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2 怪我だらけの子犬
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婚約を解消してすぐに、カサンドラ・マリモ公爵令嬢が私にしきりに話しかけてくるようになった。
とても、朗らかに笑い、よく食べる彼女は底抜けに明るかった。
私が動物が好きだと話すとカサンドラは私に告白した。
「私、実は子犬を寮で飼っているのです。これは、秘密ですよ?」
カサンドラを悪戯っぽく笑った。
「そうなのかい? 可愛いだろうね? 今度、見せてもらってもいいかな?」
カサンドラは翌日、私にこっそり見せてくれた。
白いふわふわの子犬は、足に怪我をしていて元気がなかった。
「拾った時は、もっと酷い怪我をしていました。可哀想に、きっとこの学園の生徒に虐められたのですわ」
涙を溜めて言う彼女は私に抱きついてきた。その子犬をよく見ると左後足だけ靴下をはいたように黒い毛並みだった。この変った特徴は見覚えがあった。
この子犬は、間違いなくマリーアンが拾った子犬だ。では、マリーアンは可愛がるために拾ったのではなくて・・・・・・虐待するために拾ったのか?
やはり、あの氷の美貌のマリーアンは中身も氷なんだ。
あぁ、良かった。あのまま婚約していたら大変なことになっていた。
小さな抵抗もできない動物を虐待するなんて、なんて酷い・・・・・・
まもなく、私はこのカサンドラと婚約した。
すると、マリーアンが私に話しかけてくるようになった。
今更、なんだというのだろうか? 無視していたが、あんまり、しつこいので私は公衆の面前で注意をしてやった。
「貴女は、他の女性の婚約者に話しかけるのが趣味なのか? 私達が婚約しているときには全く話しかけてこなかったのに!」
マリーアンは、下を向いて唇を噛みしめて涙ぐんでいた。いまさら、何の用があるというのだろうか?
カサンドラと、それからデートを重ねたが、犬や猫を見かけてもまるで反応しなかった。
私のような犬好きは、犬を見かければしばらくは見入ってしまい、時間があればその飼い主とすら親しくなるというのに・・・・・・
その日も、公園でいろいろな犬種の犬がドッグランで遊んでいるのを眺めながら、一緒に散歩を楽しんでいた。
「あの子犬は元気?今日は、こっそり連れてくればよかったのに。ここで走らせたら、喜んだろうに」
「え? えぇ、あの子は今、病気ですわ。走れません」
「なんだって?なぜ、病院に連れていかない?」
「だって、私は秘密であそこで飼っているのですよ? 病院になんか連れていったらばれてしまいます」
カサンドラはそういいながら平然と面倒くさそうに答え、つまらなそうに犬たちを眺めていた。
私は、嫌な予感がした。もしかしたら・・・・・・私は・・・・・・間違えたか・・・・・・
「カサンドラ。申し訳ないけれど、少し用事を思い出したようだ。貴女は、街まで行って、好きなドレスでもゆっくりとみてくればいい」
少し多めに、お金を渡すと、カサンドラは大喜びで、ドレスを見にいったようだ。
私は急いで寮に戻ると、女子寮を訪ねた。女子寮の責任者のレナル寮長は、私の母上とは同窓生で仲良しだった。
「カサンドラの部屋にいる子犬を保護してもらえませんか?お願いです」
レナル寮長があわてて、連れてきた子犬は、両足に包帯を巻いて傷だらけで、衰弱していたのだった。
とても、朗らかに笑い、よく食べる彼女は底抜けに明るかった。
私が動物が好きだと話すとカサンドラは私に告白した。
「私、実は子犬を寮で飼っているのです。これは、秘密ですよ?」
カサンドラを悪戯っぽく笑った。
「そうなのかい? 可愛いだろうね? 今度、見せてもらってもいいかな?」
カサンドラは翌日、私にこっそり見せてくれた。
白いふわふわの子犬は、足に怪我をしていて元気がなかった。
「拾った時は、もっと酷い怪我をしていました。可哀想に、きっとこの学園の生徒に虐められたのですわ」
涙を溜めて言う彼女は私に抱きついてきた。その子犬をよく見ると左後足だけ靴下をはいたように黒い毛並みだった。この変った特徴は見覚えがあった。
この子犬は、間違いなくマリーアンが拾った子犬だ。では、マリーアンは可愛がるために拾ったのではなくて・・・・・・虐待するために拾ったのか?
やはり、あの氷の美貌のマリーアンは中身も氷なんだ。
あぁ、良かった。あのまま婚約していたら大変なことになっていた。
小さな抵抗もできない動物を虐待するなんて、なんて酷い・・・・・・
まもなく、私はこのカサンドラと婚約した。
すると、マリーアンが私に話しかけてくるようになった。
今更、なんだというのだろうか? 無視していたが、あんまり、しつこいので私は公衆の面前で注意をしてやった。
「貴女は、他の女性の婚約者に話しかけるのが趣味なのか? 私達が婚約しているときには全く話しかけてこなかったのに!」
マリーアンは、下を向いて唇を噛みしめて涙ぐんでいた。いまさら、何の用があるというのだろうか?
カサンドラと、それからデートを重ねたが、犬や猫を見かけてもまるで反応しなかった。
私のような犬好きは、犬を見かければしばらくは見入ってしまい、時間があればその飼い主とすら親しくなるというのに・・・・・・
その日も、公園でいろいろな犬種の犬がドッグランで遊んでいるのを眺めながら、一緒に散歩を楽しんでいた。
「あの子犬は元気?今日は、こっそり連れてくればよかったのに。ここで走らせたら、喜んだろうに」
「え? えぇ、あの子は今、病気ですわ。走れません」
「なんだって?なぜ、病院に連れていかない?」
「だって、私は秘密であそこで飼っているのですよ? 病院になんか連れていったらばれてしまいます」
カサンドラはそういいながら平然と面倒くさそうに答え、つまらなそうに犬たちを眺めていた。
私は、嫌な予感がした。もしかしたら・・・・・・私は・・・・・・間違えたか・・・・・・
「カサンドラ。申し訳ないけれど、少し用事を思い出したようだ。貴女は、街まで行って、好きなドレスでもゆっくりとみてくればいい」
少し多めに、お金を渡すと、カサンドラは大喜びで、ドレスを見にいったようだ。
私は急いで寮に戻ると、女子寮を訪ねた。女子寮の責任者のレナル寮長は、私の母上とは同窓生で仲良しだった。
「カサンドラの部屋にいる子犬を保護してもらえませんか?お願いです」
レナル寮長があわてて、連れてきた子犬は、両足に包帯を巻いて傷だらけで、衰弱していたのだった。
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