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えっ、狼ぃーーー!!
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文字が読めない宣言をした私だったけど、子犬は本当に天才犬だった。
子犬は、またしても私の周りをぐるぐる回った後に、地面に何かを書いていたのだ。
升目に一文字ずつ書かれたそれは、なんとなくあいうえお表のように見えたのだ。
「もしかして、文字を表にしたの? なんてね……?」
私がそう言うと、子犬は、「わふん!!」って、めっちゃ元気に鳴いていたのだ。
だから試しに、「あ」って、言ってみると、子犬は前足である文字を指していたのだ。
まさかと思って、「い」「う」「え」「お」って、ゆっくり言葉に出すと、子犬も四つの文字を指し示したのだ。
そのことから、この世界は元の世界と同じ五十音で文字が成り立っているようだった。
今まで、召喚された特典か何かで言葉が通じていると思っていたけど、同じ言葉を話していたみたいだったのだ。
日本語だけど、日本語ではない異世界の言葉……。ややこしいなぁ。
でも、それならこちらの字を覚えるのも楽そうだと、地面に書かれた文字を改めて見つめる……。
あぁぁーーー、ナニコレ、象形文字?
ぐにゃぐにゃの文字らしきもの……。
うん、子犬と意思疎通するために、私、がんばる! 私は、やればできる子! そうよ、これまで、好きなアニメの異世界語を翻訳したこともあったじゃないの!
以前、好きなアニメに出てきた文字を翻訳するのに夢中になったことがあったことを思いだした私は、やる気をだすのと同時に、離れ離れになった、推しのことを思い出して悲しくなった。
「あぁ~~ん。推しに会えない……。悲しい……」
でも、そんなこと言っている場合じゃないね。
うん。頑張ろう。頑張れ私、負けるな私!
そうだ、私は長女だから我慢できる! って、ひとりっ子なんだけどね!!
そんなことを考えつつも、象形文字にしか見えないこの世界の文字を覚えていった私は、とうとう子犬の名前を知ることができたのだ。
五十音を頭に入れた私に、子犬はゆっくりと地面の文字を指示していったのだ。
「シ・オ・ラ・ル・ト? シオラルト?」
私がそう言うと、子犬はぶんぶんと首を振って地面に何かを書き加えたのだ。
それが理解できなかった私は首を傾げる。
そんな私に、子犬は根気よくある文字とその何かを交互に指示したのだ。
そこで私は、二つの文字がよく似ていることに気が付いたのだ。
まさかと思って、私はそれを口に出してみたのだ。
「もしかして、濁点?」
私が自信無さ気にそう言うと、子犬は「わふ!!」って、返事をしたのだ。
「なるほど……。じゃぁ、これは……。ジとド?」
「わふ!!」
「おぉ~。てことは……。ジオラルド? 君の名前は、ジオラルドっていうのかな?」
「わふん!!」
おおぉ~。意思疎通できた。マジで感激よねこれ。
私が感動していると、ジオラルドは、再び地面を指していくのだ。
それを目で追って、声に出していく私。
「ぼ・く・い・ぬ・ち・が・う・お・お・か・み……。僕、犬違う、狼。えっ、狼ぃーーー!!」
私がそう読み上げると、当たりだとでも言う様に、ジオラルドは尻尾を振って決め顔で前足を上げるのだった。
子犬は、またしても私の周りをぐるぐる回った後に、地面に何かを書いていたのだ。
升目に一文字ずつ書かれたそれは、なんとなくあいうえお表のように見えたのだ。
「もしかして、文字を表にしたの? なんてね……?」
私がそう言うと、子犬は、「わふん!!」って、めっちゃ元気に鳴いていたのだ。
だから試しに、「あ」って、言ってみると、子犬は前足である文字を指していたのだ。
まさかと思って、「い」「う」「え」「お」って、ゆっくり言葉に出すと、子犬も四つの文字を指し示したのだ。
そのことから、この世界は元の世界と同じ五十音で文字が成り立っているようだった。
今まで、召喚された特典か何かで言葉が通じていると思っていたけど、同じ言葉を話していたみたいだったのだ。
日本語だけど、日本語ではない異世界の言葉……。ややこしいなぁ。
でも、それならこちらの字を覚えるのも楽そうだと、地面に書かれた文字を改めて見つめる……。
あぁぁーーー、ナニコレ、象形文字?
ぐにゃぐにゃの文字らしきもの……。
うん、子犬と意思疎通するために、私、がんばる! 私は、やればできる子! そうよ、これまで、好きなアニメの異世界語を翻訳したこともあったじゃないの!
以前、好きなアニメに出てきた文字を翻訳するのに夢中になったことがあったことを思いだした私は、やる気をだすのと同時に、離れ離れになった、推しのことを思い出して悲しくなった。
「あぁ~~ん。推しに会えない……。悲しい……」
でも、そんなこと言っている場合じゃないね。
うん。頑張ろう。頑張れ私、負けるな私!
そうだ、私は長女だから我慢できる! って、ひとりっ子なんだけどね!!
そんなことを考えつつも、象形文字にしか見えないこの世界の文字を覚えていった私は、とうとう子犬の名前を知ることができたのだ。
五十音を頭に入れた私に、子犬はゆっくりと地面の文字を指示していったのだ。
「シ・オ・ラ・ル・ト? シオラルト?」
私がそう言うと、子犬はぶんぶんと首を振って地面に何かを書き加えたのだ。
それが理解できなかった私は首を傾げる。
そんな私に、子犬は根気よくある文字とその何かを交互に指示したのだ。
そこで私は、二つの文字がよく似ていることに気が付いたのだ。
まさかと思って、私はそれを口に出してみたのだ。
「もしかして、濁点?」
私が自信無さ気にそう言うと、子犬は「わふ!!」って、返事をしたのだ。
「なるほど……。じゃぁ、これは……。ジとド?」
「わふ!!」
「おぉ~。てことは……。ジオラルド? 君の名前は、ジオラルドっていうのかな?」
「わふん!!」
おおぉ~。意思疎通できた。マジで感激よねこれ。
私が感動していると、ジオラルドは、再び地面を指していくのだ。
それを目で追って、声に出していく私。
「ぼ・く・い・ぬ・ち・が・う・お・お・か・み……。僕、犬違う、狼。えっ、狼ぃーーー!!」
私がそう読み上げると、当たりだとでも言う様に、ジオラルドは尻尾を振って決め顔で前足を上げるのだった。
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