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13 ドナルドの因果応報的末路 ドナルド視点
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私の自白を受けて、後日、継続審が行われた。その際になんとトーマスが証人台に立った。法務官が彼を探し出したのだと自慢気に胸を反らす。この事実に感心するとともに、今更証言しようとするトーマスに腹が立った。
車輪職人は一般に自身の工房を持っており、そこで車輪の製作と修理を行っていた。彼らは大抵、地元の職人ギルドに所属しており、ギルドの規定に従って仕事をしていた。そのなかにトーマスという男がいたのだが、こいつは私のギャンブル仲間でお互い金に困っていた。
「あんたも私も借金を全て返済できて、新しい人生が歩める方法があるんだよ。なぁに、簡単なことさ」
そのようにトーマスに話を持ちかけると、二つ返事で引き受けてくれた。兄上の乗る馬車に仕掛けをして事故らせるように仕向ける話さ。トーマスは見事な技術でそれを完遂した。その結果、兄上は事故で亡くなった。その功労者であるトーマスが、11年ぶりに私の目の前にいる。
「裏切り者め! お前だって罪人になるんだぞ!」
「おいらは証言をすることによって罪が軽くなる「取引証言」ちゅーのを、させてもらっただよ。いつバレるかビクビクして暮らしていたけど、これでやっと心の重荷が取れただ」
清々しい顔をして言うな! お前だって犯罪者なのに!
それからはあっという間だった。ブロッサムへ残された遺産を着服したことや、兄上に似て天才だったブロッサムを脅威に思い、わざと無能扱いし王立貴族学園に通わせなかったことなどが明るみに出た。
「ドナルド。貴公は重大な罪を犯した。我が国の法として、汝の刑はダイヤモンド鉱山での労役と定められよう。鉱山の闇に身を投じ、己の罪をあがなえ。そして、その労役を通じて、新たなる道を見出せばよい」
王の判決が下された。なんとか極刑は免れた。ほっとしたけれど・・・・・・
私は今、鉱山の闇に囲まれ地獄の日々を過ごしている。ダイヤモンドの輝きとは裏腹に、私たちは毎日死線をさまよう生活を強いられていた。
有毒ガスの悪夢が、私を襲うんだ。ガスの中に立ち尽くし、呼吸ができない恐怖に怯える瞬間が何度もあった。呼吸をしなければ生きられないが、その呼吸には死が潜んでいる。
坑道の壁が揺れ、岩石が私たちに襲いかかることもある。地獄のような響きとともに、巨大な岩塊が落下する恐怖は忘れられない。一瞬の油断もできないなかで、命懸けで逃げた。何度も奇跡的に助かったが、ある日、幸運が尽きるかもしれないという恐怖に怯える。
夜、坑道から抜け出すと、肺に溜まった粉塵で咳き込みながら、鉱山の星空を見上げる。自由の味わえないこの生活に、なぜ私は縛られているのだろうか? ダイヤモンドの輝きが、私の命を奪い希望を奪っていく。
いつかこの地獄から脱出できる日が来るのかな?
いや、それは死んだ時だけだ。
私はここから一生出られないからだ。
私は鉱山の奴隷と化し、命をかけて財宝を掘り起こす機械のように扱われたのだった。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
※ドナルドのざまぁはここまでです。
車輪職人は一般に自身の工房を持っており、そこで車輪の製作と修理を行っていた。彼らは大抵、地元の職人ギルドに所属しており、ギルドの規定に従って仕事をしていた。そのなかにトーマスという男がいたのだが、こいつは私のギャンブル仲間でお互い金に困っていた。
「あんたも私も借金を全て返済できて、新しい人生が歩める方法があるんだよ。なぁに、簡単なことさ」
そのようにトーマスに話を持ちかけると、二つ返事で引き受けてくれた。兄上の乗る馬車に仕掛けをして事故らせるように仕向ける話さ。トーマスは見事な技術でそれを完遂した。その結果、兄上は事故で亡くなった。その功労者であるトーマスが、11年ぶりに私の目の前にいる。
「裏切り者め! お前だって罪人になるんだぞ!」
「おいらは証言をすることによって罪が軽くなる「取引証言」ちゅーのを、させてもらっただよ。いつバレるかビクビクして暮らしていたけど、これでやっと心の重荷が取れただ」
清々しい顔をして言うな! お前だって犯罪者なのに!
それからはあっという間だった。ブロッサムへ残された遺産を着服したことや、兄上に似て天才だったブロッサムを脅威に思い、わざと無能扱いし王立貴族学園に通わせなかったことなどが明るみに出た。
「ドナルド。貴公は重大な罪を犯した。我が国の法として、汝の刑はダイヤモンド鉱山での労役と定められよう。鉱山の闇に身を投じ、己の罪をあがなえ。そして、その労役を通じて、新たなる道を見出せばよい」
王の判決が下された。なんとか極刑は免れた。ほっとしたけれど・・・・・・
私は今、鉱山の闇に囲まれ地獄の日々を過ごしている。ダイヤモンドの輝きとは裏腹に、私たちは毎日死線をさまよう生活を強いられていた。
有毒ガスの悪夢が、私を襲うんだ。ガスの中に立ち尽くし、呼吸ができない恐怖に怯える瞬間が何度もあった。呼吸をしなければ生きられないが、その呼吸には死が潜んでいる。
坑道の壁が揺れ、岩石が私たちに襲いかかることもある。地獄のような響きとともに、巨大な岩塊が落下する恐怖は忘れられない。一瞬の油断もできないなかで、命懸けで逃げた。何度も奇跡的に助かったが、ある日、幸運が尽きるかもしれないという恐怖に怯える。
夜、坑道から抜け出すと、肺に溜まった粉塵で咳き込みながら、鉱山の星空を見上げる。自由の味わえないこの生活に、なぜ私は縛られているのだろうか? ダイヤモンドの輝きが、私の命を奪い希望を奪っていく。
いつかこの地獄から脱出できる日が来るのかな?
いや、それは死んだ時だけだ。
私はここから一生出られないからだ。
私は鉱山の奴隷と化し、命をかけて財宝を掘り起こす機械のように扱われたのだった。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
※ドナルドのざまぁはここまでです。
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