238 / 277
51~60話
57b、パパと、ママ
しおりを挟む
「……団長じゃなくなっても、騎士は続けられますか?」
「それは恐らく問題ない。俺自身が騎士の誓いに背くような行いはしていないからな。団長の肩書きがなくなろうと、国のために為すべきことを為すだけだ」
「そうですか……、よかった……」
団長の件は結局スターシュの望み通りになってしまうようで悔しくもあるけれど、騎士という職に何より誇りを持っているグレニスから、剣までも奪われてしまうことにならなくてよかった。
ほっとして再び胸に埋めようとした顔を捉えられ、上向かせられる。
「んむっ……! んぅ……、ふっ、……っ……! …………っぷはぁ、はぁ」
満足そうに濡れた唇を舐めるグレニスを見上げながら……そういえば、まだ一つ心配事があったのを思い出した。
「あの……私、グレンのお父様とお母様に気に入ってもらえるでしょうか……」
「その点は大丈夫だろう」
本当かなぁ……。
そして予告通り数日後。
グレニス不在の日中に、到着したばかりのグレニスの両親と玄関ホールで対面することとなった。
「やあ、君がリヴェリー嬢だな! ふむ、ふむ、愚息にはもったいないほど愛らしいお嬢さんじゃないか! なあ!?」
改めて間近で見る前騎士団長———もといグレニスのお父様は、背格好も顔もとてもよくグレニスに似ていた。
グレニスも歳を重ねたらこんな風にダンディーなおじさまになるのだろうかと、未来に思いを馳せてしまう。
大きな違いといえば、ニカッと白い歯を輝かせ、グレニスは絶対にしないであろう快活な笑顔を見せている点だろう。
隣で同意を求められたグレニスのお母様は対照的に無表情で、ほっそりした眉を僅かにひそめて「そうね」と頷くだけだ。
「それは恐らく問題ない。俺自身が騎士の誓いに背くような行いはしていないからな。団長の肩書きがなくなろうと、国のために為すべきことを為すだけだ」
「そうですか……、よかった……」
団長の件は結局スターシュの望み通りになってしまうようで悔しくもあるけれど、騎士という職に何より誇りを持っているグレニスから、剣までも奪われてしまうことにならなくてよかった。
ほっとして再び胸に埋めようとした顔を捉えられ、上向かせられる。
「んむっ……! んぅ……、ふっ、……っ……! …………っぷはぁ、はぁ」
満足そうに濡れた唇を舐めるグレニスを見上げながら……そういえば、まだ一つ心配事があったのを思い出した。
「あの……私、グレンのお父様とお母様に気に入ってもらえるでしょうか……」
「その点は大丈夫だろう」
本当かなぁ……。
そして予告通り数日後。
グレニス不在の日中に、到着したばかりのグレニスの両親と玄関ホールで対面することとなった。
「やあ、君がリヴェリー嬢だな! ふむ、ふむ、愚息にはもったいないほど愛らしいお嬢さんじゃないか! なあ!?」
改めて間近で見る前騎士団長———もといグレニスのお父様は、背格好も顔もとてもよくグレニスに似ていた。
グレニスも歳を重ねたらこんな風にダンディーなおじさまになるのだろうかと、未来に思いを馳せてしまう。
大きな違いといえば、ニカッと白い歯を輝かせ、グレニスは絶対にしないであろう快活な笑顔を見せている点だろう。
隣で同意を求められたグレニスのお母様は対照的に無表情で、ほっそりした眉を僅かにひそめて「そうね」と頷くだけだ。
応援ありがとうございます!
23
お気に入りに追加
1,243
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる