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41~50話
50a、よく似てる
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「はぁ~……、とうとうリヴも結婚しちゃうのかぁ……」
いつもより早いペースで呑んでいたお父様が、酔ってくだを巻きはじめた。
「リヴは遅くに生まれた子だから、子どもたちの中でもとりわけ可愛くってねぇ……。小さい頃なんか『大きくなったらお父様のお嫁さんになるー!』って言ってたのになぁ……」
「えっ!?」
全く記憶にない。
思ったことさえない気がするけれど、本当にそんなことを言ったのだろうかとお母様を見れば、無言で左右に首を振っている。
なんだ、お父様の妄想か……。
「このたびはリヴェリーとの結婚を許可していただきありがとうございました」
「うん……、リヴが自分の意思で決めたことだもんね……。お父様が側にいなくっても、リヴが幸せならそれでいいんだ……。ジェルムくん、どうかリヴを幸せにしてやってね……」
「はい、最善を尽くします」
お父様はぐすぐすと鼻を鳴らし、いじいじと指を突き合わせている。
……あっ、そういえば!
「お父様、さっきはいきなり怒鳴ってごめんなさい! 私ちょっと、結婚のことで誤解しちゃってたの」
「……お父様のこと、嫌いになってないかい……?」
「なってないわ。大好きよ、お父様」
そう答えて微笑めば、上目遣いで不安げにこちらを窺っていたお父様も安心したようにへにゃりと笑った。
いつもより早いペースで呑んでいたお父様が、酔ってくだを巻きはじめた。
「リヴは遅くに生まれた子だから、子どもたちの中でもとりわけ可愛くってねぇ……。小さい頃なんか『大きくなったらお父様のお嫁さんになるー!』って言ってたのになぁ……」
「えっ!?」
全く記憶にない。
思ったことさえない気がするけれど、本当にそんなことを言ったのだろうかとお母様を見れば、無言で左右に首を振っている。
なんだ、お父様の妄想か……。
「このたびはリヴェリーとの結婚を許可していただきありがとうございました」
「うん……、リヴが自分の意思で決めたことだもんね……。お父様が側にいなくっても、リヴが幸せならそれでいいんだ……。ジェルムくん、どうかリヴを幸せにしてやってね……」
「はい、最善を尽くします」
お父様はぐすぐすと鼻を鳴らし、いじいじと指を突き合わせている。
……あっ、そういえば!
「お父様、さっきはいきなり怒鳴ってごめんなさい! 私ちょっと、結婚のことで誤解しちゃってたの」
「……お父様のこと、嫌いになってないかい……?」
「なってないわ。大好きよ、お父様」
そう答えて微笑めば、上目遣いで不安げにこちらを窺っていたお父様も安心したようにへにゃりと笑った。
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