（完結）美貌の王子は、ハーレムな世界で魔女な女王様に溺愛される

5 女王の決断 （最終話）（女王様視点）

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私は、この世界で多分、最後の魔女だと思う。私は、生れつき人の心は読めるのにこの綺麗な男性の心は読めなかった。

ねぇ、聞いて・・・私は、全ての人間の心が読めるわ・・・でも、なぜ、貴方の心は読めないの？

私は、この横に寝ている男性に呼びかけていた。彼は、すやすやと寝ていて、私の問いかけには答えてはくれない。

この世の全てに人の心が読めるのは、実は酷く辛いことなのよ・・・誰も、信じられないし・・・皆が敵だって確信するのだから・・・

「私は、味方ですよ？」

その男性は、私の手を握りしめて囁いた。・・・もしかして・・・

「そう、私も、人の心が読める。女王様の気持ちは、よくわかりますよ？　大丈夫・・・私が守ります」

この、国境付近で拾った男性は、私を守ると言った。おかしいけれど、嬉しい・・・私は、誰にも守ってもらう必要がないほど、・・・だけれど、そう言ってもらえるのって嬉しい。


私は、この男性との間に息子を授かったわ。

もうハーレムはいらない。即座に、男達を解き放ち、私はこの男性を夫にするべく行動をおこした。



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この男性が寝ている間に、私は自分の思考にベールをかけると、隣国に魔法で移動した。

あの男性は、きっと高い身分に違いない。

王の寝室に忍び込み、その男の夢に潜り込むと・・・私の愛する男をいたぶって、笑っているこの王の姿が見えた。王は、あの男性に弟と呼びかけていた・・・ふん！　そういうことね・・・私は、王の夢をたどっていき・・・
事の経緯を把握した。

許さないわよ？　私の夫となる男にした報いを受けなさい！

宰相とこの王と、これに加担した者すべてに魔法をかけた。

「お前達は、全員、カラスになっておしまい！　これは、暗示ではない。羽が生えて飛んでおいき」

その日から、カラスの数がずいぶん増えたと、我が国の民もばやいていたので、私は迷うことなくおふれをだした。

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カラスを狩ることに関しては禁じない。大いに奨励するものである。

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そのうち、カラス料理なるものが、流行るかもしれない。



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私は、この男性と婚姻をし、正式に夫とした。

私は、夫の腕にもたれながら王子を抱いて、今日も、幸福感で微笑んでいた。

夫は私に尋ねた。なにを、考えているの？って。

「わかっているくせに」

私は、顔を赤らめて答えた。そう、いつだって、私は愛するこの夫のことを考えている。でも、頭の片隅だけは、この夫にも覗かせないようにガードをかけているわ。だって、女には、秘密があって当然でしょ？

例えば、夫をナイフで刺そうとしたあの男の末路とか・・・秘密だわ・・・

夫には、かわいい女王様とだけ思ってほしいから・・・絶対に・・・言わない・・・

完