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消えたリン
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私はジョセリン・ハーパー伯爵令嬢で、今年15歳になる。
私の一番の親友はこのもふもふな大きな犬だ。私が産まれた時に屋敷に迷い込んできたと、お母様はおっしゃる。
初めは、とても小さい子犬だったのに、今ではオオカミにも見間違えそうな大きさと精悍さを誇る。
リンはいつも、側にいる。どんなときも、傍らにいて守ってくれる。私はこのリンとずっと一緒にいれると思っていた。
けれど、『聖女様鑑定日』のあの日。
私がかざした手の下の魔法石が眩い光を放った。そう、私は聖女様に認定されてしまった。
しかも、聖女様になったら王都に行って、高位貴族達が通う学園に行かなければならないという。
ーーどうしよう。リンと離れ離れになっちゃう。王都の学校は寄宿舎があって、夏休みにしか戻ってこれないかもしれない。そして、その後も王都に留まることになったら‥‥
私は、王都に行く数日前にリンに向かった言った。
「リン。私、王都の学校に行くことになったの。夏しか会えなくなるね」
私が泣くのをじっと見ていたリンは、涙をペロリと舐めて私にお腹を向けた。
「撫でてほしいのね?いい子ね。私はあなたが大好きよ。夏休みには絶対、帰ってくるわ!」
リンの滑らかな銀の毛が陽に煌めいてとても綺麗だった。
そして、リンは姿を消した。どこにも、いない。
「きっと、リンは伝説の白いオオカミの仲間だったのよ。とても、大きくて綺麗だったでしょう?ジョセリンが王都に行くことがわかって、自分の役目が終わったって思ったのかもしれないわね?ずっと、ジョセリンを守ってきたもの。リンはお嫁さんを探しに行ったのかもしれないわ」
お母様は、刺繍をしながら私にウインクしてくる。
ーーそうなの?リン。お嫁さんを見つけに行ったの?ずっと一緒にいたかったよ。
私の一番の親友はこのもふもふな大きな犬だ。私が産まれた時に屋敷に迷い込んできたと、お母様はおっしゃる。
初めは、とても小さい子犬だったのに、今ではオオカミにも見間違えそうな大きさと精悍さを誇る。
リンはいつも、側にいる。どんなときも、傍らにいて守ってくれる。私はこのリンとずっと一緒にいれると思っていた。
けれど、『聖女様鑑定日』のあの日。
私がかざした手の下の魔法石が眩い光を放った。そう、私は聖女様に認定されてしまった。
しかも、聖女様になったら王都に行って、高位貴族達が通う学園に行かなければならないという。
ーーどうしよう。リンと離れ離れになっちゃう。王都の学校は寄宿舎があって、夏休みにしか戻ってこれないかもしれない。そして、その後も王都に留まることになったら‥‥
私は、王都に行く数日前にリンに向かった言った。
「リン。私、王都の学校に行くことになったの。夏しか会えなくなるね」
私が泣くのをじっと見ていたリンは、涙をペロリと舐めて私にお腹を向けた。
「撫でてほしいのね?いい子ね。私はあなたが大好きよ。夏休みには絶対、帰ってくるわ!」
リンの滑らかな銀の毛が陽に煌めいてとても綺麗だった。
そして、リンは姿を消した。どこにも、いない。
「きっと、リンは伝説の白いオオカミの仲間だったのよ。とても、大きくて綺麗だったでしょう?ジョセリンが王都に行くことがわかって、自分の役目が終わったって思ったのかもしれないわね?ずっと、ジョセリンを守ってきたもの。リンはお嫁さんを探しに行ったのかもしれないわ」
お母様は、刺繍をしながら私にウインクしてくる。
ーーそうなの?リン。お嫁さんを見つけに行ったの?ずっと一緒にいたかったよ。
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