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5 勝者はイボンヌ?
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笑われたマリアンヌは、イボンヌをうっとりして見つめるショーンの腕を引っ張る。
「あら? マリアンヌさんの家はどちらの方向ですか? 私達はこれから一緒にショーン様の屋敷に帰るので、ここでサヨナラですわね。お仕事、お疲れ様でした。また、明日もショーン様をお仕事で支えてあげてくださいね? ここからは、家族の時間ですからごきげんよう」
ショーンの腕に添えたマリアンヌの手を、おかしそうにチラリと見ながらイボンヌがとても優しい口調で言った。
「家族の時間?」
マリアンヌは口を尖らせる。
「えぇ、そうですわ。だってあなたとショーン様はただの同僚でしょう? 私とパトリシアお姉様はショーン様の家族ですからね。部外者はこれにて遠慮してくださいな?」
イボンヌの口調は、あくまでソフト。
でも要約すれば、「あんた、さっさと消えなさいよ」と言われたようなものね。
「え! ひどぉーーい。ショーン様、この人、私を虐めますぅ」
マリアンヌはぷっと頬を膨らませ涙を滲ます攻撃に出たけれど、それがイボンヌに効くと思ったら大間違い。
「あ、なんだか目眩がしてきましたわ。どうしたのかしら」
イボンヌは白い肌を青ざめさせて、身体を本当にふらつかせる。イボンヌの病弱なふり演技が始まった。
「え! 大丈夫ですか? さぁ、早く私の屋敷へ」
「ええ、ありがとうございます。でも、ちょっと歩けないかも」
天使の微笑みがほんの少し曇るだけで、もの凄い破壊力がある。
小動物の涙よりもやっぱり天使よねぇ、と私は感心する。
イボンヌは緻密に距離をはかって、ショーンに身を寄せるように倒れた。ちょうど彼が腕を伸ばして支えられるような位置を狙う。
ショーンはイボンヌを抱きかかえて、騎士さながら颯爽とお姫様抱っこを路上で披露した。
「大丈夫ですか? 私がちゃんと屋敷まで抱きかかえて行くので安心してくださいね」
もうショーンにはマリアンヌが見えていない。
「私、方向が逆なので・・・・・・さようなら」
反対方向に走って行くマリアンヌに「あぁ、お疲れ」としか言わない夫。視線はずっとイボンヌの大きな胸に注がれていた。
屋敷の近くまできたところで、散歩中のギガンテッド元男爵に会う。夕食前の散歩時間にこうして遭遇したのも、もちろん私の計画通り。
「どうしたんだね? このお嬢さんは誰かな?」
「まぁ、素敵なおじ様。私はパトリシアお姉様の従姉妹イボンヌですわ。体調を崩してしまって・・・・・・今日はお姉様のお屋敷に泊まる予定で来たんですけどね・・・・・・お世話になります」
弱々しく微笑む天使。蜂蜜色の髪は煌めいているし、琥珀の瞳は潤んで宝石のようだ。
「それは大変だなぁ。早く屋敷に運ぼう。どれ、私が抱いて運んであげよう。ほら、こっちに寄越しなさい」
ここでまさかのイボンヌ取り合い?
ここでの勝者はギガンテッド元男爵だ。
年甲斐もなくイボンヌをお姫様抱っこをして屋敷に入ったギガンテッド元男爵に、ジェンナ様がワナワナと唇を震わせた。
「その女は誰よ!」
「初めまして。パトリシアお姉様の従姉妹ですわ」
「従姉妹ぉ? あぁ、もしかして青物屋の娘ね? ふん ! なんでそんな娘がここに来るのよ?」
その言葉に傷ついたような顔をしてほろりと一筋の涙を流すイボンヌ。
「よさないか。人の価値は家柄じゃないんだぞ! 」
いつもと言うことが違うギガンテッド元男爵。びっくりだわ。
ここでイボンヌVSジェンナ様の戦いが始まる。
「あら? マリアンヌさんの家はどちらの方向ですか? 私達はこれから一緒にショーン様の屋敷に帰るので、ここでサヨナラですわね。お仕事、お疲れ様でした。また、明日もショーン様をお仕事で支えてあげてくださいね? ここからは、家族の時間ですからごきげんよう」
ショーンの腕に添えたマリアンヌの手を、おかしそうにチラリと見ながらイボンヌがとても優しい口調で言った。
「家族の時間?」
マリアンヌは口を尖らせる。
「えぇ、そうですわ。だってあなたとショーン様はただの同僚でしょう? 私とパトリシアお姉様はショーン様の家族ですからね。部外者はこれにて遠慮してくださいな?」
イボンヌの口調は、あくまでソフト。
でも要約すれば、「あんた、さっさと消えなさいよ」と言われたようなものね。
「え! ひどぉーーい。ショーン様、この人、私を虐めますぅ」
マリアンヌはぷっと頬を膨らませ涙を滲ます攻撃に出たけれど、それがイボンヌに効くと思ったら大間違い。
「あ、なんだか目眩がしてきましたわ。どうしたのかしら」
イボンヌは白い肌を青ざめさせて、身体を本当にふらつかせる。イボンヌの病弱なふり演技が始まった。
「え! 大丈夫ですか? さぁ、早く私の屋敷へ」
「ええ、ありがとうございます。でも、ちょっと歩けないかも」
天使の微笑みがほんの少し曇るだけで、もの凄い破壊力がある。
小動物の涙よりもやっぱり天使よねぇ、と私は感心する。
イボンヌは緻密に距離をはかって、ショーンに身を寄せるように倒れた。ちょうど彼が腕を伸ばして支えられるような位置を狙う。
ショーンはイボンヌを抱きかかえて、騎士さながら颯爽とお姫様抱っこを路上で披露した。
「大丈夫ですか? 私がちゃんと屋敷まで抱きかかえて行くので安心してくださいね」
もうショーンにはマリアンヌが見えていない。
「私、方向が逆なので・・・・・・さようなら」
反対方向に走って行くマリアンヌに「あぁ、お疲れ」としか言わない夫。視線はずっとイボンヌの大きな胸に注がれていた。
屋敷の近くまできたところで、散歩中のギガンテッド元男爵に会う。夕食前の散歩時間にこうして遭遇したのも、もちろん私の計画通り。
「どうしたんだね? このお嬢さんは誰かな?」
「まぁ、素敵なおじ様。私はパトリシアお姉様の従姉妹イボンヌですわ。体調を崩してしまって・・・・・・今日はお姉様のお屋敷に泊まる予定で来たんですけどね・・・・・・お世話になります」
弱々しく微笑む天使。蜂蜜色の髪は煌めいているし、琥珀の瞳は潤んで宝石のようだ。
「それは大変だなぁ。早く屋敷に運ぼう。どれ、私が抱いて運んであげよう。ほら、こっちに寄越しなさい」
ここでまさかのイボンヌ取り合い?
ここでの勝者はギガンテッド元男爵だ。
年甲斐もなくイボンヌをお姫様抱っこをして屋敷に入ったギガンテッド元男爵に、ジェンナ様がワナワナと唇を震わせた。
「その女は誰よ!」
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「従姉妹ぉ? あぁ、もしかして青物屋の娘ね? ふん ! なんでそんな娘がここに来るのよ?」
その言葉に傷ついたような顔をしてほろりと一筋の涙を流すイボンヌ。
「よさないか。人の価値は家柄じゃないんだぞ! 」
いつもと言うことが違うギガンテッド元男爵。びっくりだわ。
ここでイボンヌVSジェンナ様の戦いが始まる。
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