90 / 161
おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
42
しおりを挟む
「エリザベスの兄のアルフレッド=ガーウェインです。稀人様にお会いでき、光栄でございます。」
「アオイ=シュバルツバルトです。では、ご機嫌よう。」
ロト君が間に入り説明してくれて、お互い自己紹介した。ので、私はすぐに立ち去ろうとしたのだが、
「アオイ様は、剣術にご興味がお有りで?」
「さぁ?」
「それとも、誰かお目当てがいるんですか?」
「どうでしょうか?」
「綺麗な髪をしていますね?」
「侍女任せなので、私は特にしていません。」
何故か質問責めにあっていた。ロト君に『助けて』の目線を送るが、『無理です』と首を横に振られる。
「ガーウェイン様、鍛錬はよろしいのですか?」
「アオイ様のような素敵な女性に見られるのなら、やる気も出るんですが?見ていてもらえますか?」
「あら、見られていないとできないなんて、子供ですのね、ガーウェイン様は。」
ふふっと笑う。
「素敵な女性限定ですよ?」
ははっと笑って返す。ロト君はハラハラと成り行きを見ている。
腹の探り合いをしているようだ。だから、貴族はイヤだ。
「アルフレッド!ロト!」
どうやら、騎士団から鍛練に戻る呼び出しの声だ。
「では、失礼致します。」
カーテシーをして、私はその場を離れた。
エリー様の兄は、騎士団で来ていたが、森に行くメンバーには入れなかったようだ。公爵家嫡男でもあるし、なるべくなら危険からは遠ざけさせたのだろう。
中庭の通路から、本館に向かう途中声を掛けられる。
「アオイ?」
後ろから声を掛けてきたのは、ロイさんだった。
「どうしてここに?」
「剣術の鍛練を見にきてました。学生時代の友達も剣術のようなものに打ち込んでいたので、懐かしくなって。」
「友達…。」
「えぇ、彼女とても強かったの!でも、練習も真面目に取り組んでいて。試合で勝つ度に私も嬉しくて。」
「彼女?女性が剣術を?」
「うん。私の国は、武道とかは女性も習ったりするよ?体育の時間に柔道習ったし。あっ、柔道っていう体術なんだけど。」
「へぇ。」
「ロイさんは仕事は大丈夫なんですか?」
「…まだ、忙しい。アオイに会いたかった。」
「私は快適に過ごせてますよ?」
「……俺がいなくて寂しくない?」
「全然。」
「……もしかして、俺のこと忘れていた?」
「…ぶっちゃけ、忘れてました。」
「…そうか。仕事に戻る。」
「お仕事頑張ってください!」
「あぁ。」
と、がっくり肩を落として、執務室に戻って行った。素直に言い過ぎたようだった。
私も部屋に戻り、続きを読み出すが、さっきの言い過ぎが気になってしまった。そこでマリアさんに相談してみた。『それならお茶をお持ちしてはいかがですか?』と言われた。面白そうなので、メイド服を着せてもらい、お茶を持っていく。
執務室のドアをノックして、声をかける。
「お茶をお持ちしました。」
少し待つと、ドアが開く。ダンさんが開けてくれた。
私の格好を見て、驚いてくれた。シーっと口に人差し指をあて、ダンさんが話さないようにお願いをした。
カートを押し、部屋に入る。お茶を淹れて、
「お茶です。」
と、ロイさんの机にカップを置く。
声で気が付いたのか、こっちを見て驚いた。
「アオイ、何している?」
「メイドさんごっこ?」
ブハッとダンさんが笑う。久しぶりにダンさんの笑いを聞いた気がした。
「俺専属?」
「いや、ごっこだから。」
「ダン、休憩だ!」
「はいはい。」
「あっ、ダンさんの分も今淹れますね。」
「いえ、私は今のうちに違う用事を済ませてきますので、アオイ様はごゆっくり。」
と言って、部屋を出て行った。
これって、飛んで火に入るなんとやらだぁ。メイドさんごっこ楽しそうと思った過去の自分を殴りたい。
「アオイ=シュバルツバルトです。では、ご機嫌よう。」
ロト君が間に入り説明してくれて、お互い自己紹介した。ので、私はすぐに立ち去ろうとしたのだが、
「アオイ様は、剣術にご興味がお有りで?」
「さぁ?」
「それとも、誰かお目当てがいるんですか?」
「どうでしょうか?」
「綺麗な髪をしていますね?」
「侍女任せなので、私は特にしていません。」
何故か質問責めにあっていた。ロト君に『助けて』の目線を送るが、『無理です』と首を横に振られる。
「ガーウェイン様、鍛錬はよろしいのですか?」
「アオイ様のような素敵な女性に見られるのなら、やる気も出るんですが?見ていてもらえますか?」
「あら、見られていないとできないなんて、子供ですのね、ガーウェイン様は。」
ふふっと笑う。
「素敵な女性限定ですよ?」
ははっと笑って返す。ロト君はハラハラと成り行きを見ている。
腹の探り合いをしているようだ。だから、貴族はイヤだ。
「アルフレッド!ロト!」
どうやら、騎士団から鍛練に戻る呼び出しの声だ。
「では、失礼致します。」
カーテシーをして、私はその場を離れた。
エリー様の兄は、騎士団で来ていたが、森に行くメンバーには入れなかったようだ。公爵家嫡男でもあるし、なるべくなら危険からは遠ざけさせたのだろう。
中庭の通路から、本館に向かう途中声を掛けられる。
「アオイ?」
後ろから声を掛けてきたのは、ロイさんだった。
「どうしてここに?」
「剣術の鍛練を見にきてました。学生時代の友達も剣術のようなものに打ち込んでいたので、懐かしくなって。」
「友達…。」
「えぇ、彼女とても強かったの!でも、練習も真面目に取り組んでいて。試合で勝つ度に私も嬉しくて。」
「彼女?女性が剣術を?」
「うん。私の国は、武道とかは女性も習ったりするよ?体育の時間に柔道習ったし。あっ、柔道っていう体術なんだけど。」
「へぇ。」
「ロイさんは仕事は大丈夫なんですか?」
「…まだ、忙しい。アオイに会いたかった。」
「私は快適に過ごせてますよ?」
「……俺がいなくて寂しくない?」
「全然。」
「……もしかして、俺のこと忘れていた?」
「…ぶっちゃけ、忘れてました。」
「…そうか。仕事に戻る。」
「お仕事頑張ってください!」
「あぁ。」
と、がっくり肩を落として、執務室に戻って行った。素直に言い過ぎたようだった。
私も部屋に戻り、続きを読み出すが、さっきの言い過ぎが気になってしまった。そこでマリアさんに相談してみた。『それならお茶をお持ちしてはいかがですか?』と言われた。面白そうなので、メイド服を着せてもらい、お茶を持っていく。
執務室のドアをノックして、声をかける。
「お茶をお持ちしました。」
少し待つと、ドアが開く。ダンさんが開けてくれた。
私の格好を見て、驚いてくれた。シーっと口に人差し指をあて、ダンさんが話さないようにお願いをした。
カートを押し、部屋に入る。お茶を淹れて、
「お茶です。」
と、ロイさんの机にカップを置く。
声で気が付いたのか、こっちを見て驚いた。
「アオイ、何している?」
「メイドさんごっこ?」
ブハッとダンさんが笑う。久しぶりにダンさんの笑いを聞いた気がした。
「俺専属?」
「いや、ごっこだから。」
「ダン、休憩だ!」
「はいはい。」
「あっ、ダンさんの分も今淹れますね。」
「いえ、私は今のうちに違う用事を済ませてきますので、アオイ様はごゆっくり。」
と言って、部屋を出て行った。
これって、飛んで火に入るなんとやらだぁ。メイドさんごっこ楽しそうと思った過去の自分を殴りたい。
75
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
みんながみんな「あの子の方がお似合いだ」というので、婚約の白紙化を提案してみようと思います
下菊みこと
恋愛
ちょっとどころかだいぶ天然の入ったお嬢さんが、なんとか頑張って婚約の白紙化を狙った結果のお話。
御都合主義のハッピーエンドです。
元鞘に戻ります。
ざまぁはうるさい外野に添えるだけ。
小説家になろう様でも投稿しています。
女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた
宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる