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本編
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あのお茶会から2年が経ち、僕も10歳になった。
子供の2年なんてあっという間のようで、色々な出来事があった。
あの後、次兄と王子は婚約を結んだ。
うちの両親もだけど、陛下達も王子の初恋を見守っていたそうで、みんなして『やっとくっ付いた』という思いだったそうだ。ちなみに王太子殿下は、国王陛下に賭け事をしようとしたことがバレて怒られていた。
次兄と王子の婚約式の時に、王子が陛下にバラしたからちょっとした騒動になってしまった。
次兄は、王子を気にはしていたから、恋心みたいなものはあったようだ。ただ本当に次兄は鈍チンだから、自分の気持ちすら気付いていなかったみたい。王子は頑張って素直に気持ちを伝えているみたい。次兄に回りくどい言い方をしたら、誤解しか生まないからね。次兄もそこら辺は素直になって、自分の気持ちを伝えるようにしているみたい。
王子は二月に1回はうちに来て、次兄と僕とお茶会をしている。なんで僕も呼ばれるのか不思議だったけど、『カミルに自慢するため』って言っていた。
次兄に聞いたら、側近は僕と友として仲良くなりたいと言っていたって。
でも、将来を考えたら、障害者で社交をしない僕とは縁付いても無意味なことだろうと、ルビー公爵夫妻に止められているらしい。
友人としての付き合いにも口を出すご両親らしく、子供世代だけでなく、社交界からもあまり好かれていないみたい。嫌われている公爵夫妻って大丈夫なのかな?
前世でいう『毒親』に近いのかな?
僕は社交はしないから、側近とは仲良くなっても、ならなくてもどちらでも良いけど。
長兄も半年後には婚約者ができた。お相手はなんとライオル様だった。
公爵家嫡男同士で大丈夫なのかな?と思ったら、王弟殿下は一代公爵だから、ライオル様が公爵になることはない。成人後の働き次第で良くて伯爵、悪くて平民になる。身の振り方ひとつで決まるらしい。ただ平民になった場合、結婚は許されないみたい。王家の血筋の関係で、子供を作ることは禁止されているらしい。
だから、長兄と結婚するのは利点がある。でも利点だけでなくても、長兄とライオル様はちゃんと恋仲になってから、父達に報告したみたい。
ただ、次兄も王族に嫁ぐので、うちに権力が集中することに危惧する者も少数派だがいるらしい。しかし、うちもだけど、ルビー公爵家も政治には全く関わっていない。寧ろ関わらないようにしている。国政は、侯爵以下の当主以外の人達が行っている。
建国より政務官と当主を同時に務めることを禁止されているからだ。
王弟殿下は宰相を務めているが、王である兄を助けるために、学園入学前には王位継承権を放棄しているし、一代公爵だから領地もない。政務官として働いてなければ、『ただの税金の穀潰し』だなんて、ご自分で皮肉なことを言っていたらしい。
王太子殿下といい、王弟殿下といい、考え方がどこか突き抜けていて面白い。
ライオル様も長兄と結婚したら王位継承権を放棄するらしい。
王子も『王太子殿下に子供が出来たら放棄する』って言っていた。
継承で争い事が起きないのは良いことだけど、王様稼業って実は不人気なんだと、別の心配をしてしまった。
リオネル様とサイラス様も時々来て、本の意見交換会を開いた。
『勇者の冒険譚』は父におねだりをして購入してもらいました。なんと全10巻!
次兄も読みたがっていたので一緒に…は、読めなかった。次兄も忙しいからね。
使用人達にお願いして、休憩がてら読んでもらいました。2人が薦めるだけあって面白かった!やっぱり、勇者ってヒーローだけあって、優しくて強いのが鉄板だね。
でも、2人とも侯爵家後継者だから、段々と読書の時間を持てなくなってきたと言っていた。
でも、『リアム様には会いたいので、お茶会は呼んでください』って言ってくれた。
だから、ここ最近は学園の話を聞くことが多い。たまに2人の恋バナが聞けて、ちょっとだけ嬉しいし、楽しい。父から恋愛小説は止められているから、2人の恋バナをドキドキしながら聞いている。
でもたまにルテウスの話が出てくる。
婚約者がいても、いなくても、高位貴族子息に言い寄っているって。
整った容姿で近づいて来るから、コロッと落ちる子息が数人いて、何人かは彼に貢いでいるらしい。
そしてたまに、王子や側近にも近づいているそうだ。でも『全く相手にされていないけど』って、教えてくれた。
彼は時々意味不明な言動を取るみたいで、取り巻き以外は誰も近寄りたがらないようだ。なんでも『なんで悪役令息がいないの』とか、『ここで王子が助けに来るはずなのに』とか。
周りは意味不明でも、僕はなんとなく彼も転生者なのだろうとわかった。
学園に通わなくなって良かったなと、少しだけ思った。今の彼からは、ラノベにあるヒドイン臭しかしない。
会う機会はないけど、何もしないと決めたのに、なんか完膚なきまでに叩き潰したい衝動に駆られそう。
ラノベとかで、転生者の主人公がイベント待ちなところが出てくると、読まなくなってしまった。
何事にも頑張っている姿が見られるから好感度が上がるのに、受け身で他力本願で好感度上げようとする心意気が無理だった。
最近では、前世の記憶が薄れてきている。
ルテウスの名前を聞かないと、ゲームのことを思い出せなくなってきた。
前世の姉や両親のことも、もうあまり思い出せなくなってきた。
今の家族は好きだし不満もない。暮らしも至れり尽くせりだし。使用人たちも優しくしてくれるし。
ただ、前世の家族を忘れてしまうってことは違うんじゃないかと思った。
前世の僕という人間に必要不可欠だったから。
前世の家族を思い出そうとして、ぼーっと考えごとをすることが多くなってきていた。
顔も性格も思い出せなくなってきていたから。
絵を描き続けていたのなら違ったのかな、と考えてしまうことまである。
本当は今でも、絵を描きたい気持ちはある。
探査魔法も精度は良くなってきたが、まだ大雑把な形しかわからない。
紙にぐるぐると線を書いてみるけど、書いたものは探査できなかった。
線もわからないし、色もわからない。まだまだ練習が必要ってことだろう。
ただ絵を描きたいことを家族に伝えると、悲しい雰囲気が伝わってきた。
だから、家族の前でもう描きたいとは言わないようにした。
目が見えなくても、絵を描けるようになりたいのは、誰にも言えない目標だ。
「帝国ですか?」
「そうよ。行ってみない?」
父の父と母、つまり僕の祖父と祖母が帝国に行かないかと誘ってくれた。
近年医療の発展が目覚ましい帝国に行って、僕の視力を取り戻す糸口が見つかるかもと言ってくれた。
祖母は帝国の第四王子だったけど、留学で来た祖父に惚れ、この国に嫁いできたのだ。
近頃、前皇帝の兄君の体調があまり芳しくないから、お見舞いがてら、僕の目もついでに診てもらおうという話になった。
父達ももしかしたらと少し期待をしているみたい。
「でも、確実ではないんですよね。期待して、やっぱりダメだってなったら、父様達の方が気落ちしてしまいますし。」
「リアムは優しいね。」
と母が頭を撫でてくれた。
「こんな機会でもなかったら、まず帝国には行かないだろうから、行っておいで。治療のためじゃなくて、祖父母と一緒に旅行だと思って楽しんできなさい。」
「ただ遊んでくるだけになっても、いいんですか?」
「いいんだよ。普段は家から外に出れないんだから。」
「わかりました!父様、母様ありがとう!」
と、2人に抱きついた。兄達には『ちゃんとお祖父様達の言うことを聞くんだよ』とか、『知らない人について行かないように』とか言われた。そこまで子供じゃないのに。
家族は、ぼーっとしていることが多くなった僕を心配して、祖母の話を聞いて、『是非帝国に連れて行って欲しい』と頼んだ。
用事もなければ、外に出たがらない僕に、『治療』と言う名目で行かせることにしてくれたみたいだ。
祖父母もそんな僕を心配して、気分転換になるならと喜んで賛成してくれた。
僕はそんな家族の心配を知らなかった。
ここにも大事なものがあるのに、この頃の僕は前世の忘れてしまったモノのことばかりを考えていた。
だから、誰にも聞こえないくらいの小さな声で『ごめんなさい』って言った。
【青い鳥】みたいになっていたことに気付き、今の家族も大事にしようと思った。
子供の2年なんてあっという間のようで、色々な出来事があった。
あの後、次兄と王子は婚約を結んだ。
うちの両親もだけど、陛下達も王子の初恋を見守っていたそうで、みんなして『やっとくっ付いた』という思いだったそうだ。ちなみに王太子殿下は、国王陛下に賭け事をしようとしたことがバレて怒られていた。
次兄と王子の婚約式の時に、王子が陛下にバラしたからちょっとした騒動になってしまった。
次兄は、王子を気にはしていたから、恋心みたいなものはあったようだ。ただ本当に次兄は鈍チンだから、自分の気持ちすら気付いていなかったみたい。王子は頑張って素直に気持ちを伝えているみたい。次兄に回りくどい言い方をしたら、誤解しか生まないからね。次兄もそこら辺は素直になって、自分の気持ちを伝えるようにしているみたい。
王子は二月に1回はうちに来て、次兄と僕とお茶会をしている。なんで僕も呼ばれるのか不思議だったけど、『カミルに自慢するため』って言っていた。
次兄に聞いたら、側近は僕と友として仲良くなりたいと言っていたって。
でも、将来を考えたら、障害者で社交をしない僕とは縁付いても無意味なことだろうと、ルビー公爵夫妻に止められているらしい。
友人としての付き合いにも口を出すご両親らしく、子供世代だけでなく、社交界からもあまり好かれていないみたい。嫌われている公爵夫妻って大丈夫なのかな?
前世でいう『毒親』に近いのかな?
僕は社交はしないから、側近とは仲良くなっても、ならなくてもどちらでも良いけど。
長兄も半年後には婚約者ができた。お相手はなんとライオル様だった。
公爵家嫡男同士で大丈夫なのかな?と思ったら、王弟殿下は一代公爵だから、ライオル様が公爵になることはない。成人後の働き次第で良くて伯爵、悪くて平民になる。身の振り方ひとつで決まるらしい。ただ平民になった場合、結婚は許されないみたい。王家の血筋の関係で、子供を作ることは禁止されているらしい。
だから、長兄と結婚するのは利点がある。でも利点だけでなくても、長兄とライオル様はちゃんと恋仲になってから、父達に報告したみたい。
ただ、次兄も王族に嫁ぐので、うちに権力が集中することに危惧する者も少数派だがいるらしい。しかし、うちもだけど、ルビー公爵家も政治には全く関わっていない。寧ろ関わらないようにしている。国政は、侯爵以下の当主以外の人達が行っている。
建国より政務官と当主を同時に務めることを禁止されているからだ。
王弟殿下は宰相を務めているが、王である兄を助けるために、学園入学前には王位継承権を放棄しているし、一代公爵だから領地もない。政務官として働いてなければ、『ただの税金の穀潰し』だなんて、ご自分で皮肉なことを言っていたらしい。
王太子殿下といい、王弟殿下といい、考え方がどこか突き抜けていて面白い。
ライオル様も長兄と結婚したら王位継承権を放棄するらしい。
王子も『王太子殿下に子供が出来たら放棄する』って言っていた。
継承で争い事が起きないのは良いことだけど、王様稼業って実は不人気なんだと、別の心配をしてしまった。
リオネル様とサイラス様も時々来て、本の意見交換会を開いた。
『勇者の冒険譚』は父におねだりをして購入してもらいました。なんと全10巻!
次兄も読みたがっていたので一緒に…は、読めなかった。次兄も忙しいからね。
使用人達にお願いして、休憩がてら読んでもらいました。2人が薦めるだけあって面白かった!やっぱり、勇者ってヒーローだけあって、優しくて強いのが鉄板だね。
でも、2人とも侯爵家後継者だから、段々と読書の時間を持てなくなってきたと言っていた。
でも、『リアム様には会いたいので、お茶会は呼んでください』って言ってくれた。
だから、ここ最近は学園の話を聞くことが多い。たまに2人の恋バナが聞けて、ちょっとだけ嬉しいし、楽しい。父から恋愛小説は止められているから、2人の恋バナをドキドキしながら聞いている。
でもたまにルテウスの話が出てくる。
婚約者がいても、いなくても、高位貴族子息に言い寄っているって。
整った容姿で近づいて来るから、コロッと落ちる子息が数人いて、何人かは彼に貢いでいるらしい。
そしてたまに、王子や側近にも近づいているそうだ。でも『全く相手にされていないけど』って、教えてくれた。
彼は時々意味不明な言動を取るみたいで、取り巻き以外は誰も近寄りたがらないようだ。なんでも『なんで悪役令息がいないの』とか、『ここで王子が助けに来るはずなのに』とか。
周りは意味不明でも、僕はなんとなく彼も転生者なのだろうとわかった。
学園に通わなくなって良かったなと、少しだけ思った。今の彼からは、ラノベにあるヒドイン臭しかしない。
会う機会はないけど、何もしないと決めたのに、なんか完膚なきまでに叩き潰したい衝動に駆られそう。
ラノベとかで、転生者の主人公がイベント待ちなところが出てくると、読まなくなってしまった。
何事にも頑張っている姿が見られるから好感度が上がるのに、受け身で他力本願で好感度上げようとする心意気が無理だった。
最近では、前世の記憶が薄れてきている。
ルテウスの名前を聞かないと、ゲームのことを思い出せなくなってきた。
前世の姉や両親のことも、もうあまり思い出せなくなってきた。
今の家族は好きだし不満もない。暮らしも至れり尽くせりだし。使用人たちも優しくしてくれるし。
ただ、前世の家族を忘れてしまうってことは違うんじゃないかと思った。
前世の僕という人間に必要不可欠だったから。
前世の家族を思い出そうとして、ぼーっと考えごとをすることが多くなってきていた。
顔も性格も思い出せなくなってきていたから。
絵を描き続けていたのなら違ったのかな、と考えてしまうことまである。
本当は今でも、絵を描きたい気持ちはある。
探査魔法も精度は良くなってきたが、まだ大雑把な形しかわからない。
紙にぐるぐると線を書いてみるけど、書いたものは探査できなかった。
線もわからないし、色もわからない。まだまだ練習が必要ってことだろう。
ただ絵を描きたいことを家族に伝えると、悲しい雰囲気が伝わってきた。
だから、家族の前でもう描きたいとは言わないようにした。
目が見えなくても、絵を描けるようになりたいのは、誰にも言えない目標だ。
「帝国ですか?」
「そうよ。行ってみない?」
父の父と母、つまり僕の祖父と祖母が帝国に行かないかと誘ってくれた。
近年医療の発展が目覚ましい帝国に行って、僕の視力を取り戻す糸口が見つかるかもと言ってくれた。
祖母は帝国の第四王子だったけど、留学で来た祖父に惚れ、この国に嫁いできたのだ。
近頃、前皇帝の兄君の体調があまり芳しくないから、お見舞いがてら、僕の目もついでに診てもらおうという話になった。
父達ももしかしたらと少し期待をしているみたい。
「でも、確実ではないんですよね。期待して、やっぱりダメだってなったら、父様達の方が気落ちしてしまいますし。」
「リアムは優しいね。」
と母が頭を撫でてくれた。
「こんな機会でもなかったら、まず帝国には行かないだろうから、行っておいで。治療のためじゃなくて、祖父母と一緒に旅行だと思って楽しんできなさい。」
「ただ遊んでくるだけになっても、いいんですか?」
「いいんだよ。普段は家から外に出れないんだから。」
「わかりました!父様、母様ありがとう!」
と、2人に抱きついた。兄達には『ちゃんとお祖父様達の言うことを聞くんだよ』とか、『知らない人について行かないように』とか言われた。そこまで子供じゃないのに。
家族は、ぼーっとしていることが多くなった僕を心配して、祖母の話を聞いて、『是非帝国に連れて行って欲しい』と頼んだ。
用事もなければ、外に出たがらない僕に、『治療』と言う名目で行かせることにしてくれたみたいだ。
祖父母もそんな僕を心配して、気分転換になるならと喜んで賛成してくれた。
僕はそんな家族の心配を知らなかった。
ここにも大事なものがあるのに、この頃の僕は前世の忘れてしまったモノのことばかりを考えていた。
だから、誰にも聞こえないくらいの小さな声で『ごめんなさい』って言った。
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