ顔で会釈して、すっと横を通りすぎる。
無事に屋敷を抜け出し庭を抜け、誰に見咎められることもなく使用人棟へと辿りついた。
その場に洗濯かごを下ろしてマニーを振り返る。
「マニー! マニー、ありがとう!! マニーが来てくれなかったら私、あの部屋で隠れたまま掃除係にでも見つかってしょっぴかれてたわ!」
「ううん、気にしないで。……ずっと心配してたの。私が後先考えずに送り出しちゃったせいで、リヴを困らせちゃったんじゃないかって」
「そんなことない! 私一人だったら今頃、何も行動せずに想いも未来も全部諦めちゃってたと思うから……。マニーが私の心を守ってくれたのよ!」
しっかりと目を合わせて力説すれば、マニーも照れ臭そうにいつもの笑顔を見せてくれた。
「えへへ、そう……? まあどうなることかと思ったけど、旦那様ともうまくいったみたいでよかったじゃない!」
「うん、最後に最高の思い出ができたわ。それもこれも全部、マニーが背中を押してくれたおかげよ! それなのに私……昨日は酷いことを言っちゃってごめんなさい」
私を心配してくれたマニーに対し、急な結婚への歯がゆさから『マニーに何がわかるのよ!』と酷い言葉をぶつけて八つ当たりしてしまったのだ。
「……その件に関しては相応のお詫びを要求するわ」
笑顔を消したマニーが、ツンとそっぽを向いて答える。
私が行儀見習いを辞めたと知っているのはメイド長と一部のメイド仲間のみ。
人のいなさそうな道を選んで進み、通りがかった男性使用人へは何食わぬ顔で会釈して、すっと横を通りすぎる。
無事に屋敷を抜け出し庭を抜け、誰に見咎められることもなく使用人棟へと辿りついた。
その場に洗濯かごを下ろしてマニーを振り返る。
「マニー! マニー、ありがとう!! マニーが来てくれなかったら私、あの部屋で隠れたまま掃除係にでも見つかってしょっぴかれてたわ!」
「ううん、気にしないで。……ずっと心配してたの。私が後先考えずに送り出しちゃったせいで、リヴを困らせちゃったんじゃないかって」
「そんなことない! 私一人だったら今頃、何も行動せずに想いも未来も全部諦めちゃってたと思うから……。マニーが私の心を守ってくれたのよ!」
しっかりと目を合わせて力説すれば、マニーも照れ臭そうにいつもの笑顔を見せてくれた。
「えへへ、そう……? まあどうなることかと思ったけど、旦那様ともうまくいったみたいでよかったじゃない!」
「うん、最後に最高の思い出ができたわ。それもこれも全部、マニーが背中を押してくれたおかげよ! それなのに私……昨日は酷いことを言っちゃってごめんなさい」
私を心配してくれたマニーに対し、急な結婚への歯がゆさから『マニーに何がわかるのよ!』と酷い言葉をぶつけて八つ当たりしてしまったのだ。
「……その件に関しては相応のお詫びを要求するわ」
笑顔を消したマニーが、ツンとそっぽを向いて答える。
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