5 / 19

すごい、天才犬よ!!

しおりを挟む
 子犬と行動するようになって、さほどしてないうちに安全エリアと思われる開けた場所にたどり着いていた。
 なんでそう思うのかっていると、周りと全然違ったのよね。
 ダンジョンの中は、今まで通ったところは大体光っているコケが光源になっていたから薄暗かったのよね。
 でも、私たちが見つけた場所は、壁自体が白っぽく光ってて、なんか神聖な感じ?
 それに、誰かが置いたんだと思う、ベッドがデーンって感じで置かれていたのよ。
 疲れ切っていた私は、何も考えずにベッドにダイブしていた。
 子犬も疲れていたみたいで、もうすでに目がとろ~んって。
 あぁ、可愛いな~。
 良い良しと子犬の頭を撫でながら私もうとうとしているうちに、眠ってしまっていた。
 
 どのくらい寝ていたのか分からないけど、次に目が覚めた時、すごく体が軽かった。
 ぐ~って、背伸びすると体がぽきぽきなったけど、それもなんか気持ちよかった。
 こっちに来てから、ずっと縮こまっていた証拠ね。
 横を見ると、子犬も目が覚めたところで、ちっちゃなお目目をぱちぱちってさせてて、本当に可愛いのよ。
 
 とりあえず、これから私と子犬は運命共同体なんだし、今更だけど、挨拶しようと思ったのよね。
 まぁ、言葉は通じないと思うけどね。
 
「こんにちは。子犬ちゃん。私、武蔵野千夜って言うの。よろしくね。って、言ってもわかんないか?」

 独り言のようにそう言った私だけど、子犬が元気よく「わふん!」って鳴いた後に、ちっちゃなお手手で私の手をぽふんって。

「おぉ~。もしかして通じたのかも」

「わふ!」

「わお! マジで通じてる! それじゃ、さらなる自己紹介をするね。えっと、私、異世界から来た十八歳です。えっと……、オウラル王国とかいう国の聖女召喚ってので、ここ呼び出されたんだけど、私の加護が使い物にならないって、ダンジョンに捨てられたのよ……。思い出してもムカつく!! 絶対にここから出てやるんだから!! ってことで、私はこの世界のこと何も知らないから、子犬ちゃん。よろしくね?」

 私がそう言うと、子犬は、私を慰めるように手を舐めてくれた。
 う~……。やさしいぃ……。
 
「わふわふわふん!!」

 う~ん。なんていてるか分からないね。多分、子犬も私に自己紹介してるんだろうなってことは理解できた。
 だけど、犬語は分からないんだよねぇ~。
 
「子犬ちゃん。ごめんね。流石に犬語は分からないわ」

 私がそう言うと、何か考えてるみたいな感じで、子犬は私の周りをぐるぐる回っていた。
 そして、尻尾をぴーんって、させた後に地面をカリカリさせていったのよ。
 
 そして、カリカリするのを止めた子犬は、ドヤ~って感じで私を見たのよ。
 私は、床に描かれたものを見て目を丸くする。
 そこには、こちらの文字が地面に掘られていたのだから。
 
「すごい! 子犬ちゃんは、字が書けるのね。すごい、天才犬よ!! あ~、でも、残念ながら私、こっちの字は読めないのよね」

 めっちゃ子犬を褒めた後、私がそう言うと、子犬はズコーって感じでコケていた。
 うん。この子犬ただものじゃないわね。こんなにコミカルな犬はそうそういないわ。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」

まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05 仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。 私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。 王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。 冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。 本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

処理中です...