(完結)妹に病にかかった婚約者をおしつけられました。

青空一夏

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(ベッツィー視点)

 お父様は、多分皆三日後には平民になるのだ、と言った。だから、わたしはワンピースを買いに行くことにした。
だって、平民になったらもうドレスは着られない。これからは簡易なワンピースがたくさん必要になるはずよ。

 普段は行かない平民用の仕立屋に行き、そこでかわいいデザインのワンピースを作ってもらうことにしよう。

「いいこと? 二日間で作ってちょうだい。作れなければこの店を潰すわよ。わたしはカステジャノス侯爵令嬢なのだから」

「それは到底無理です。他のお客様の仕立て予約も入っておりますから」

「そんなものは後回しにしてよ。あそこの取り分けてあるワンピースはなぁに?」

「あれは、デリッィツア様のワンピースでして、これから受け取りにくるのです」

「デリッィツア? それは貴族の令嬢なのかしら?」

「いいえ。貴族ではありません」

「それなら、貴族のわたしを優先させなさいよ」

 無理やり試着してみれば、そのワンピースは私の身体にぴったりだ。
「これはわたしの為につくられたワンピースよ。だからわたしが着てあげる」

 店主が止めるのを振り切り、代金は店員の女に渡し上機嫌で屋敷に帰った。お金は、お祖父様がわたしに送ってくれたものがたっぷり残っていた。お父様は3人分(わたしとお兄様と憎らしいフランソワーズ)だと言ったけれど、わたしとお兄様でいつも二等分していたのだ。お父様もお母様も、それに対して一度も注意をしたことはない。

(フランソワーズ、むかつくわ。なんであんな女が聖女なんだろう? わたしのほうが絶対に聖女様に相応しいのに)






(フランク視点)

 父上が、多分皆平民になってしまう、と言っていた。だから平民になったらできないことをしようと思った。だったら、あれだ。

 カステジャノス家に仕えている侍女やメイドのなかで、可愛い者だけを侍らせて僕の世話をさせた。こんな天国はもう絶対味わえないから、今のうちに満喫しないとね。

 女達に僕の体を洗わせて……夜になると無理やり添い寝をさせる。

「お許しください。私には婚約者がいます」

「添い寝するだけだから大丈夫。なにもしないよ。僕の言うことが聞けないのかよ?」
 少しだけ凄むと、メイドは泣きながら隣に横になった。

 だって、これは貴族の特権。もうできなくなると思えば、メイドのお尻だって触りまくってやるよ。メイドは泣きそうな顔をしていたが必死で耐えていた。

 だって、こいつらは貴族の僕には歯向かえないから。あぁ、こんな特権がなくなるのは本当に辛い。
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