ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】

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翌日は少し熱を出したが、夕方には下がった。その間もロイさんはずっとついていてくれた。

離宮3日目の夜。ロイさんから結婚をしなかった理由を聞いた。


ロイさんは忘れられた王子様だった。乳母と2人で、この広い離宮を6歳まで過ごした。時折、乳母の姉と姪が訪ねてきた。姪がマリアさん。
上のお兄さんの廃籍の問題で、存在を思い出されたんだそうだ。
もうその頃には、表情も感情もなかったって。
それから、父親には1回会った以降は全く会わなかった。兄、姉は会いに来て構うが、今更どう接していいかわからず、構われても反応出来なかった。家庭教師もついたが、言われたことだけをやってきた。って言っていた。
ダンさんとも、やっぱり接し方がわからなかったけど、ダンさんは嫌悪感も不快感も見せず、ただ隣にいてくれた。それだけは、居心地が良かったって。
人との接し方を知らないから、恋愛なんてしたこともないって言った。
領地に移ってから、叔父が娼館に連れて行ったが、何も感じなく、ただの排泄行為だった。
俺の姿で一目惚れした町娘に、一度だけ思い出にと言われてしてみたが、勃つには勃ったがイけなかった。と、女性経験まで教えてくれた。
これから先、誰かと結婚はしないし、したくなかった。と。

私に会ってから、笑う、怒る、困るなど、いろんな感情を知った。だから、ダンやロバートやマリアの前では、まだ無表情が多いって言っていた。感情を教えてくれた私をいつの間にか、愛おしく感じるようになった。


私は、聞いていて涙が出た。

「アオイ、なんで泣くの?」

「私、まだまだロイさんと同じ気持ちを返せていない悔しさ。かな?好きだけど、愛しているっていうことがわからない。子供は愛しているって言えるのに。だから、悔しいかな。」

「……。アオイは自分の気持ちをしっかりみているんだね。」

「それにロイさんを産んでくれたお母様と育ててくれた乳母さんに感謝を。…話してくれてありがとう。」

「…アオイは、辛かったねとか、寂しかったねとか言わないのか?俺の過去を知っている女性は言ってくる。」

「私は、下手な同情とかしたくない。ロイさんがそう言うならわかるけど、他の人が言うのは、なんか違う気がする。」

「…ああ、なんかわかる。」

「だから、ロイさんが寂しい、辛いって言ってくれたら、私はロイさんを抱きしめてあげる。大好きだよって思いながら、いっぱい抱きしめるから。」

私はロイさんの頭を抱えるように抱きしめた。ロイさんも私の体を抱きしめ返す。

「アオイ、ありがとう。」

お互い抱きしめ合う。少し、胸元が濡れた感触がした。もしかしたら、ロイさんが泣いたかもしれない。でも、私は気付かないフリをする。



今夜も抱きしめ合いながら、眠った。





夢を見た。
ロイさんと水やりをしている。
芽が大きくなり、小さい木になった。
幹も太くなり、枝も繁っている。葉っぱも艶やかで青々としている。
花はどんな花が咲くかな?って話す。
何色かな?って聞けば、アオイの好きな色って、はぐらかす。
私は、桜みたいな、淡いピンクがいいと答える。
サクラ?
そう、桜!一輪だと白い花だけど、枝いっぱいに花をつけると、淡いピンクに見えるの!木の下で宴会するの。みんなで!桜を観て、お酒飲むの。きっと楽しいよ!
確かにみんな集まれば楽しいね。
と笑ってくれた。

いつだって、私の突拍子のない行動を叱りつつ、最後は笑って許してくれる。
私の方が年上なのに、とも思わなくなってきた。
恋は1人でできるけど、愛は2人で作るものって、誰か歌っていた。

これが愛することなのか。と自覚した。

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