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41~50話
50d、よく似てる
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「……お母様って美人ですよね?」
「ん? ああ、随分と綺麗な顔立ちをしているな」
「ほら! みーんなそうなんです! お母様を綺麗だ美人だって褒めたあとに、『リヴェリーちゃんはお父様によく似てるわね』って!」
いっそ嫌味ではないだろうか!?
アーモンド型のつり目にすっと通った鼻筋のきりりと美しいお母様と、丸い輪郭に丸い目、情けない眉にちょこんとした鼻をくっつけた色気もへったくれもないお父様。
もちろんお父様にだっていいところは沢山あるけれど、外見がどちらに似たかったかと言われれば明白だ。
「……そういう意味ではない。リヴの裏表のない澄んだ瞳と、感情のままに表情を変える素直さが、子爵譲りなのだろうと思ったんだ。朗らかな空気感がよく似ている」
「そうですか……?」
たしかに目の色形は似ていると思うけれど、空気感なんてものは自分ではよくわからない。
「それに俺は、子爵夫人よりもリヴの方が綺麗だと思っている」
「そっ、それは流石に言い過ぎです……!」
居たたまれない恥ずかしさに俯けば、長い指先に顎をすくわれ再び顔を上向けられた。
ちゅっ
「!」
「自分の惚れた女が一番に決まっている」
ぶわっと顔が紅潮していくのが自分でもわかる。
両想いになったグレニスは、臆面もなくさらりとこんなことを言うのだからたちが悪い。
熱を持った頬を愛しげにするりと撫でられ、羞恥から逃れるようにグレニスの肩口に顔を埋めた。
「ん? ああ、随分と綺麗な顔立ちをしているな」
「ほら! みーんなそうなんです! お母様を綺麗だ美人だって褒めたあとに、『リヴェリーちゃんはお父様によく似てるわね』って!」
いっそ嫌味ではないだろうか!?
アーモンド型のつり目にすっと通った鼻筋のきりりと美しいお母様と、丸い輪郭に丸い目、情けない眉にちょこんとした鼻をくっつけた色気もへったくれもないお父様。
もちろんお父様にだっていいところは沢山あるけれど、外見がどちらに似たかったかと言われれば明白だ。
「……そういう意味ではない。リヴの裏表のない澄んだ瞳と、感情のままに表情を変える素直さが、子爵譲りなのだろうと思ったんだ。朗らかな空気感がよく似ている」
「そうですか……?」
たしかに目の色形は似ていると思うけれど、空気感なんてものは自分ではよくわからない。
「それに俺は、子爵夫人よりもリヴの方が綺麗だと思っている」
「そっ、それは流石に言い過ぎです……!」
居たたまれない恥ずかしさに俯けば、長い指先に顎をすくわれ再び顔を上向けられた。
ちゅっ
「!」
「自分の惚れた女が一番に決まっている」
ぶわっと顔が紅潮していくのが自分でもわかる。
両想いになったグレニスは、臆面もなくさらりとこんなことを言うのだからたちが悪い。
熱を持った頬を愛しげにするりと撫でられ、羞恥から逃れるようにグレニスの肩口に顔を埋めた。
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