ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん異世界に来ました!

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「では、魔力を神樹に流せば、アオイ様は元の世界に戻れるのですか?」

「それは無理みたいなんです。今回呼ばれて来れただけでも、奇跡みたいなので。」

「……そうなんですね。」

「だから、神様にこの世界では、思うままに生きていけばいいと言われました。今まで、自分の望んだ事をあまりしてこなかったので、やりたいことを見つけたらしていきたいと思います。」

「………アオイは、もう子供達に会えないがそれでいいのか?」

ロイさんが真剣な眼をして言う。

「……はい。そこは神様と話して折り合いをつけました。こちらの世界でいうなら、3人とも成人している年齢にあたります。もう、母親の手はなくても、大丈夫なんです。」

今は大学生の息子、高校生の娘2人だが、いつか、就職や結婚で親元を離れる。それが早まっただけだ。だから、大丈夫…大丈夫。

2人は切なそう顔をしたが、それ以上何も言ってこなかった。




ロイさんに客室まで送ってもらい、マリアさんから寝間着に着替えさせられて、ベッドに潜る。

お昼寝をしてしまったから、まだ眠くはないが、身体が怠くて、動きたくない。たった一日半で、色んな事がありすぎた。頭も、身体も疲れた。

昨日からずっと落ち込んでいると同時に嬉しくもある。もう戻れない、帰らなくていい。会えない、会わなくていい。
わかっている。子供達には会いたい。旦那には会いたくない。何度も離婚の話を切り出した。その度に生活や子供のことの持ち出し、有耶無耶にされた。浮気した時、借金を作った時。酒に呑まれて、暴力を振るわれたこともある。シラフでも、会社とかの旦那の周りの女性と比較され、私の容姿、振る舞いとありとあらゆる小さな欠点を言う。もう、あの言葉を聴かなくていい。

私が旦那より先に死んだら、保険金は息子に渡るようにしてある。妹達を守ってとも伝えてある。理不尽な言葉の暴力から、金銭的問題から、守ってと。



相反する感情は、制御できない。この消化不良のものがいつまで、心に留まり続けるのか。歳を重ねても、『割り切る』『棄てる』ことができない。未だ大人になれていない私。『割り切る』『棄てる』がどんなに楽なんだろうと思う。



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