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第一部
第19話 迷惑なお客さん
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ギルドに提出するに当たり、劣化を防ぐ目的もかねてボトルに入れた状態で持っていくことにした。
まず、ボトルを作る為に、ナシ湖の砂を採取してきてもらった。(ナシ湖の砂はガラスを作るのに適した砂なのよね。)取って来てもらった砂と、研磨剤、中和剤を入れてから完成するようにとお祈りすると、いつもの音とともに数本のワインボトルが完成した。完成したボトルに【幸福のワイン(改)】を詰めて手作りしたラベルを貼って完成よ!
完成した【幸福のワイン(改)】を持って、フェルトさんと一緒にギルドに向かった。フェルトさんは、受付のお姉さんに言ってギルドマスターを呼んでもらった。
ギルドマスターは、呼び出しにピンと来たようで私達を奥の会議室に案内してくれた。
私は、案内された会議室で早速【幸福のワイン(改)】を出した。
ギルドマスターは、早速ボトルからグラスに【幸福のワイン(改)】を注いでから、色、匂いを確かめた後に一口飲んだ。
「!!!」
更にもう一口飲んでから何か考えるようにしながら口を開いた。
「結果については、明日だ。他の職員とも協議したうえで判断する」
特に異論はないので、フェルトさんとギルドを後にした。
「他の職員とも相談するとは思うけど、ギルマスは、アレが完成したと考えていると思うわ。でも、念のため夜に月明かりに当てて見るんじゃないかな」
「そうなんでしょうか?」
「ギルマスは、アレで腕のいい鑑定眼を持っているからね。ただ、月明りにか輝く様を見たいだけかもね」
フェルトさんは、そう言って笑ったのだった。
フェルトさん曰く、ギルドマスターのイケメン中年男性改め、ジーンさんは良いものを見抜くすごい鑑定眼を持っているとかで、物の良い悪いの判断で誤ったことがないそうよ。
今日は付き合ってもらったお礼に、お茶にご招待するためいちご商店に寄ってもらうことにした。
お店に着くと、何時もより人が多い気がした。
「タイガ君。ただいま~」
「あっ、小春さん。大変なんです」
そう言って、タイガ君が駆け寄ってきた。
話を聞くと、お城にいるとある人から、シャンプーや、お菓子を買ってくるように頼まれてお店に来たそうだが、全然数が足りないと怒りだしたというのだ。
タイガ君は、ある分しかないと説明するも、頼まれた数が無いと困ると言い、無いのであれば追加で作れと命令してきたのだそうだ。
それを見ていた常連さん達がタイガ君に味方するように、話に割って入り口論が拡大したということだ。
私の依頼で駆君は街の外に言っているため、誰もストッパーになる人がいなかったようなのだ。
見ると、いつもいるメリッサさんがいなかったのでタイガ君に尋ねると、もめごとが大きくなると大変だから騎士団に相談に行ったというのだ。
何故騎士団なのかというと、ファニスさんは騎士団に所属しているからなのよね。
揉め事の中心人物が、私に気がついたようで、こちらに近づいてきた。
「お前がこの店の錬金術師か?」
「そうですが?」
「そこの餓鬼が、お客様の俺に売る商品がないと言ったんだぞ。なんて店だ!」
「お客さん!お店にある分しか商品が無いと言いましたが、売らないとは言っていません!」
む、最近肉付きを取り戻して可愛さが神がかってきたタイガ君を困らせるだなんて、困ったお客さんだわ。ここは私が言ってやらなければ!
「うちの子に言いがかりを付けて困らせないでくれますか」
「なんだと、こっちはお客様だぞ!」
「そうですか、当店の商品にご満足いただけないようで、残念です。お客様、お帰りはあちらからどうぞ」
そう言って、お店の入り口を指した。
「なっ!」
ふんっだ。帰れ帰れ。
男は更に文句を言い、それでも足りないようで、私に掴みかかろうとした。しかし、私に届くことはなかった。その男の手を、街の外に出掛けていたはずの駆君が掴んでいたのだ。強くつかんでいるようで、駆君の握った指先が白くなってきていた。
「駆、それ位にしておけ」
そう言いながら、ファニスさんがお店に入ってきた。その後ろには、荒い息をしたメリッサさんがいた。走ってきてくれたんだね。メリッサさんありがとうございます。
経緯を説明すると、「営業妨害として連行する」と言って、ファニスさんは男を連行して行った。
駆君はというと、嫌な予感がしたから急いで帰ってきたと言っていた。
騒ぎは治まったけど今日の営業は終了することにした。
心配してくれた常連さん達には、お茶と、お菓子を振舞ってお礼をした。
騒ぎに巻き込んでしまったフェルトさんには、改めてお茶の席にご招待することにした。
結局、あの迷惑なお客さんモドキは何がしたかったんだろう?
◆◇◆◇
夕食も食べ終わり、食後のお茶を三人で楽しんでいた時に、ファニスさんが訪ねてきた。
今日の事についてわざわざ報告に来てくれたのだ。
何と、あの迷惑な男は、城で働く下男だというのだ。
城に滞在するとある女性達に頼まれて、街で評判の商品を買いに来たそうだ。
城に滞在する女性達……。少し心当たりがある。
もしかして私達のクラスメイトだったリして……。
ファニスさんとは、この間の試飲会でしか接していないけど、奥さんであるメリッサさんとは良く知った仲だ。
悪い人ではないだろうと思い、女性たちについて聞こうと思ったら、駆君に目で制された。
「ファニスさん。その女性達は何故自身で買いに来ないんだ?外を出歩けないのか?」
「いや、そうではないが……。俺には良く分からないが、部屋を出たがらないんだそうだ」
「出たがらない?」
「詳しくは分からないが、城の者に聞いたところ、『すっぴん』では恥ずかしくて出歩けないとかなんとか、それと、肌荒れがどうとか言っていたそうだ」
あぁ。日本と違って、ここの人はほぼすっぴんだよね。スキンケアもしていないみたいだし。しかも、貴族の人とかが使っている化粧品の材料を聞いたら肌に悪そうなものばかりだしね。
日本から来た普通の女子高生には耐えられない生活だよ。
ちょっと遠い目をしながら事情を察した私と、駆君だった。
でも、あれは強引過ぎだよ。タイガ君に何かあった場合は、確実にお仕置き案件だったよ。
まず、ボトルを作る為に、ナシ湖の砂を採取してきてもらった。(ナシ湖の砂はガラスを作るのに適した砂なのよね。)取って来てもらった砂と、研磨剤、中和剤を入れてから完成するようにとお祈りすると、いつもの音とともに数本のワインボトルが完成した。完成したボトルに【幸福のワイン(改)】を詰めて手作りしたラベルを貼って完成よ!
完成した【幸福のワイン(改)】を持って、フェルトさんと一緒にギルドに向かった。フェルトさんは、受付のお姉さんに言ってギルドマスターを呼んでもらった。
ギルドマスターは、呼び出しにピンと来たようで私達を奥の会議室に案内してくれた。
私は、案内された会議室で早速【幸福のワイン(改)】を出した。
ギルドマスターは、早速ボトルからグラスに【幸福のワイン(改)】を注いでから、色、匂いを確かめた後に一口飲んだ。
「!!!」
更にもう一口飲んでから何か考えるようにしながら口を開いた。
「結果については、明日だ。他の職員とも協議したうえで判断する」
特に異論はないので、フェルトさんとギルドを後にした。
「他の職員とも相談するとは思うけど、ギルマスは、アレが完成したと考えていると思うわ。でも、念のため夜に月明かりに当てて見るんじゃないかな」
「そうなんでしょうか?」
「ギルマスは、アレで腕のいい鑑定眼を持っているからね。ただ、月明りにか輝く様を見たいだけかもね」
フェルトさんは、そう言って笑ったのだった。
フェルトさん曰く、ギルドマスターのイケメン中年男性改め、ジーンさんは良いものを見抜くすごい鑑定眼を持っているとかで、物の良い悪いの判断で誤ったことがないそうよ。
今日は付き合ってもらったお礼に、お茶にご招待するためいちご商店に寄ってもらうことにした。
お店に着くと、何時もより人が多い気がした。
「タイガ君。ただいま~」
「あっ、小春さん。大変なんです」
そう言って、タイガ君が駆け寄ってきた。
話を聞くと、お城にいるとある人から、シャンプーや、お菓子を買ってくるように頼まれてお店に来たそうだが、全然数が足りないと怒りだしたというのだ。
タイガ君は、ある分しかないと説明するも、頼まれた数が無いと困ると言い、無いのであれば追加で作れと命令してきたのだそうだ。
それを見ていた常連さん達がタイガ君に味方するように、話に割って入り口論が拡大したということだ。
私の依頼で駆君は街の外に言っているため、誰もストッパーになる人がいなかったようなのだ。
見ると、いつもいるメリッサさんがいなかったのでタイガ君に尋ねると、もめごとが大きくなると大変だから騎士団に相談に行ったというのだ。
何故騎士団なのかというと、ファニスさんは騎士団に所属しているからなのよね。
揉め事の中心人物が、私に気がついたようで、こちらに近づいてきた。
「お前がこの店の錬金術師か?」
「そうですが?」
「そこの餓鬼が、お客様の俺に売る商品がないと言ったんだぞ。なんて店だ!」
「お客さん!お店にある分しか商品が無いと言いましたが、売らないとは言っていません!」
む、最近肉付きを取り戻して可愛さが神がかってきたタイガ君を困らせるだなんて、困ったお客さんだわ。ここは私が言ってやらなければ!
「うちの子に言いがかりを付けて困らせないでくれますか」
「なんだと、こっちはお客様だぞ!」
「そうですか、当店の商品にご満足いただけないようで、残念です。お客様、お帰りはあちらからどうぞ」
そう言って、お店の入り口を指した。
「なっ!」
ふんっだ。帰れ帰れ。
男は更に文句を言い、それでも足りないようで、私に掴みかかろうとした。しかし、私に届くことはなかった。その男の手を、街の外に出掛けていたはずの駆君が掴んでいたのだ。強くつかんでいるようで、駆君の握った指先が白くなってきていた。
「駆、それ位にしておけ」
そう言いながら、ファニスさんがお店に入ってきた。その後ろには、荒い息をしたメリッサさんがいた。走ってきてくれたんだね。メリッサさんありがとうございます。
経緯を説明すると、「営業妨害として連行する」と言って、ファニスさんは男を連行して行った。
駆君はというと、嫌な予感がしたから急いで帰ってきたと言っていた。
騒ぎは治まったけど今日の営業は終了することにした。
心配してくれた常連さん達には、お茶と、お菓子を振舞ってお礼をした。
騒ぎに巻き込んでしまったフェルトさんには、改めてお茶の席にご招待することにした。
結局、あの迷惑なお客さんモドキは何がしたかったんだろう?
◆◇◆◇
夕食も食べ終わり、食後のお茶を三人で楽しんでいた時に、ファニスさんが訪ねてきた。
今日の事についてわざわざ報告に来てくれたのだ。
何と、あの迷惑な男は、城で働く下男だというのだ。
城に滞在するとある女性達に頼まれて、街で評判の商品を買いに来たそうだ。
城に滞在する女性達……。少し心当たりがある。
もしかして私達のクラスメイトだったリして……。
ファニスさんとは、この間の試飲会でしか接していないけど、奥さんであるメリッサさんとは良く知った仲だ。
悪い人ではないだろうと思い、女性たちについて聞こうと思ったら、駆君に目で制された。
「ファニスさん。その女性達は何故自身で買いに来ないんだ?外を出歩けないのか?」
「いや、そうではないが……。俺には良く分からないが、部屋を出たがらないんだそうだ」
「出たがらない?」
「詳しくは分からないが、城の者に聞いたところ、『すっぴん』では恥ずかしくて出歩けないとかなんとか、それと、肌荒れがどうとか言っていたそうだ」
あぁ。日本と違って、ここの人はほぼすっぴんだよね。スキンケアもしていないみたいだし。しかも、貴族の人とかが使っている化粧品の材料を聞いたら肌に悪そうなものばかりだしね。
日本から来た普通の女子高生には耐えられない生活だよ。
ちょっと遠い目をしながら事情を察した私と、駆君だった。
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