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グレイスの幸せな生活
レイラ男爵達が王家の騎士達に連れて行かれると、私はアレクサンダー様から抱きしめられた。
「グレイスは、気にしないでいいよ。あの者達は、当然の罰を受ける。でも、改心すれば、けっして殺しはしない」
その言葉に、ほっとした。私は、レイラ男爵家にいた頃は、とても辛かったけれど、彼らが殺されることを望んではいない。ただ、これ以上、人を傷つけ虐げることをしてほしくない。それだけだった。
「さて、これからは、気分を一掃して、私の可愛い王女と甥っ子の結婚式だ。皆の者、祝福してくれ!」
王様の呼びかけに、貴族全員の拍手喝采が鳴り響いた。
私とアレクサンダー様は、その祝福のなかで、王様の御前で誓いの言葉を交わした。
「・・・・・・未来永劫、愛を誓います・・・・・・」
その誓いの言葉の他に、アレクサンダー様は私の耳元で、そっと囁いた。
「一生、グレイスだけを愛し、尽くすことを誓おう」
この、とても綺麗な英雄は私だけのために囁いて頬にキスをしてくれた。嬉しさで、全身が震えた。
式が終わって、盛大にご馳走とワインが振る舞われ、私の口元に早速、アレクサンダー様が、親鳥のように食べ物を差し出すのだった。
「はい。私の可愛い奥方様。お口を開けて。あーーんして?」
私が食べると、蕩けるような笑顔で微笑んだ。こんなに、今から甘やかされていいのかしら。
大好きな男性を夫にして、傍らには頼りになるお兄様もいて、こんなに幸せな日が来るなんて思わなかった。
屋敷に戻る馬車の中では、ずっと抱きかかえられていた。
「あの、アレクサンダー様。私は、一人でちゃんと座れますよ?」
私が言うと、アレクサンダー様はもっと大事そうに私を抱え込んだ。
「こうしていないと、あんまり綺麗で天女のようだから空に帰ってしまわないかと心配なんだ」
そう、おっしゃって愛おしげに見つめられた。この英雄のアメジストの瞳は、私への愛に輝いていた。神様、感謝します。この愛おしい人を私の旦那様と呼べることに・・・・・・!
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
初夜は怖い・・・・・・あの行為は、すごく苦手だった。アイザックとの営みを思い出すと、吐き気すらしてくる。
私は、物のように扱われたから。
ところが、アレクサンダー様は全然違った。
うっとりするような、筋肉がほどよくついた身体に優しく抱かれれば、それだけで幸せな気分になった。
これが、同じ行為なのだろうか? 本当に好きな男性から、心がこもった愛をもらう行為は、少しも嫌じゃなかった。私達は、笑い合いながらキスをして、汗にまみれて貪欲に愛し合った。それでも、その行為は美しく神聖なものだった。
「愛しているよ」その言葉を、幾度も囁かれて私は満たされる。心地よく眠りにつこうとすると、アレクサンダー様は必ず腕枕をしてくれた。
身体をぴったり寄せ合って眠る暖かさ。幸せすぎる時間に私は、いつでも包まれている。
アレクサンダー様がお仕事でいない間は、私はリリィの子供と遊んであげる。この子は行き場がなかったので、私達が引き取って育てることにしたのだ。聞き分けの良い子で、賢い。
ある日、異変が訪れた。なにも食べたくないし、吐き気がして、身体はだるい。
リリィの子供は侍女達に任せて、寝ていることが多くなった。
医者が呼ばれて、検診が終わり下がっていくと同時に、
「グレイス様。おめでとうございます!!」
侍女達が、一斉に私に跪き、声をはりあげたのだった。
「グレイスは、気にしないでいいよ。あの者達は、当然の罰を受ける。でも、改心すれば、けっして殺しはしない」
その言葉に、ほっとした。私は、レイラ男爵家にいた頃は、とても辛かったけれど、彼らが殺されることを望んではいない。ただ、これ以上、人を傷つけ虐げることをしてほしくない。それだけだった。
「さて、これからは、気分を一掃して、私の可愛い王女と甥っ子の結婚式だ。皆の者、祝福してくれ!」
王様の呼びかけに、貴族全員の拍手喝采が鳴り響いた。
私とアレクサンダー様は、その祝福のなかで、王様の御前で誓いの言葉を交わした。
「・・・・・・未来永劫、愛を誓います・・・・・・」
その誓いの言葉の他に、アレクサンダー様は私の耳元で、そっと囁いた。
「一生、グレイスだけを愛し、尽くすことを誓おう」
この、とても綺麗な英雄は私だけのために囁いて頬にキスをしてくれた。嬉しさで、全身が震えた。
式が終わって、盛大にご馳走とワインが振る舞われ、私の口元に早速、アレクサンダー様が、親鳥のように食べ物を差し出すのだった。
「はい。私の可愛い奥方様。お口を開けて。あーーんして?」
私が食べると、蕩けるような笑顔で微笑んだ。こんなに、今から甘やかされていいのかしら。
大好きな男性を夫にして、傍らには頼りになるお兄様もいて、こんなに幸せな日が来るなんて思わなかった。
屋敷に戻る馬車の中では、ずっと抱きかかえられていた。
「あの、アレクサンダー様。私は、一人でちゃんと座れますよ?」
私が言うと、アレクサンダー様はもっと大事そうに私を抱え込んだ。
「こうしていないと、あんまり綺麗で天女のようだから空に帰ってしまわないかと心配なんだ」
そう、おっしゃって愛おしげに見つめられた。この英雄のアメジストの瞳は、私への愛に輝いていた。神様、感謝します。この愛おしい人を私の旦那様と呼べることに・・・・・・!
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
初夜は怖い・・・・・・あの行為は、すごく苦手だった。アイザックとの営みを思い出すと、吐き気すらしてくる。
私は、物のように扱われたから。
ところが、アレクサンダー様は全然違った。
うっとりするような、筋肉がほどよくついた身体に優しく抱かれれば、それだけで幸せな気分になった。
これが、同じ行為なのだろうか? 本当に好きな男性から、心がこもった愛をもらう行為は、少しも嫌じゃなかった。私達は、笑い合いながらキスをして、汗にまみれて貪欲に愛し合った。それでも、その行為は美しく神聖なものだった。
「愛しているよ」その言葉を、幾度も囁かれて私は満たされる。心地よく眠りにつこうとすると、アレクサンダー様は必ず腕枕をしてくれた。
身体をぴったり寄せ合って眠る暖かさ。幸せすぎる時間に私は、いつでも包まれている。
アレクサンダー様がお仕事でいない間は、私はリリィの子供と遊んであげる。この子は行き場がなかったので、私達が引き取って育てることにしたのだ。聞き分けの良い子で、賢い。
ある日、異変が訪れた。なにも食べたくないし、吐き気がして、身体はだるい。
リリィの子供は侍女達に任せて、寝ていることが多くなった。
医者が呼ばれて、検診が終わり下がっていくと同時に、
「グレイス様。おめでとうございます!!」
侍女達が、一斉に私に跪き、声をはりあげたのだった。
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