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5章 魔導戦闘列車エルダートレイン
ねぇ、今どんな気持ち?
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「うぐっ、女神様……。この世界を許してください」
剣は刀身の半分以上が俺の身体を貫いていて完全に致命傷だ。今さら回復薬(中)+を飲んでも間に合わない。
だいたい女神様がそれを許さないだろう。
「あなたを殺したのに、私を女神様と呼んでくれるのですね」
女神様は慈愛の目で俺を見る。さすがに今度は復活させてはもらえないだろう。
できればみんなと幸せな家庭を築きたかった。
刺された六本の内の二本が緑色と黄色に変わると六本の剣はそのまま俺の身体に吸い込まれた。
「あれ?」
「プッ、”うぐっ”だって、”この世界を許してください”って超恥ずかしいんですけど」
俺の身体を貫いた剣はすべて俺の身体に吸収され消え去った。身体を触ってみても傷一つ無い。
馬鹿にされて思い出すと痛みも、刺された感触もなかった。思い込みって恐ろしい。
「死んだと思った? 残念でした死んでません。ねぇ、死んだと思って格好つけたのに死んでないってどんな気持ち? ねえ、どんな気持ち?」
相変わらず糞ウザいな女神様。いい加減その口に俺の如意棒を突っ込んで黙らせてやりたい。
あ、如意棒って女神様からもらった木の棒のことです。
「……はいはい、分かりました。どうせおっさんなんだから格好つかないですよ。それでなんの用ですか女神様」
女神様は少しイラッとした表情で俺の股の間に丸太をドスンと落とすと、これをお前に入れてやろうかと眼光鋭く言うので取り合えず土下座です。
「まあいいわ、予定ではリュミエールに殺されて天界で会うはずだったんだけど、死ななかったから直接会いに来たのよ」
やっぱり、あれは殺す気満々だったのか。光は復活させる気がないから、接触したときのためのセーフティの為に脳改造させたんだな。
「て言うか普通にこの世界に来れるんですね」
「当たり前じゃない、この世界を誰が支配してると思っているのよ」
「で、なんですか、さっきの六本の剣」
「神達の元の身体で作った剣よ。あなたの身体に同化させたから、今いる神達と繋がりが強くなったはずよ」
確かになぜかシンミアとスヴィニヤーを近くに感じる。って神様の身体を六人分って――。
「質量とかどうなっとんねん!」
「さぁ?」
自分でやったのにとぼけて首を傾げる女神様に俺は力までくれて何がしたいのかを問いただす。
もちろん素直に教えないのが女神様だ。
「それは自分で答えをだしなさいよ。なんでも聞いてちゃ馬鹿になっちゃうわよ」
そう言うと腰に手を当て人差し指で俺の鼻をチョンと触る。何あざといポーズとってんですか。そんなことしても許しませんよ。
「まあ、この神の剣を俺に寄越した時点で何となくは分かりましたよ。女神様の思惑と俺が思い違いをしてたって言うこともね」
『魔改造が最終解放されました』
目の前に急に表示が現れ消える。
「ん? なにこれ」
「魔改造はちゃんと解放してなかったのよ、見てみなさい」
俺は言われた通り木の棒を道具に変え、魔改造の項目を見てみた。
◎魔改造
・ミキシングビルド
『複数のモノを組み合わせて、一つの作品を作る』
「なるほど魔改造と言うわりには外見が変わらないからおかしいとは思っていたんですよ。女神様特有のボケかなと」
何せこの女神様はスキルをレベルと等価で換算する女神様だからね。
「そうね、私はボケているものね」
そう言って俺を笑う表情は明らかにわざとよと言うような顔つきだった。
「ねえ、健太郎。あなたはこの世界が好き?」
突然真剣な表情で答えが決まりきったことを女神様は俺に聞く。
「ええ、大好きですよ。恩があるあなたと敵対しても守るくらいに」
「そう、なら良かったわ」
その時の笑みは先程までのからかう表情とは違い、まるで子供に向ける慈愛の表情を俺に見せた。
「女神様、最初の世界はゲームの世界でしたよね? ならこの世界は――」
「感の良い坊やは嫌いだよ」
「やっぱりデジタルな世界なんですか……」
「え? 違うけど? 本当に存在している世界だよ。うは。今、悲壮感に暮れたでしょ、ダサッ(笑)」
ここに来てから一番の笑顔で膝を叩きながら笑う姿に俺はイラッとしつつも疑問を女神様に聞く。
「でもそれだとおかしいですよね。この魔導戦闘列車エルダートレインに付いている”第一発見者ケンタロウ”のプレートがついているんですけど。これ俺のことですよね?」
これは俺がエルダートレインでこの列車を最初に発見したときについたものだ。つまりこれはゲームだという証明なのだ。
女神様は口笛を吹いてそっぽを向く。相変わらずの古典である。
「はぐらかさないでくださいよ」
「全部の神を解放したら教えてあげるわよ」
「ケチですね」
「女は秘密を持つ生き物なのよ」
うっふんとシナを作る女神様に俺はため息をつくと話を変えた。
「じゃあ最後に、あなたの本体はどのくらいの大きさなんですか?」
「本当に確信をつくわね、でもレディーに体重聞くなんて失礼よ」
「すみません」
まあ、体重は聞いてないんだけどスリーサイズは聞いても良いのかな?
目測ではB:120、W:60、H110の超豊満ボディーだ。
とりあえず、女神様のありがたい踵落としをもらい正座をしていると本体のことを話し出す。
「体重は知らないけど、取り合えず全長10Kmはあるわよ。でも安心して良いわよ、この世界にはコアである私しか入れないから」
「そうですか、それを聞いて安心しました」
「安心するのは勝手だけど。私このままでもすごいんです」
「分かってますよ、それで神を解放後すぐに世界大戦が起こすんですか?」
「私は優しいから1年間猶予あげるわよ」
「……そうですか。分かりました。しかし、女神様は余裕ですね」
「だって運命は決まっているもの。あなたがいくら頑張っても駄目なものは駄目なのよ。私はあなたには殺されない」
「運命なんて糞喰らえですよ。俺はみんなを助けますから。なんなら女神様も助けますよ」
「……期待してるわよ、健太郎」
「でも、なんで俺だったんです?」
「さっき自分で言ったじゃない。それよ、それ」
女神様は壊れた魔導戦闘列車のプレートをチョンチョンと叩く。
「そのプレートが何か意味があるんですか?」
「魔導戦闘列車は誰にも見つけられないはずだったのよ。その見つけられないものを見つけたあなたなら、なにかしてくれると思うじゃない?」
つまりあり得ない何かをすれば、この世界を救えると言うことだろうか?
「分かりました女神様、俺は俺の考えで動く。だからもうあなたの助力はいらない」
「そう、なら今から私たちは敵同士ね」
「ははは、女神様は馬鹿だな俺があなたの敵になるわけ無いでしょ」
だいたい女神様を倒したら大事な大事なおっぱい枠が一人減るでしょうが。
「は?」
「俺はあなたを倒さない」
押し倒すかもしれないが。
「倒さなければ世界は滅ぶわよ? ちなみに押し倒したら絶対に滅ぼすわよ」
これだけわかり会える俺たちが押し倒すくらいで世界を滅ぼすなど笑止千万。
ならば逆に押し倒しても良いんだよ?
「滅ばないよ、俺がそう決めた」
「私も倒さないのに世界も救う? そんなことできるわけ無いじゃない」
「できる! 俺に二言はない」
「ふふふ、良いわ。ならやってみなさいよ、私は全力であなたの大切な人や、この世界を破壊するわ。それでもそんな甘い考えでいられるか見ものね」
「みんなは絶対に守って見せますよ」
「なら、もう話し合い必要は無いわね。やることをやるだけよ。その日が来るのを楽しみにしてるわね」
「そういうことですね、精霊龍デルス・マグラ様」
俺たちは拳を合わせニヤリと笑った。
「犬! このチキン野郎!!」
シンミアが伊四百型から這い出てツルンツルンと転がって来る。
ワックスの解放技を使ったから当分まともに歩けないはずなんだけど、武闘家だから皆よりも体幹が発達しているようだ。
「邪魔物は消えるとするわ。じゃあね健太郎」
「またな、デルス・マグラ様」
女神様はまるで煙を掻き消すようにその場からいなくなった。
剣は刀身の半分以上が俺の身体を貫いていて完全に致命傷だ。今さら回復薬(中)+を飲んでも間に合わない。
だいたい女神様がそれを許さないだろう。
「あなたを殺したのに、私を女神様と呼んでくれるのですね」
女神様は慈愛の目で俺を見る。さすがに今度は復活させてはもらえないだろう。
できればみんなと幸せな家庭を築きたかった。
刺された六本の内の二本が緑色と黄色に変わると六本の剣はそのまま俺の身体に吸い込まれた。
「あれ?」
「プッ、”うぐっ”だって、”この世界を許してください”って超恥ずかしいんですけど」
俺の身体を貫いた剣はすべて俺の身体に吸収され消え去った。身体を触ってみても傷一つ無い。
馬鹿にされて思い出すと痛みも、刺された感触もなかった。思い込みって恐ろしい。
「死んだと思った? 残念でした死んでません。ねぇ、死んだと思って格好つけたのに死んでないってどんな気持ち? ねえ、どんな気持ち?」
相変わらず糞ウザいな女神様。いい加減その口に俺の如意棒を突っ込んで黙らせてやりたい。
あ、如意棒って女神様からもらった木の棒のことです。
「……はいはい、分かりました。どうせおっさんなんだから格好つかないですよ。それでなんの用ですか女神様」
女神様は少しイラッとした表情で俺の股の間に丸太をドスンと落とすと、これをお前に入れてやろうかと眼光鋭く言うので取り合えず土下座です。
「まあいいわ、予定ではリュミエールに殺されて天界で会うはずだったんだけど、死ななかったから直接会いに来たのよ」
やっぱり、あれは殺す気満々だったのか。光は復活させる気がないから、接触したときのためのセーフティの為に脳改造させたんだな。
「て言うか普通にこの世界に来れるんですね」
「当たり前じゃない、この世界を誰が支配してると思っているのよ」
「で、なんですか、さっきの六本の剣」
「神達の元の身体で作った剣よ。あなたの身体に同化させたから、今いる神達と繋がりが強くなったはずよ」
確かになぜかシンミアとスヴィニヤーを近くに感じる。って神様の身体を六人分って――。
「質量とかどうなっとんねん!」
「さぁ?」
自分でやったのにとぼけて首を傾げる女神様に俺は力までくれて何がしたいのかを問いただす。
もちろん素直に教えないのが女神様だ。
「それは自分で答えをだしなさいよ。なんでも聞いてちゃ馬鹿になっちゃうわよ」
そう言うと腰に手を当て人差し指で俺の鼻をチョンと触る。何あざといポーズとってんですか。そんなことしても許しませんよ。
「まあ、この神の剣を俺に寄越した時点で何となくは分かりましたよ。女神様の思惑と俺が思い違いをしてたって言うこともね」
『魔改造が最終解放されました』
目の前に急に表示が現れ消える。
「ん? なにこれ」
「魔改造はちゃんと解放してなかったのよ、見てみなさい」
俺は言われた通り木の棒を道具に変え、魔改造の項目を見てみた。
◎魔改造
・ミキシングビルド
『複数のモノを組み合わせて、一つの作品を作る』
「なるほど魔改造と言うわりには外見が変わらないからおかしいとは思っていたんですよ。女神様特有のボケかなと」
何せこの女神様はスキルをレベルと等価で換算する女神様だからね。
「そうね、私はボケているものね」
そう言って俺を笑う表情は明らかにわざとよと言うような顔つきだった。
「ねえ、健太郎。あなたはこの世界が好き?」
突然真剣な表情で答えが決まりきったことを女神様は俺に聞く。
「ええ、大好きですよ。恩があるあなたと敵対しても守るくらいに」
「そう、なら良かったわ」
その時の笑みは先程までのからかう表情とは違い、まるで子供に向ける慈愛の表情を俺に見せた。
「女神様、最初の世界はゲームの世界でしたよね? ならこの世界は――」
「感の良い坊やは嫌いだよ」
「やっぱりデジタルな世界なんですか……」
「え? 違うけど? 本当に存在している世界だよ。うは。今、悲壮感に暮れたでしょ、ダサッ(笑)」
ここに来てから一番の笑顔で膝を叩きながら笑う姿に俺はイラッとしつつも疑問を女神様に聞く。
「でもそれだとおかしいですよね。この魔導戦闘列車エルダートレインに付いている”第一発見者ケンタロウ”のプレートがついているんですけど。これ俺のことですよね?」
これは俺がエルダートレインでこの列車を最初に発見したときについたものだ。つまりこれはゲームだという証明なのだ。
女神様は口笛を吹いてそっぽを向く。相変わらずの古典である。
「はぐらかさないでくださいよ」
「全部の神を解放したら教えてあげるわよ」
「ケチですね」
「女は秘密を持つ生き物なのよ」
うっふんとシナを作る女神様に俺はため息をつくと話を変えた。
「じゃあ最後に、あなたの本体はどのくらいの大きさなんですか?」
「本当に確信をつくわね、でもレディーに体重聞くなんて失礼よ」
「すみません」
まあ、体重は聞いてないんだけどスリーサイズは聞いても良いのかな?
目測ではB:120、W:60、H110の超豊満ボディーだ。
とりあえず、女神様のありがたい踵落としをもらい正座をしていると本体のことを話し出す。
「体重は知らないけど、取り合えず全長10Kmはあるわよ。でも安心して良いわよ、この世界にはコアである私しか入れないから」
「そうですか、それを聞いて安心しました」
「安心するのは勝手だけど。私このままでもすごいんです」
「分かってますよ、それで神を解放後すぐに世界大戦が起こすんですか?」
「私は優しいから1年間猶予あげるわよ」
「……そうですか。分かりました。しかし、女神様は余裕ですね」
「だって運命は決まっているもの。あなたがいくら頑張っても駄目なものは駄目なのよ。私はあなたには殺されない」
「運命なんて糞喰らえですよ。俺はみんなを助けますから。なんなら女神様も助けますよ」
「……期待してるわよ、健太郎」
「でも、なんで俺だったんです?」
「さっき自分で言ったじゃない。それよ、それ」
女神様は壊れた魔導戦闘列車のプレートをチョンチョンと叩く。
「そのプレートが何か意味があるんですか?」
「魔導戦闘列車は誰にも見つけられないはずだったのよ。その見つけられないものを見つけたあなたなら、なにかしてくれると思うじゃない?」
つまりあり得ない何かをすれば、この世界を救えると言うことだろうか?
「分かりました女神様、俺は俺の考えで動く。だからもうあなたの助力はいらない」
「そう、なら今から私たちは敵同士ね」
「ははは、女神様は馬鹿だな俺があなたの敵になるわけ無いでしょ」
だいたい女神様を倒したら大事な大事なおっぱい枠が一人減るでしょうが。
「は?」
「俺はあなたを倒さない」
押し倒すかもしれないが。
「倒さなければ世界は滅ぶわよ? ちなみに押し倒したら絶対に滅ぼすわよ」
これだけわかり会える俺たちが押し倒すくらいで世界を滅ぼすなど笑止千万。
ならば逆に押し倒しても良いんだよ?
「滅ばないよ、俺がそう決めた」
「私も倒さないのに世界も救う? そんなことできるわけ無いじゃない」
「できる! 俺に二言はない」
「ふふふ、良いわ。ならやってみなさいよ、私は全力であなたの大切な人や、この世界を破壊するわ。それでもそんな甘い考えでいられるか見ものね」
「みんなは絶対に守って見せますよ」
「なら、もう話し合い必要は無いわね。やることをやるだけよ。その日が来るのを楽しみにしてるわね」
「そういうことですね、精霊龍デルス・マグラ様」
俺たちは拳を合わせニヤリと笑った。
「犬! このチキン野郎!!」
シンミアが伊四百型から這い出てツルンツルンと転がって来る。
ワックスの解放技を使ったから当分まともに歩けないはずなんだけど、武闘家だから皆よりも体幹が発達しているようだ。
「邪魔物は消えるとするわ。じゃあね健太郎」
「またな、デルス・マグラ様」
女神様はまるで煙を掻き消すようにその場からいなくなった。
応援ありがとうございます!
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