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17 逆上がり問題ー体育は苦手
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「あー、次の時間は体育だ……憂鬱だなぁーー」
私は体育がとても苦手で、この時間ばかりはどうしても好きになれなかった。鉄棒は前回りはできるけれど逆上がりができないし、跳び箱は飛んでいる瞬間にあの段が崩れそうで怖い。
莉子ちゃんも柊君も、余裕でするけれど私は無理だったので、落ち込んでしまう。
「私ね、体育が苦手なんだ……鉄棒も跳び箱も嫌い……」
莉子ちゃんや柊君に愚痴る。
「そうなんだねぇ。できないよりできたほうがいいけれど、人間だもの。苦手なことがあったって普通よ。紬ちゃんは鉄棒ができなくたって、素晴らしい絵や焼き物が作れるでしょう?」
「うん……でも……恥ずかしいんだ。ほとんどの子はできるもん」
その言葉に莉子ちゃんと柊君が顔を見合わせてうなづく。
「今日の放課後は僕が鉄棒を教えるよ。逆上がりなんてコツがわかればできるから」
「明日の放課後は私が教えるわ。鉄棒なんて、そんなに難しくないよ。跳び箱は授業中でしかできないから教えられないけれど。マット運動なんかはお布団とかヨガマットの上で練習するとできるよ」
柊君と莉子ちゃんが、そう言いながら励ましてくれた。
「うん!」
そうして、今は柊君と苦手な鉄棒の前にいる。
「まずね、ふりあげる足を後ろに引いてから、反対の足を大きく前にふみこんでごらん? 後ろにひいた足を反動をつけて前へ高く振り上げて……」
「うん!」
私は柊君の言われた通りに何度もやるけれど、あんまりうまくできない。
「あせらないで! 腕の力をつける為に礼子さんとタオル綱引きで遊ぶといいよ。こうやって腕を曲げて、ひじをしっかり引いてタオルを引っ張るんだよ。僕はよく暖と、こうして遊んでいたよ」
「そうなんだぁ。そういえば、柊君ちの庭に鉄棒があったね。あれで、遊んでるの?」
「うん。父が『男の子が鉄棒できないと恥ずかしいだろう』って言って作ってくれたんだ。幼稚園の頃からあるよ。僕の家に今週も礼子さんと来るでしょう? その時にも教えてあげる」
「うん」
私の逆上がり問題にすごく真剣になってくれる柊君に、照れながら微笑んだ。
「紬ちゃんは逆上がりなんてできなくっても、全然かわいいけど……」
「?」
可愛いと逆上がりは、別問題なはず……そして、私は可愛くないと思う。
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
家に帰ると礼子さんが「おかえり」と、笑顔で迎えてくれておやつを一緒に食べる。その時間が学校での出来事の報告タイムだ。
今日の議題は『逆上がり問題』になった。それは『跳び箱問題』や『マット運動問題』に発展するんだけれど……まずは『逆上がり問題』だ。
礼子さんは黙って私の話を聞いていたけれど、
「つまり、運動って身体で覚えるしかないのよ。毎日トライすれば、そのうちできるわけよ。そこの中庭に鉄棒を設置しようか?」
「あ、待って! そこまでしてくれなくていいよ。あのね、柊君と莉子ちゃんが放課後に学校の鉄棒で教えてくれるって言ってくれたの。でね……タオルで引っ張りっこがいいんだって」
それを聞いた礼子さんは早速タオルを持ってきて、私と引っ張りっこをする。
中庭から入ってきたお祖母ちゃんが、ギョッとして私達を見ていた。
「タオルを引っ張り合ってなにをしているの? 全く、礼子もそんなタオルなんて紬ちゃんに貸してあげなさい。子供とタオルの取り合いなんて……」
「へ?」
「え?」
私と礼子さんは、お祖母ちゃんの勘違いに大笑いしたのだった。お祖母ちゃんも、どちらかと言えば天然系なのかもしれないなぁ。
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
翌日の放課後の鉄棒の先生は莉子ちゃん。
「紬ちゃん、いいこと? 逆上がりに必要なのはなんたって『このやろぉー』って気持ちよ!」
「え? 今、莉子ちゃん、なんて言ったの?」
「ん? だからぁ、『こんにゃろぉーー』って気持ちが大事なの。空に向かって真上に大嫌いな人を思い浮かべてごらん? それを蹴り上げる気持ちよ!」
「大嫌いな人?」
「うん、そうよ。もやもやした気持ちでも、嫌いな食べ物でもなんでもいいの。私の場合はケンカしたばかりのお兄ちゃんとかね、思い浮かべてやるよ」
「え? あの律君を蹴るイメージ?」
「ふふふ、そうよぉ。大っ嫌いなものを、思いっきり蹴り上げてそのまま鉄棒にお腹を巻き付けるイメージよっ。その時は自分は綺麗な白蛇ちゃんって妄想するの。わかった?」
「う、うん」
私は、大っ嫌いな『前のお母さん』を思い出した。お母さんなんて嫌いだぁ、って心のなかで叫んだあとは、自分は白蛇ちゃんだって想像する。蛇はきっと鉄棒に巻き付いて離れたりしない。
何度か練習して6回目に……できた!
「莉子ちゃぁん。できたぁ! すごい、できたよ!」
「うっふふ。莉子ちゃん体操教室、すごいでしょう? イメージが大事なのよ。跳び箱も怖いって思ったら飛べないよ。私は『私はかわいいウサギちゃんだぞ!』とか、思うようにしてる。お兄ちゃんに言ったら爆笑されたけどさ。これって、想像力ある子にしかわからない特殊能力よね!」
「うん!想像力なら誰にも負けないよ。だって、いつもいろんなこと考えちゃうもん!」
「あっははは、私達天才だ」
「うん、天才だね!」
あとで礼子さんにそれを話したらにっこりと笑った。
「そうだね、皆、天才だよ。凡人なんてこの世に一人もいないって思うな。皆、いろいろな才能があるけど気がつかないだけなんだと思うよ」
礼子さんの言葉は、いつだって優しい。
翌日の柊君の鉄棒の説明は「足下にあるボールを蹴るイメージ」だと言った。私はボールよりも、今日の給食で食べさせられた焼きサバを思い出す。焼きサバは苦手だった。
「焼きサバなんて大っ嫌い!」って心の中で叫んで足の真上に巨大な焼きサバをイメージして、えいっと蹴り上げた。それから優雅な白蛇に私はなっている、って想像した。白蛇の私はお腹を鉄棒にまきつけるんだ。
「すごいよ! すぐにできちゃったね!」
柊君が私の手をとって、自分のことのように喜んでくれた。
「うん、ありがとう。柊君と莉子ちゃんのお陰だよ」
私は莉子ちゃんの教えを、忠実に頭に再現しているとは言わなかった。
だって礼子さんが本当のことを言わなくてもいい場合を、私の手帖にメモってくれたから。
本当のことを言ってその人を傷つけたりする場合は、優しい嘘をつきなさい、むしろつかなければ仲良くできないって。それから、余計なことを言わないように。話す前に数を10かぞえてから話すようにとも書いてくれた。
それを守るようにしていたら前よりずっとお友達が増えたし、落ち着いてお話しできるようになったね、って褒められることが多くなった。
それから数日後、健一叔父さんの牧場の隅に鉄棒が設置された。
「紬、ほら、これでいくらでも逆上がりできるな!」
最近の健一叔父さんは、私を紬って呼び捨てにするけど嫌じゃなくなった。ぶっきらぼうで、一言多いけれど気持ちはけっして冷たい人じゃないんだ。
今回も礼子さんの話を聞いて、健一叔父さんが設置するって言ってくれたんだって。
「叔父さん、ありがとう!」
「お礼なんて言うなよ。別にこれは紬のために作ったわけじゃねーし。ほら、牧場に遊びに来るお客さんに子供もいるからなぁ」
そうやっていつもみたいにぶっきらぼうに言った。でも、それから子供用のかわいい跳び箱が牧場の隅に増え、マットまで置かれた時にはもう感謝しかなかった。
「素直じゃないわねぇ。これはもちろん紬ちゃんの為よ。勉強も絵も陶芸教室も頑張っているからね。私達からのプレゼント。もうすぐお誕生日だもんね!」
「あ、忘れてたぁ」
私のお誕生日にはいい思い出がないから忘れていたんだ。今までは結月と一緒のお誕生日でも、祝福されるのは結月だけだった。私は『できそこない』だったから。ここには私を『できそこない』と言う人はいない。
礼子さんは『誕生会を仲良しを呼んで開こうね!』 と言ってくれた。
私は体育がとても苦手で、この時間ばかりはどうしても好きになれなかった。鉄棒は前回りはできるけれど逆上がりができないし、跳び箱は飛んでいる瞬間にあの段が崩れそうで怖い。
莉子ちゃんも柊君も、余裕でするけれど私は無理だったので、落ち込んでしまう。
「私ね、体育が苦手なんだ……鉄棒も跳び箱も嫌い……」
莉子ちゃんや柊君に愚痴る。
「そうなんだねぇ。できないよりできたほうがいいけれど、人間だもの。苦手なことがあったって普通よ。紬ちゃんは鉄棒ができなくたって、素晴らしい絵や焼き物が作れるでしょう?」
「うん……でも……恥ずかしいんだ。ほとんどの子はできるもん」
その言葉に莉子ちゃんと柊君が顔を見合わせてうなづく。
「今日の放課後は僕が鉄棒を教えるよ。逆上がりなんてコツがわかればできるから」
「明日の放課後は私が教えるわ。鉄棒なんて、そんなに難しくないよ。跳び箱は授業中でしかできないから教えられないけれど。マット運動なんかはお布団とかヨガマットの上で練習するとできるよ」
柊君と莉子ちゃんが、そう言いながら励ましてくれた。
「うん!」
そうして、今は柊君と苦手な鉄棒の前にいる。
「まずね、ふりあげる足を後ろに引いてから、反対の足を大きく前にふみこんでごらん? 後ろにひいた足を反動をつけて前へ高く振り上げて……」
「うん!」
私は柊君の言われた通りに何度もやるけれど、あんまりうまくできない。
「あせらないで! 腕の力をつける為に礼子さんとタオル綱引きで遊ぶといいよ。こうやって腕を曲げて、ひじをしっかり引いてタオルを引っ張るんだよ。僕はよく暖と、こうして遊んでいたよ」
「そうなんだぁ。そういえば、柊君ちの庭に鉄棒があったね。あれで、遊んでるの?」
「うん。父が『男の子が鉄棒できないと恥ずかしいだろう』って言って作ってくれたんだ。幼稚園の頃からあるよ。僕の家に今週も礼子さんと来るでしょう? その時にも教えてあげる」
「うん」
私の逆上がり問題にすごく真剣になってくれる柊君に、照れながら微笑んだ。
「紬ちゃんは逆上がりなんてできなくっても、全然かわいいけど……」
「?」
可愛いと逆上がりは、別問題なはず……そして、私は可愛くないと思う。
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
家に帰ると礼子さんが「おかえり」と、笑顔で迎えてくれておやつを一緒に食べる。その時間が学校での出来事の報告タイムだ。
今日の議題は『逆上がり問題』になった。それは『跳び箱問題』や『マット運動問題』に発展するんだけれど……まずは『逆上がり問題』だ。
礼子さんは黙って私の話を聞いていたけれど、
「つまり、運動って身体で覚えるしかないのよ。毎日トライすれば、そのうちできるわけよ。そこの中庭に鉄棒を設置しようか?」
「あ、待って! そこまでしてくれなくていいよ。あのね、柊君と莉子ちゃんが放課後に学校の鉄棒で教えてくれるって言ってくれたの。でね……タオルで引っ張りっこがいいんだって」
それを聞いた礼子さんは早速タオルを持ってきて、私と引っ張りっこをする。
中庭から入ってきたお祖母ちゃんが、ギョッとして私達を見ていた。
「タオルを引っ張り合ってなにをしているの? 全く、礼子もそんなタオルなんて紬ちゃんに貸してあげなさい。子供とタオルの取り合いなんて……」
「へ?」
「え?」
私と礼子さんは、お祖母ちゃんの勘違いに大笑いしたのだった。お祖母ちゃんも、どちらかと言えば天然系なのかもしれないなぁ。
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
翌日の放課後の鉄棒の先生は莉子ちゃん。
「紬ちゃん、いいこと? 逆上がりに必要なのはなんたって『このやろぉー』って気持ちよ!」
「え? 今、莉子ちゃん、なんて言ったの?」
「ん? だからぁ、『こんにゃろぉーー』って気持ちが大事なの。空に向かって真上に大嫌いな人を思い浮かべてごらん? それを蹴り上げる気持ちよ!」
「大嫌いな人?」
「うん、そうよ。もやもやした気持ちでも、嫌いな食べ物でもなんでもいいの。私の場合はケンカしたばかりのお兄ちゃんとかね、思い浮かべてやるよ」
「え? あの律君を蹴るイメージ?」
「ふふふ、そうよぉ。大っ嫌いなものを、思いっきり蹴り上げてそのまま鉄棒にお腹を巻き付けるイメージよっ。その時は自分は綺麗な白蛇ちゃんって妄想するの。わかった?」
「う、うん」
私は、大っ嫌いな『前のお母さん』を思い出した。お母さんなんて嫌いだぁ、って心のなかで叫んだあとは、自分は白蛇ちゃんだって想像する。蛇はきっと鉄棒に巻き付いて離れたりしない。
何度か練習して6回目に……できた!
「莉子ちゃぁん。できたぁ! すごい、できたよ!」
「うっふふ。莉子ちゃん体操教室、すごいでしょう? イメージが大事なのよ。跳び箱も怖いって思ったら飛べないよ。私は『私はかわいいウサギちゃんだぞ!』とか、思うようにしてる。お兄ちゃんに言ったら爆笑されたけどさ。これって、想像力ある子にしかわからない特殊能力よね!」
「うん!想像力なら誰にも負けないよ。だって、いつもいろんなこと考えちゃうもん!」
「あっははは、私達天才だ」
「うん、天才だね!」
あとで礼子さんにそれを話したらにっこりと笑った。
「そうだね、皆、天才だよ。凡人なんてこの世に一人もいないって思うな。皆、いろいろな才能があるけど気がつかないだけなんだと思うよ」
礼子さんの言葉は、いつだって優しい。
翌日の柊君の鉄棒の説明は「足下にあるボールを蹴るイメージ」だと言った。私はボールよりも、今日の給食で食べさせられた焼きサバを思い出す。焼きサバは苦手だった。
「焼きサバなんて大っ嫌い!」って心の中で叫んで足の真上に巨大な焼きサバをイメージして、えいっと蹴り上げた。それから優雅な白蛇に私はなっている、って想像した。白蛇の私はお腹を鉄棒にまきつけるんだ。
「すごいよ! すぐにできちゃったね!」
柊君が私の手をとって、自分のことのように喜んでくれた。
「うん、ありがとう。柊君と莉子ちゃんのお陰だよ」
私は莉子ちゃんの教えを、忠実に頭に再現しているとは言わなかった。
だって礼子さんが本当のことを言わなくてもいい場合を、私の手帖にメモってくれたから。
本当のことを言ってその人を傷つけたりする場合は、優しい嘘をつきなさい、むしろつかなければ仲良くできないって。それから、余計なことを言わないように。話す前に数を10かぞえてから話すようにとも書いてくれた。
それを守るようにしていたら前よりずっとお友達が増えたし、落ち着いてお話しできるようになったね、って褒められることが多くなった。
それから数日後、健一叔父さんの牧場の隅に鉄棒が設置された。
「紬、ほら、これでいくらでも逆上がりできるな!」
最近の健一叔父さんは、私を紬って呼び捨てにするけど嫌じゃなくなった。ぶっきらぼうで、一言多いけれど気持ちはけっして冷たい人じゃないんだ。
今回も礼子さんの話を聞いて、健一叔父さんが設置するって言ってくれたんだって。
「叔父さん、ありがとう!」
「お礼なんて言うなよ。別にこれは紬のために作ったわけじゃねーし。ほら、牧場に遊びに来るお客さんに子供もいるからなぁ」
そうやっていつもみたいにぶっきらぼうに言った。でも、それから子供用のかわいい跳び箱が牧場の隅に増え、マットまで置かれた時にはもう感謝しかなかった。
「素直じゃないわねぇ。これはもちろん紬ちゃんの為よ。勉強も絵も陶芸教室も頑張っているからね。私達からのプレゼント。もうすぐお誕生日だもんね!」
「あ、忘れてたぁ」
私のお誕生日にはいい思い出がないから忘れていたんだ。今までは結月と一緒のお誕生日でも、祝福されるのは結月だけだった。私は『できそこない』だったから。ここには私を『できそこない』と言う人はいない。
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