(完結)美貌の王子は、ハーレムな世界で魔女な女王様に溺愛される

青空一夏

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4 女王様は少しミステリアス

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私は、その貴族の男達に呼び出されて、いきなり羽交い締めにされた。

「ちょっと、生意気だからさ? 腹でも殴らせろよ? 顔とか殴ったらまずいしな」

私は、笑ってしまった。やることが稚拙すぎる。

「はっ! 笑うなんて、度胸があるのか、バカなのか、どっちなんだ?」

一人の男がそう言いながら右手を繰り出してパンチしてくるのを、羽交い締めを振り払って咄嗟に避けた。
そのパンチは羽交い締めにしていた男に頬にあたり、二人が殴り合いをはじめた。協力しあって私を攻撃しようとしていたのに、仲間割れが早すぎるだろう?

あとの3人は、私が軽く相手をしてやった。問題ない弱さに呆れた。

「こんなことをするより、女王様に気に入られたいなら他にやることがあるだろう? 人を貶めるだけじゃぁ、あの方の心までは手に入らないよ」

「ぷっ。あっははは! 心だって? 心なんか欲しくはないさ! あの魔女の寵男になって、思う存分贅沢したいだけさ」

男の一人はナイフを手に持って、そう言いながら突進してきた。懲りない奴らだな! 私はそのナイフをかわしたが、切っ先がほんの少し腕をかすり、小さな傷ができた。普段なら、こんな傷はなんともないはずなのに、段々としびれていくのはなぜなんだ・・・

「色男さん! このナイフには、毒が塗ってあるんだよ! 死にはしねーーよ。ただ、ただれて醜い腕になるのと高熱が出るだけだよ。多分ね・・・」

その声は遠くに聞こえて目の前が霞み、倒れそうになったところを、なにか柔らかい者が受け止めた。

「この者に、なにかあったらただではおかない、と私はいったはずだな! そこの愚か者め! お前達は、カラスにでもなっておしまい! 私の前に二度と姿を現すな!」

カラス?・・・この女王様はやはり本物の魔女様か・・・

だが、その男達の誰も翼が生えるわけでもクチバシがでてくるわけでもなかった。ただ、おかしな仕草で鳥のものまねをしているだけだ。

「私は、魔女ではないわよ・・・ただの、人間ですよ? ただ、人間をその気にさせるのが上手なだけです」

「・・・・」

「さぁ、私の部屋で手当をしましょう!」



*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚



 毒は中和剤で打ち消して、念入りに消毒された。一週間後には、跡も残らず綺麗に治ったのでびっくりした。

「こんなに早く治るなんて不思議だな」私が呟くと女王様は傷薬が効いたのでしょう?と言った。

いつのまにか、女王様は私の横に常にいて、夜は一緒に寝るようになっていたのだった。




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