ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】

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初秋の夕暮れ。稲穂が垂れ下がり、もうすぐ稲刈りだなぁ。と、田んぼを見ながら、家に帰る。
この季節の夕方は、暑くなく、稲穂が輝いて見えるから、好きな時間帯だ。
早く帰って、夕飯の手伝い、風呂掃除としなくてはいけないのに、ずっと眺めていたかった。

今時期は、農協に勤めている母は帰りが遅い。祖母が夕飯をしてくれるが、内孫3人の中で、父似の私にはあたりが強い。父は婿養子で、ソリが合わないからだ。
また、遅くなると怒られる。今日は、保健委員会で、ポスター作っていたから、帰宅が遅くなった。
ランドセルを背負い直して、早足で家に帰る。
今日は、算数のテストが返ってきた。95点だった。1問間違えたけど、褒めてもらえるかな?


やっぱり帰りが遅くて怒られた。夕飯も手伝って、お風呂掃除もした。夕飯が終わって、食器を洗い終わった頃に母が帰ってきて、テストを見せたが、何故100点でないのか理由を問われる。




まだあの頃は、完璧にやれば、褒められる。と信じていた頃だった。












私は、あの後朝までぐっすり寝た。
長距離の乗馬、魔力の消耗で、だいぶ疲れていたみたいだ。
布団の中か、ロイさんの腕の中でしか、まだ安心して眠れない。
前は、旦那と同じ部屋では寝れず、別室で寝ていた。万年不眠症だった。
いや、物心ついた時から、あまり寝れていない気がする。
少しはマシになったのかな。


マリアに支度され、朝食を運んでもらう。まだ、身体が怠く、部屋から出れそうもなかった。
ロイさん達は、今日も早くからスライム探しで出ていた。

朝食もあまり食べれず、マリアさんに心配され、ベッドに戻る。

ベッドに横になるが、体は怠いのに、頭は冴えて、眠れない。
こんな時は、負の感情が溢れ出す。蓋を閉め、鍵をかけたはずなのに、漏れていく。


いやだ、思い出させないで、もう縛らないで!


枕を抱いて蹲る。

「ロイさん、ロイさん!ロイさん!!」

名前を呼ぶ。いないと分かっていても、彼の笑顔を思い浮かべられる。

フワッ。

と、胸元が温かくなった。急になんだろうと思い胸元を触ると、ペンダントトップが温かくなっていた。

ロイさんが私を『守ってくれる』って言っていた。
ペンダントトップを服から出し、両手で握りしめれば、ロイさんの心音が聴こえてくるようで、気持ちが落ち着いてくる。
ロイさんがいる。ダンさんやマリアさんがいる。だから、大丈夫。私は、大丈夫。

握りしめたまま、私は眠った。







夕暮れになり、ロイさん達が戻ってきた。
スライムはまだ見つからなかった。
荒らされた箇所はあるけど、大樹に魔力を流したからか、土は砂漠化しておらず、新芽が出ていたという。

ロイさんが食事、入浴を済ませ、私の元に来た時にそう言った。
まだベッドで横になっている私が心配で、今日は一緒に寝ると言ってくれた。

「アオイ、ペンダントの魔法石、魔力が減っているけど、何かあったのか?」

私は、今日のことを説明した。
ロイさんが少し考えて、

「もしかしたら、アオイは瘴気に当てられたのかもしれない。シュバルツバルトの時に、森に入ってから、具合が悪くなっただろ?あれから、文献を読み漁ってみたら、嫌な感じがするのは、瘴気が溜まっている場所らしいんだ。昨日、大樹に行く時もそんな場所が結構な数であったかもしれない。」

「確かにあったよ。」

「普通の動物が魔獣に変わったり、人間は攻撃的になったり、心が壊れたりとなるそうだ。…お守りが効いてくれて良かった。」

「ペンダントが、ロイさんと一緒にいる時みたいに安心できるように作用してくれたんだね。」

「ああ。」

「私、ロイさんに抱きしめてもらうの大好き。」

と、今夜は久しぶりに抱きしめ合って寝た。



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