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41~50話
47a、大事な話
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階段を上り、廊下を進んで奥から二つ目の扉。
「ここが私の部屋です。……あっ! 応接室の方に行きましょうか!?」
応接室には他の部屋より上等なソファを置いているため、大きくて座り心地がいいのだ。
私自身は応接室に客人を招くことなどなかったので、すっかりいつもの感覚で自室に案内してしまった。
「いや、リヴの部屋がいい」
「そうですか? それなら……」
ガチャリとドアを開けると、腰を抱いて離さないグレニスと並んで部屋に入る。
私の帰省に合わせてきちんと部屋を整えていてくれたのだろう。室内は埃っぽさもなく、すっきりと綺麗に片付いていた。
「ここがリヴの部屋か」
色褪せてくすんだ———もとい、淡いオールドローズの壁紙に、うっすら黄ばんだ———でなく、アイボリーの調度品。
田舎なので広さだけはそれなりにあるものの、洗練されたグレニスの部屋とは大違いだ。あまり見ないでいただきたい。
「そこのソファにどうぞ。ちょっとお茶を持ってきますね」
「その必要はない」
グレニスが空いた手でパタンとドアを閉める。
……あれ?
以前使用人棟にお見舞いに来たときは、ドアを開けたままにしてくれたのに……。
グレニスは私の腰を抱いたままずんずんとソファに近づくと、私を膝に抱き上げてどさりと腰を下ろした。
「えっ! あの……っ」
「さて、大事な話をしようか」
「ここが私の部屋です。……あっ! 応接室の方に行きましょうか!?」
応接室には他の部屋より上等なソファを置いているため、大きくて座り心地がいいのだ。
私自身は応接室に客人を招くことなどなかったので、すっかりいつもの感覚で自室に案内してしまった。
「いや、リヴの部屋がいい」
「そうですか? それなら……」
ガチャリとドアを開けると、腰を抱いて離さないグレニスと並んで部屋に入る。
私の帰省に合わせてきちんと部屋を整えていてくれたのだろう。室内は埃っぽさもなく、すっきりと綺麗に片付いていた。
「ここがリヴの部屋か」
色褪せてくすんだ———もとい、淡いオールドローズの壁紙に、うっすら黄ばんだ———でなく、アイボリーの調度品。
田舎なので広さだけはそれなりにあるものの、洗練されたグレニスの部屋とは大違いだ。あまり見ないでいただきたい。
「そこのソファにどうぞ。ちょっとお茶を持ってきますね」
「その必要はない」
グレニスが空いた手でパタンとドアを閉める。
……あれ?
以前使用人棟にお見舞いに来たときは、ドアを開けたままにしてくれたのに……。
グレニスは私の腰を抱いたままずんずんとソファに近づくと、私を膝に抱き上げてどさりと腰を下ろした。
「えっ! あの……っ」
「さて、大事な話をしようか」
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