41 / 64
連載
42 ジュエル視点
しおりを挟む
※ジュエル視点です。
私はジュエル・エイキン。エイキン大商会の長女だ。私は生まれた時から苦労をしないで生きてきた。試験問題は1年生の頃から全部知らされていたし、お父様の部下達の子供は私の言いなりだった。
模範解答付きの試験問題はいつも放課後の音楽室でこっそりと私に渡される。担任のレミントン先生は音楽教師で音楽室の鍵をいつも持っていたからよ。彼女の弟も私のお父様の部下だから、私のご機嫌を取るのに必死だった。
もらった試験問題はお気に入りの子達に少しづつ教えてあげる。全部教えてあげないのは、もちろん私より良い点を取らせない為よ。お気に入りの度合いによって、試験問題を教えてあげる割合を変えていた。
そうすると私のお気に入りのなかでも、私の機嫌をとるのを競い合うようになってすごく面白かった。私の機嫌を損ねると試験問題を教えてもらえる数が減らされるから、ますます私の言いなりになるのよ。
誰も私に逆らえない。この世界の貴族のご令嬢より私は偉いと思う。だって女性は爵位を継げないけれど、商家の私は女性でも会長になれる。つまりこの私こそは女王なのよ。
いつも成績はトップだし、学園以来の秀才なんてもてはやされるから、自分でもそのつもりになっていた。だって試験時間は50分なのに、最初の10分で全部の問題が完璧に解答できるほどの天才なんだから!
(グレイス様め。試験結果が出たら絶望に打ちひしがれるが良いわ。満点をいつもとれる私を舐めないことね)
今日は試験当日よ。私はもちろん前日まで勉強を必死に・・・・・・あっははは! しているわけなんてないじゃない?
勉強なんてしなくても満点がとれるのに、わざわざ教科書なんて見るわけがない。
グレイス様はいつものように朗らかな笑顔を浮かべて登校してきた。
「その素敵な笑顔が試験の結果で歪むなんて今からお気の毒でたまりませんわ。今なら謝ってくだされば許してあげましてよ?」
「私は許していただくような悪い事はひとつもしておりませんので謝りませんわ。素敵な笑顔とおっしゃってくださってありがとう」
「ほ、褒めているんじゃないわよっ」
グレイス様は良い子ぶりっこで大嫌いよ。今だって私が喧嘩を仕掛けたのに、最後はにっこりと微笑んだ。
(なによ、いつも余裕の笑顔を浮かべてむかつくのよ)
「試験の結果が出たら、グレイス様とその班の方達は恥ずかしくて、顔をあげて学園内を歩けなくなりましてよ。異例の班をグレイス様が強引に作った事件は、今や全校生徒の知るところになっております。お可哀想に。きっと廊下を歩く度に嘲笑われて陰口を言われることになるのですわ。私はそれが今からとても楽しみですの」
「えぇ? そのようなことしかジュエルさんには楽しみがないのですか? とてもお気の毒だと思います。私の毎日はもっと楽しいですよ。大好きなポールスランド伯爵夫妻は大事にしてくださるし、コンスタンティン様は優しいです。エリザベッタちゃんとは大の仲良しですし、ヴェレリアお母様達はもうすぐ別荘に引っ越してきます。エレノーラさんやマリエルさんとは、ついこの間ポールスランド伯爵邸のゲストルームでパジャマパーティをして盛り上がりました。もちろんエリザベッタちゃんも入れて四人で、女の子同士のおしゃべりを夜遅くまで楽しんで・・・・・・」
「う、うるさいわね。自慢話なんて聞きたくないわよ。パジャマパーティですって? エレノーラさん達だけポールスランド伯爵邸に泊まらせたと言うの? なんて不公平なのよ。そんなに遊んでばっかりで試験の結果がますます楽しみだわ。私はね、寝る間も惜しんでお勉強していたのですよ! 他の班長達もそうよ。皆でエイキン邸に集まって勉強しかしなかったのですからねっ」
「まぁ、だったらお互いとても素晴らしい結果がでますわね」
キラキラとしたグレイス様の瞳の奥にはなんの嫌味も感じ取れない。本当にそう思っているみたい。
ポールスランド伯爵家の方々は貴族だけれど威張らなくて、温厚な人格者で優しいと評判だ。グレイス様も親戚だから性格がきっと似ているのね。お人好しの性格で騙されやすい残念な貴族なのよ。
「さぁ、始めてください。きっかり50分後に解答用紙を回収します」
1限目の算数の試験。算数担当のイアン・ハーラン先生が試験問題を一人一人に配っていく。
(こんなの楽勝よ。さてっと・・・・・・ん? あら? えぇーー? なに、この問題? 初めて見るんだけど?)
試験問題があらかじめ知らされていた問題とまるっきり違う。同じ問題がひとつもないのだ。
(どういうことなの? やばい、ひとつもわからない)
わからない問題を飛ばしていたら、ついに最後の問題にまで行き着いてしまった。あのマヌケなレミントンめっ!
あいつがきっとヘマをしたに違いない。
レミントン先生に対する怒りでどうにかなりそうな私だったけれど、とにかく記号で答えられる問題だけは勘で解答を記入した。
イアン先生は厳しい顔付きで私達を見回っている。カンニングや不正ができないよう、生徒達の席のあいだをゆっくりと歩いている。
「こら、そこ。机の中に手を入れるのは止めなさい。君、班長の一人だろう? なにをやっている? カンニングを疑われるような行動はしないようにな」
「はい、すみません。ちょっと鼻水が出てしまって・・・・・・」
「わたしのハンカチを貸してあげよう。これ以降は机に手を入れたら点数はゼロだ」
なんてばかなの。イアン先生は絶対に不正を許さない正義感の塊なのだ。おかしな行動をした子の点数はすぐにゼロ点にするので有名なのに。
算数の試験が終わって休み時間になった。次は歴史の試験だけれど、その前にレミントン先生に文句を言わなければ気が済まない。
職員室に走って行きレミントン先生を見つけ、手招きをして音楽室に急いで連れ込んで、一気に不満をぶつけてやった。
「全然問題が違うじゃないよ。おかしいでしょう? なにやってんのよっ。先生の弟が取締役からはずされてもいいの? これじゃぁ、グレイス様に負けてしまうわ。私の立場はどうなるのよ!」
「なにをそんなに騒いでいるのだい? 早く教室に戻りなさい。次の試験が始まるよ」
「ひっ、コンスタンティン様? なぜ、こちらに?」
「え? な、なんでコンスタンティン様が学園にいらっしゃるのですか?」
「さぁ、なぜだろうね? ジュエル君はさっさとクラスに戻り、きっちり最後まで試験を受けなさい。正々堂々とね」
音楽室で話していた私とレミントン先生の前に、いきなり現れたコンスタンティン様にびっくりだ。まるで私達がそこに来るってわかっていたような表情が気になる。
渋々教室に戻り残りの試験を次々と受けていくけれど、歴史でも理科でも語学の試験でも、見たこともない問題ばかりが並んでいる。
レミントン先生担当の音楽の試験だけが教えられていたものとそっくり同じ。
(これだけは満点がとれそう。でも他のほとんどは・・・・・・)
そうしてその数日後、試験結果の上位者は廊下に張り出され・・・・・・
私はジュエル・エイキン。エイキン大商会の長女だ。私は生まれた時から苦労をしないで生きてきた。試験問題は1年生の頃から全部知らされていたし、お父様の部下達の子供は私の言いなりだった。
模範解答付きの試験問題はいつも放課後の音楽室でこっそりと私に渡される。担任のレミントン先生は音楽教師で音楽室の鍵をいつも持っていたからよ。彼女の弟も私のお父様の部下だから、私のご機嫌を取るのに必死だった。
もらった試験問題はお気に入りの子達に少しづつ教えてあげる。全部教えてあげないのは、もちろん私より良い点を取らせない為よ。お気に入りの度合いによって、試験問題を教えてあげる割合を変えていた。
そうすると私のお気に入りのなかでも、私の機嫌をとるのを競い合うようになってすごく面白かった。私の機嫌を損ねると試験問題を教えてもらえる数が減らされるから、ますます私の言いなりになるのよ。
誰も私に逆らえない。この世界の貴族のご令嬢より私は偉いと思う。だって女性は爵位を継げないけれど、商家の私は女性でも会長になれる。つまりこの私こそは女王なのよ。
いつも成績はトップだし、学園以来の秀才なんてもてはやされるから、自分でもそのつもりになっていた。だって試験時間は50分なのに、最初の10分で全部の問題が完璧に解答できるほどの天才なんだから!
(グレイス様め。試験結果が出たら絶望に打ちひしがれるが良いわ。満点をいつもとれる私を舐めないことね)
今日は試験当日よ。私はもちろん前日まで勉強を必死に・・・・・・あっははは! しているわけなんてないじゃない?
勉強なんてしなくても満点がとれるのに、わざわざ教科書なんて見るわけがない。
グレイス様はいつものように朗らかな笑顔を浮かべて登校してきた。
「その素敵な笑顔が試験の結果で歪むなんて今からお気の毒でたまりませんわ。今なら謝ってくだされば許してあげましてよ?」
「私は許していただくような悪い事はひとつもしておりませんので謝りませんわ。素敵な笑顔とおっしゃってくださってありがとう」
「ほ、褒めているんじゃないわよっ」
グレイス様は良い子ぶりっこで大嫌いよ。今だって私が喧嘩を仕掛けたのに、最後はにっこりと微笑んだ。
(なによ、いつも余裕の笑顔を浮かべてむかつくのよ)
「試験の結果が出たら、グレイス様とその班の方達は恥ずかしくて、顔をあげて学園内を歩けなくなりましてよ。異例の班をグレイス様が強引に作った事件は、今や全校生徒の知るところになっております。お可哀想に。きっと廊下を歩く度に嘲笑われて陰口を言われることになるのですわ。私はそれが今からとても楽しみですの」
「えぇ? そのようなことしかジュエルさんには楽しみがないのですか? とてもお気の毒だと思います。私の毎日はもっと楽しいですよ。大好きなポールスランド伯爵夫妻は大事にしてくださるし、コンスタンティン様は優しいです。エリザベッタちゃんとは大の仲良しですし、ヴェレリアお母様達はもうすぐ別荘に引っ越してきます。エレノーラさんやマリエルさんとは、ついこの間ポールスランド伯爵邸のゲストルームでパジャマパーティをして盛り上がりました。もちろんエリザベッタちゃんも入れて四人で、女の子同士のおしゃべりを夜遅くまで楽しんで・・・・・・」
「う、うるさいわね。自慢話なんて聞きたくないわよ。パジャマパーティですって? エレノーラさん達だけポールスランド伯爵邸に泊まらせたと言うの? なんて不公平なのよ。そんなに遊んでばっかりで試験の結果がますます楽しみだわ。私はね、寝る間も惜しんでお勉強していたのですよ! 他の班長達もそうよ。皆でエイキン邸に集まって勉強しかしなかったのですからねっ」
「まぁ、だったらお互いとても素晴らしい結果がでますわね」
キラキラとしたグレイス様の瞳の奥にはなんの嫌味も感じ取れない。本当にそう思っているみたい。
ポールスランド伯爵家の方々は貴族だけれど威張らなくて、温厚な人格者で優しいと評判だ。グレイス様も親戚だから性格がきっと似ているのね。お人好しの性格で騙されやすい残念な貴族なのよ。
「さぁ、始めてください。きっかり50分後に解答用紙を回収します」
1限目の算数の試験。算数担当のイアン・ハーラン先生が試験問題を一人一人に配っていく。
(こんなの楽勝よ。さてっと・・・・・・ん? あら? えぇーー? なに、この問題? 初めて見るんだけど?)
試験問題があらかじめ知らされていた問題とまるっきり違う。同じ問題がひとつもないのだ。
(どういうことなの? やばい、ひとつもわからない)
わからない問題を飛ばしていたら、ついに最後の問題にまで行き着いてしまった。あのマヌケなレミントンめっ!
あいつがきっとヘマをしたに違いない。
レミントン先生に対する怒りでどうにかなりそうな私だったけれど、とにかく記号で答えられる問題だけは勘で解答を記入した。
イアン先生は厳しい顔付きで私達を見回っている。カンニングや不正ができないよう、生徒達の席のあいだをゆっくりと歩いている。
「こら、そこ。机の中に手を入れるのは止めなさい。君、班長の一人だろう? なにをやっている? カンニングを疑われるような行動はしないようにな」
「はい、すみません。ちょっと鼻水が出てしまって・・・・・・」
「わたしのハンカチを貸してあげよう。これ以降は机に手を入れたら点数はゼロだ」
なんてばかなの。イアン先生は絶対に不正を許さない正義感の塊なのだ。おかしな行動をした子の点数はすぐにゼロ点にするので有名なのに。
算数の試験が終わって休み時間になった。次は歴史の試験だけれど、その前にレミントン先生に文句を言わなければ気が済まない。
職員室に走って行きレミントン先生を見つけ、手招きをして音楽室に急いで連れ込んで、一気に不満をぶつけてやった。
「全然問題が違うじゃないよ。おかしいでしょう? なにやってんのよっ。先生の弟が取締役からはずされてもいいの? これじゃぁ、グレイス様に負けてしまうわ。私の立場はどうなるのよ!」
「なにをそんなに騒いでいるのだい? 早く教室に戻りなさい。次の試験が始まるよ」
「ひっ、コンスタンティン様? なぜ、こちらに?」
「え? な、なんでコンスタンティン様が学園にいらっしゃるのですか?」
「さぁ、なぜだろうね? ジュエル君はさっさとクラスに戻り、きっちり最後まで試験を受けなさい。正々堂々とね」
音楽室で話していた私とレミントン先生の前に、いきなり現れたコンスタンティン様にびっくりだ。まるで私達がそこに来るってわかっていたような表情が気になる。
渋々教室に戻り残りの試験を次々と受けていくけれど、歴史でも理科でも語学の試験でも、見たこともない問題ばかりが並んでいる。
レミントン先生担当の音楽の試験だけが教えられていたものとそっくり同じ。
(これだけは満点がとれそう。でも他のほとんどは・・・・・・)
そうしてその数日後、試験結果の上位者は廊下に張り出され・・・・・・
4
あなたにおすすめの小説
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。