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雨の日の記憶

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十年前の今日、この場所で君と出会った。

君は雨が激しく降りしきる中、傘も差さずにただ空を見上げていた。

気の毒に思った俺は思わず声を掛けた。
君は俺の声なんか聞こえてないみたいに表情一つ変える事なく、ただ空を見上げたままだった。

予備に持っていた折り畳みの傘を無理やり君の手に握らせ、足早にその場を去った。

あれから十年。
あの日と同じ雨が降る中、君がいた場所には花がひっそりとたむけられていた。
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