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51~60話
55a、今夜は私の足を縛っておいて
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すぐに専用の物を手配いたしますと言うメイド長に、とにかく今日必要なんだ今すぐ必要なんだと頼み込んでどうにかメイドのお仕着せ一式を借りて、厨房を目指す。
日中はグレニスが不在のため、夕食の仕込みが始まる前の昼間の時間帯であれば、厨房も比較的落ち着いているのだ。
「みなさん、お久しぶりです!」
「おおっ、リヴェリーちゃん! 久しぶりだなぁ、元気そうじゃないか!」
すぐに気付いた料理長が、作業の手を止めて歩み寄ってきてくれる。
様々な食材と香辛料の香りが混ざったここの空気も久しぶりだ。
「聞いたよ、旦那様と結婚するんだって?」
「あ、はい……。えへへ」
「おめでとうなぁ! リヴェリーちゃんを選ぶたぁ、旦那様も見る目があるってもんだ!」
相変わらず闊達な様子でがっはっはと笑う料理長に釣られて、えへえへと笑みを溢す。
行儀見習い時代と一切変わらない料理長の態度が嬉しい。
他の料理人たちも口々にお祝いの言葉をかけてくれるなか、隅の方で若い料理人の一人がさめざめと泣いているのに気付いた。
「うぅ、リヴェリーさん……」
「ばかっ!! おまえ殺されたいのか!?」
側で先輩らしき料理人が宥めているようだけれど、『殺される』とはまた穏やかでない。
「バートンさん、どうしたんですか? 彼……」
「はっはっは! なぁに、これであいつの料理にも深みが増すってもんよ!」
「???」
全く話が噛み合っていない。
日中はグレニスが不在のため、夕食の仕込みが始まる前の昼間の時間帯であれば、厨房も比較的落ち着いているのだ。
「みなさん、お久しぶりです!」
「おおっ、リヴェリーちゃん! 久しぶりだなぁ、元気そうじゃないか!」
すぐに気付いた料理長が、作業の手を止めて歩み寄ってきてくれる。
様々な食材と香辛料の香りが混ざったここの空気も久しぶりだ。
「聞いたよ、旦那様と結婚するんだって?」
「あ、はい……。えへへ」
「おめでとうなぁ! リヴェリーちゃんを選ぶたぁ、旦那様も見る目があるってもんだ!」
相変わらず闊達な様子でがっはっはと笑う料理長に釣られて、えへえへと笑みを溢す。
行儀見習い時代と一切変わらない料理長の態度が嬉しい。
他の料理人たちも口々にお祝いの言葉をかけてくれるなか、隅の方で若い料理人の一人がさめざめと泣いているのに気付いた。
「うぅ、リヴェリーさん……」
「ばかっ!! おまえ殺されたいのか!?」
側で先輩らしき料理人が宥めているようだけれど、『殺される』とはまた穏やかでない。
「バートンさん、どうしたんですか? 彼……」
「はっはっは! なぁに、これであいつの料理にも深みが増すってもんよ!」
「???」
全く話が噛み合っていない。
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