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イザベラの夫のアーシャさんに、ばったり会ったジェネシス
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「よし、話は決まった。早速、ジェネシスは明日、ワトソン家に私達と行こう。お前が謝って、イザベラとの離婚を確定させて、ジェネシスが代わりに嫁ぐということで丸く収めよう。あぁ、めでたいな! 今夜は家族揃って、外食でもしようか?」
「まぁーー! 賛成ですわぁ。私は、町一番のレストラン『極上のステーキ専門店』がいいわぁーー。あそこのお肉は最高ですわぁ」
イザベラは、血が滴るようなステーキが大好きだ。いそいそと外出の支度をする両親と姉を、冷めた目で見つめた。
「ジェネシスはお留守番していてね! 家族が揃ってお出かけしたら、防犯上、良くないわ」
お母様は、私に当然のようにおっしゃった。アーロンも残ろうとすると、イザベラがその腕に自分の腕をからめた。
「あら、ダーリン! 貴方は私と一緒よ? この家のお婿さんになってもらうのだから、もう家族じゃないの?」
そう言われて嬉しそうに頷く裏切り者は、もう私の顔は見ようとはしない。
これが、私の家族だ。私は、きっと橋の下に捨てられていた捨て子なのではないかしら? そう思うことが、たびたびあった。もし、そうならば、まだましだ。納得もいくし、諦めもつくけれど。
「残念ながら、ジェネシスは私が産んだ子よ? なんで、こんなに可愛くないのかしらぁ?」
お母様は、幼い頃に質問した私に、大きなため息をついたのだった。
お母様は、平民の出身で、美貌で男爵夫人になれた人だ。美人コンテストを総なめにしたということが自慢で、お父様はそんなお母様とイザベラを溺愛している。
私は、なにか食べる物を台所から探すが、ろくなものはなかった。お母様は着飾ってばかりでお料理はしない人だからね。考えたら、ここに私がいる必要ってないわよね?
自分の家に戻ろう。病院の近くに借りた部屋はこじんまりしていたが居心地は実家の1000倍もいい。ここには、もう二度と帰ってくるもんか!
私は、実家の自分の部屋から必要なものをまとめようとした。だが、持って行く物など、なにもないことに気づき苦笑した。ここにいた思い出なんていらない。ここは、もう私の家ではないのだから。
とぼとぼと、一人で駅まで歩いた。夕暮れの薄紅色の空が、美しいほど私の心は悲しい。私は夕暮れは大嫌いだ。いつも、家族から理不尽な扱いをうけた後に見る夕焼けは悲しくて辛いものだったから。
汽車を待っていると、背後から声をかけてくる紳士がいた。
「やぁ。お久しぶり! イザベラの妹のジェネシスじゃないか? いつから、ここに? イザベラが数日前に理由もわからずに出て行ってしまってね。 迎えに来たのだけれど、イザベラはマイロ家にいるのだろう?」
私は、義理の兄のアーシャさんに正直に言った。多分、アーシャさんには理解できないだろうな。
「今のイザベラは、私の彼との結婚祝いに血の滴るステーキを頬張っているところですよ」
「まぁーー! 賛成ですわぁ。私は、町一番のレストラン『極上のステーキ専門店』がいいわぁーー。あそこのお肉は最高ですわぁ」
イザベラは、血が滴るようなステーキが大好きだ。いそいそと外出の支度をする両親と姉を、冷めた目で見つめた。
「ジェネシスはお留守番していてね! 家族が揃ってお出かけしたら、防犯上、良くないわ」
お母様は、私に当然のようにおっしゃった。アーロンも残ろうとすると、イザベラがその腕に自分の腕をからめた。
「あら、ダーリン! 貴方は私と一緒よ? この家のお婿さんになってもらうのだから、もう家族じゃないの?」
そう言われて嬉しそうに頷く裏切り者は、もう私の顔は見ようとはしない。
これが、私の家族だ。私は、きっと橋の下に捨てられていた捨て子なのではないかしら? そう思うことが、たびたびあった。もし、そうならば、まだましだ。納得もいくし、諦めもつくけれど。
「残念ながら、ジェネシスは私が産んだ子よ? なんで、こんなに可愛くないのかしらぁ?」
お母様は、幼い頃に質問した私に、大きなため息をついたのだった。
お母様は、平民の出身で、美貌で男爵夫人になれた人だ。美人コンテストを総なめにしたということが自慢で、お父様はそんなお母様とイザベラを溺愛している。
私は、なにか食べる物を台所から探すが、ろくなものはなかった。お母様は着飾ってばかりでお料理はしない人だからね。考えたら、ここに私がいる必要ってないわよね?
自分の家に戻ろう。病院の近くに借りた部屋はこじんまりしていたが居心地は実家の1000倍もいい。ここには、もう二度と帰ってくるもんか!
私は、実家の自分の部屋から必要なものをまとめようとした。だが、持って行く物など、なにもないことに気づき苦笑した。ここにいた思い出なんていらない。ここは、もう私の家ではないのだから。
とぼとぼと、一人で駅まで歩いた。夕暮れの薄紅色の空が、美しいほど私の心は悲しい。私は夕暮れは大嫌いだ。いつも、家族から理不尽な扱いをうけた後に見る夕焼けは悲しくて辛いものだったから。
汽車を待っていると、背後から声をかけてくる紳士がいた。
「やぁ。お久しぶり! イザベラの妹のジェネシスじゃないか? いつから、ここに? イザベラが数日前に理由もわからずに出て行ってしまってね。 迎えに来たのだけれど、イザベラはマイロ家にいるのだろう?」
私は、義理の兄のアーシャさんに正直に言った。多分、アーシャさんには理解できないだろうな。
「今のイザベラは、私の彼との結婚祝いに血の滴るステーキを頬張っているところですよ」
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