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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
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翌日には回復したが、大事を取らされ、この日も屋敷に残ることになった。
特にすることもないので、書庫を借りて、勉強や読書に勤しむ。動き回ると、みんな心配するからだ。
それと瘴気について調べたかった。前の世界の時にラノベで出てきたことがあって、1回調べたが、悪い空気という意味だったと思う。現在の日常では全く使われることのない単語だ。医学が発達したことで、感染症の原因が解明されるようになってからは、使われなくなった。
それらしき文献を探したが、見当たらなかった。魔物図鑑にでも書いてあるかと思ったけど、やっぱりなかった。
お城の図書館に行けばあるかもしれない。戻ったら、宰相に許可をもらい禁止閲覧を見せてもらえないか頼もうかと考える。
本棚の前で、うんうん唸りながら、考え事をしていたら、声を掛けられた。
「シュバルツバルト嬢、少しお時間がありましたら、お茶でもいかがかしら?」
そういった人物を確認すれば、辺境伯夫人だった。
「…ありがとうございます。お邪魔させていただきます。」
と、サロンに案内された。
初日の晩餐会以降お会いしていなかったから、すっかり顔を忘れていた。
サロンは、シックだけど温かみのある仕様だった。テーブルには、色とりどりのお菓子が並べられている。
席に着き、婦人自らお茶を入れてくれる。
一口いただけば、お高い紅茶の味がした。
「…シュバルツバルト嬢、お味はいかがかしら?」
「とても美味しいです。」
「それは良かったわ。……ところで、縁談のことなんですけど。」
貴族では珍しく直球できた。私としては、その方が有難いけど。
「エドワードは、あなたの魔力量だけをみて、申し込んだらしいの。この領地でもやっていけるって思い込んで。私、つい叱ってしまったわ。惚れ込んで、一緒になりたいと思ったから、縁談を申し込んだと思ったの。だから、そんな女性をバカにした縁談なんて、受け入れてもらえるはずがないでしょ!って。主人も苦い顔していたわ。使用人達は勝手にあなたの姿を想像していたようだし。」
なるほど、授業の時にはすでに見抜いていたから、どこよりも早く釣書が届いたのか。
「だから、失礼なことをしてしまって、申し訳ないわ。あんな朴念仁に育ててしまった親の責任でもあるわ。」
と頭を下げられる。
「あ、頭を上げてください。大丈夫です、私は気にしていませんから。」
「ありがとう。……それしても、ロイフォード殿下、ではなかったわ、シュバルツバルト公爵様との仲睦まじさには、驚いたわ。王宮で新年の挨拶の夜会の時にしかお会いしたことはないけど、どの女性に言い寄られても表情が変わらなかった方が、あなただと、蕩けるような笑顔をするんですもの。本当に同一人物かと思いましたわ。これじゃ、エドワードの入る込む隙なんてないでしょうけど。」
ロイさん、そんな顔していたのか?私には当たり前の笑顔は、他の人には衝撃的だったようだ。
「私には、反対に無表情のロイさんが想像つかないんです。私がやらかしてばかりいるから、心配するし、怒るし、甘やかすし、私の前ではいろんな表情をします。私はこれが普通だと思っていました。」
「あらあら、シュバルツバルト公爵様は、本当に令嬢を大切になさっているのね。貴族ですから、顔に出さないように教育されていても、やっぱり心から思う方の前だと、顔に出てしまいますもの。」
「わたしは、貴族のしきたりとはあまり知りませんが、それでも、私のことで一喜一憂するロイさんがいてくれることは嬉しいです。」
「ふふっ、シュバルツバルト嬢は可愛らしい方なのね。お嫁さんは無理でも、エドワードとはこれからも仲良くしていただけたら、嬉しいわ。ついでに女心も教えてあげて欲しいわ。」
「グランダル先輩は真面目過ぎるところがあるから、私が教えても、教科書通りの動きしかしなさそうですよ?」
「まぁ、本当に誰に似たのかしら?来てくれるお嫁さんなんていないかもしれないわぁ。」
と、夫人は本気で心配しだした。
私は、フフッと笑いながら、お茶をいただく。
領地のことを思っての縁談をしてきたグランダル先輩だけど、ご両親は恋仲になったと勘違いしていたから、断られてビックリしたんだろう。
この家から見たら、グランダル先輩からロイさんに乗り換えたと思われたんだろう。誤解が解けて良かった。
その後も、おしゃべりを楽しんだ。しゃべりすぎて、少し声が枯れ、ロイさんに心配されてしまったけど。
特にすることもないので、書庫を借りて、勉強や読書に勤しむ。動き回ると、みんな心配するからだ。
それと瘴気について調べたかった。前の世界の時にラノベで出てきたことがあって、1回調べたが、悪い空気という意味だったと思う。現在の日常では全く使われることのない単語だ。医学が発達したことで、感染症の原因が解明されるようになってからは、使われなくなった。
それらしき文献を探したが、見当たらなかった。魔物図鑑にでも書いてあるかと思ったけど、やっぱりなかった。
お城の図書館に行けばあるかもしれない。戻ったら、宰相に許可をもらい禁止閲覧を見せてもらえないか頼もうかと考える。
本棚の前で、うんうん唸りながら、考え事をしていたら、声を掛けられた。
「シュバルツバルト嬢、少しお時間がありましたら、お茶でもいかがかしら?」
そういった人物を確認すれば、辺境伯夫人だった。
「…ありがとうございます。お邪魔させていただきます。」
と、サロンに案内された。
初日の晩餐会以降お会いしていなかったから、すっかり顔を忘れていた。
サロンは、シックだけど温かみのある仕様だった。テーブルには、色とりどりのお菓子が並べられている。
席に着き、婦人自らお茶を入れてくれる。
一口いただけば、お高い紅茶の味がした。
「…シュバルツバルト嬢、お味はいかがかしら?」
「とても美味しいです。」
「それは良かったわ。……ところで、縁談のことなんですけど。」
貴族では珍しく直球できた。私としては、その方が有難いけど。
「エドワードは、あなたの魔力量だけをみて、申し込んだらしいの。この領地でもやっていけるって思い込んで。私、つい叱ってしまったわ。惚れ込んで、一緒になりたいと思ったから、縁談を申し込んだと思ったの。だから、そんな女性をバカにした縁談なんて、受け入れてもらえるはずがないでしょ!って。主人も苦い顔していたわ。使用人達は勝手にあなたの姿を想像していたようだし。」
なるほど、授業の時にはすでに見抜いていたから、どこよりも早く釣書が届いたのか。
「だから、失礼なことをしてしまって、申し訳ないわ。あんな朴念仁に育ててしまった親の責任でもあるわ。」
と頭を下げられる。
「あ、頭を上げてください。大丈夫です、私は気にしていませんから。」
「ありがとう。……それしても、ロイフォード殿下、ではなかったわ、シュバルツバルト公爵様との仲睦まじさには、驚いたわ。王宮で新年の挨拶の夜会の時にしかお会いしたことはないけど、どの女性に言い寄られても表情が変わらなかった方が、あなただと、蕩けるような笑顔をするんですもの。本当に同一人物かと思いましたわ。これじゃ、エドワードの入る込む隙なんてないでしょうけど。」
ロイさん、そんな顔していたのか?私には当たり前の笑顔は、他の人には衝撃的だったようだ。
「私には、反対に無表情のロイさんが想像つかないんです。私がやらかしてばかりいるから、心配するし、怒るし、甘やかすし、私の前ではいろんな表情をします。私はこれが普通だと思っていました。」
「あらあら、シュバルツバルト公爵様は、本当に令嬢を大切になさっているのね。貴族ですから、顔に出さないように教育されていても、やっぱり心から思う方の前だと、顔に出てしまいますもの。」
「わたしは、貴族のしきたりとはあまり知りませんが、それでも、私のことで一喜一憂するロイさんがいてくれることは嬉しいです。」
「ふふっ、シュバルツバルト嬢は可愛らしい方なのね。お嫁さんは無理でも、エドワードとはこれからも仲良くしていただけたら、嬉しいわ。ついでに女心も教えてあげて欲しいわ。」
「グランダル先輩は真面目過ぎるところがあるから、私が教えても、教科書通りの動きしかしなさそうですよ?」
「まぁ、本当に誰に似たのかしら?来てくれるお嫁さんなんていないかもしれないわぁ。」
と、夫人は本気で心配しだした。
私は、フフッと笑いながら、お茶をいただく。
領地のことを思っての縁談をしてきたグランダル先輩だけど、ご両親は恋仲になったと勘違いしていたから、断られてビックリしたんだろう。
この家から見たら、グランダル先輩からロイさんに乗り換えたと思われたんだろう。誤解が解けて良かった。
その後も、おしゃべりを楽しんだ。しゃべりすぎて、少し声が枯れ、ロイさんに心配されてしまったけど。
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