ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【2年生】

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午後からの授業は間に合ったが、アオイは馬車で寝たまま起きなかった。
仕方ないので、一番被害のでないコンラッド殿下によって寮に運ばれ、マリアに託した。
マリアには、アオイは寝ていて全く起きる気配がないけど、今回は医師を呼ぶ必要がないことを説明した。
マリアは、気持ちよさそうに寝ているアオイを見て、安堵と怒りのオーラを醸し出した。
コンラッド達は、怒りの矛先が自分たちでないのならと追及することはなかった。





いつか見た夢の世界にいた。
空と水面だけの世界。
空を見上げれば、太陽は見えないけど、真っ青の空色。雲もなかった。
この前は空も水面も崩れていった。
私を拒否するかのように締め出された。
この前とは違い、身体は動かせられる。
なら、少し歩いてみる。
この前の男の子を探して見たかった。

少し歩けば、岩があり、そこに男の子がいた。
私をチラッと見て、周りを見る。溜息を吐きながら、話しかけてきた。

「また、来たの?」

「今日は怪我してないんだね。」

「………前はあんたが無理矢理俺の世界に来たから。」

「無理矢理来た覚えはないんだけど。」

私は苦笑する。

「この世界ではイレギュラーなあんたが?」

「私は呼ばれただけ。神樹を救うために。」

「…ふーん。救ったなら、帰れば?」

「…帰れないよ。前の世界では、死んだことになったし。この世界で大事な人を見つけたし。」

「そう、大事な人ね。……ねぇ、自分の子供とその大事な人、どちらかしか助けられないっていう状況になったら、どちらを助ける?」

「んふふっ。みんな誰しもが聞くよね、その質問。私の答えは昔から子供としか答えないよ。」

「…やっぱり、そうなるよね。」

「母親はね、命をかけて子供を産むのよ。産む時に身体が耐えられずに亡くなる人もいる。だから、成長して大人になって、また次世代を継ぐ子供を作って欲しいの。これは遺伝子に組み込まれている本能であるわ。」

「……。」

「…でもね、私は大事な人を独りで死なせないよ。子供が無事なのを確認したら、私も後追いするから。今の生きている意味を教えてくれた人がいなければ、生きていても仕方ないもの。それだけ大事な人なの。」

「……そう。」

どうやら私の答えがお気に召さなかったらしく、憮然とした顔をした。

「あなたの望んだ答えは、大事な人を選んで欲しかったの?私が大事な人はもういい大人よ。寧ろ自分で助かる方法を考えろって言いたいわ。」

「ははっ、中々厳しいね。」

「あら、男性はね甘やかすとつけあがるから、厳しく接しないとね。そう思わない?ロイさん。」

彼はキョトンと目を見開き、驚いた顔をした。

「……へぇ、よくわかったね?」

「わかるよ。大事な人だもの。魔力の質を間違えるわけないよ。でも、ロイさんであってロイさんでないよね。多分成長過程で生まれたもう一人のロイさん。」

「すごいね。そうだよ。その通りだ。すごいなぁ。僕が表面に出ても、誰もロイフォードとしか見てくれないのに。」

「昔読んだ本に、自分の精神こころを守るために、同じ身体に幾つもの人格が生まれるっていう本を読んだことがあるの。多重人格って言うだけど。ここの世界の人達は多重人格なんて知らないし、そんなことが起こっているとも思わないと思う。…たまにロイさんとダンさんで伝達の行き違いがある時に気がついたの。偶然私もいたから、3人でいた時に話したのに、ロイさんが全く覚えていない時に気がついた。それにあなたが出ている時は、私を抱きしめようとはしなかった。甘い言葉を言っても、感情は乗せていなくて、録音をしたのをずっと聴いているような言い方だった。」

「そこまで違うように聞こえるのか。」

「全然違うよ。ダンさん達すら騙せていたんだから、このまま誰にも気付かれずに、時々ロイさんの代わりが出来た。…でも、私が気付いたから。」

「……僕は、ロイフォードを守るために生まれた。でも、ロイフォードは知らない。」

「そうだね。ロイさん自身は気づいていないね。なら、私もこのまま気付かなかったことにするよ。」

「…いいのか?」

「あなたもロイさんだから。私はロイさんの世界を壊したい訳じゃないよ。でも、出てきた時は、私の前では絶対にロイさんの真似はしないで。あなたはロイさんだけど、ロイさんじゃないでしょ?」

「…ん、わかった。」

「でも、こんな一面青い世界なら退屈でしょ?もっと別の景色は出せないの?」

「君が見せてくれた写真?の中で、ロイフォードが1番気に入った景色だよ。」

「そっかぁ。なら、違うのも見せないとだね。世界の絶景100選。」

「100もあるのか?」

「それ以上かな?まぁ、次回のお楽しみだね。」










アオイは夕方には目を覚ました。
お腹が空いて目が覚めただけで、身体はまだ睡眠を欲している。
眠いが、お腹の虫がうるさいので、起きることにした。






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