(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!

青空一夏

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3 浮気者にされた私

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 結婚式当日は土砂降りの雨が降りしきっていた。この悪天候は、まるで私の心の中の複雑な感情を映し出しているかのようだった。

「全くこんな天気が悪い日に式場を予約するなんて、ブロッサムは本当に気の利かない子ね!」

 この教会はおよそ1年前から予約してあった。当日の天気などわかるはずもない。それなのに、なぜか私がお姉様から責められた。

「ブロッサムは学園にも行かなかった落ちこぼれだから許してあげなよ」

 フロイド様は笑いながら、お姉様に愛おしそうな眼差しを向けた。

 王立貴族学園には行きたかった。でも、ビアス侯爵家にはそんな金銭的余裕は無いと、お母様が泣いたので行かなかった。その代わり週に3回だけ家庭教師がきてくれた。その家庭教師にはずいぶん褒められたから、私は落ちこぼれなんかではないと思うのに、外の世界を知らない私には、それを否定する自信がなかった。

 私はお姉様のドレスを借りて、新婦側の親族の席に座らせられた。招待客たちは、私が花嫁の席にいないことに驚き、花嫁の席にお姉様の姿があることに、呆れたように苦笑いをしていた。

「お集まりの皆様。花嫁が変わっておりますのは、全てこのブロッサムの我が儘です。この子には好きな男性が他にできましてな。それで、元よりコーデリアはフロイド様を密かに想っていたので、ここに新しいカップルが誕生したわけです。こら、ブロッサム! 皆様に、ひとことお詫びを申しあげなさい! 全く自分勝手で困っております」
 
 お父様がありもしないことをでっちあげた。まさか私が浮気者にされるなんて・・・・・・。

 ざわざわと会場内がどよめき、非難の声が次々と聞こえてきた。

「嘆かわしいことですわ! ブロッサム様はなんと浮ついた方でしょう。これだから王立貴族学園に通わなかった方は困るのよ」

「病弱なんて嘘らしいですわよ。お勉強が苦手なうえに、人と関わることもできないそうですわ」

「まぁ、ビアス侯爵家はどうなるのでしょう?」

「あのように清楚で可愛いお顔をされていて、中身は常識のない地雷女か。それにしてもコーデリア様がいて良かった」

 私を非難する言葉ばかりで耳を塞ぎたくなる。

「皆様、お静かに! 私はそんな我が儘なブロッサムを許しますわ。それに、私とフロイド様はとても相性がいいことがわかりましたのよ。ですから、このビアス侯爵家を二人で支えていきますわ!」

 お姉様は優しい表情を浮かべ、わざとらしく私に微笑んだ。

「なんと素晴らしい身内愛でしょうか! 皆さん、コーデリアとフロイド様をどうぞ祝福の拍手で応援してやってください!」

 お父様は涙を流して列席者の方々に訴えかけ、盛大な拍手がその会場を包んだ。私の顔は青ざめ、ターナー次期伯爵様(フロイドの兄)だけが拍手もせず、しきりに首をひねっていたのだった。


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