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ダイバー編
八話 ノラの集い
しおりを挟む私が、アリア・レイナルドになってから2年の時が経った。
私の朝はまずメイネとネテル、二人の妹を起こしてから市場へ向かうことから始まる。
朝食に使う野菜と果物を買い、家に帰ると丁度二人が着替えを済ませて部屋から出てくる。
挨拶もそこそこに、二人は私が作ったご飯に手をつける。
「アリアお姉ちゃん美味しいよこれ」
「そうだね、アリア姉さんのご飯は最高だよ」
その言葉が今一番うれしい、食事を済ませた二人は学校へと向かう。
二人が通っているのは、メイドの育成学校で将来的には貴族か王様の下で働けるように勉強している。
二人の兄で私の義理の兄でもあるカイネル兄さんいわく、働くにしろ嫁ぐにしろ将来的にメイドを目指した方がいい、とのことで二人は毎日学校に通っている。
兄さんは、私も学校へ通うように言われたけど、どうしても働きたくて、今はとあるギルドで庶務として働いている。
「二人とも気をつけて行ってらっしゃい」
二人は兄さんに似て栗色の髪に淡い朱色の瞳。メイネが12歳でネテルが9歳の姉妹、私が15で少し年上だから彼女たちは姉のように慕ってくれる。いや、事実姉なのです。
兄さんはほとんど家には顔を出さない。それでも二人は、さびしいだとかは絶対に口にしない。二人の母が亡くなった時も、泣くのを我慢していたそうだ。
でも、兄さんの前では我慢できずに大きな声を上げて泣いたのだそうだ。二人にとって兄さんは唯一心を休める存在で、普段の強がりも兄さんの前では見せない。
兄さんがたまに帰ってこようものなら、ご馳走を私にねだり兄さんに買ってもらったお気に入りの服を着て食事をする。学校でのことや近所の話をする光景は、本当に見ていて幸せを感じずにはいられない。
兄さんが再び街へ向かうとなると、全員で抱き合って見送る。その時ほど、咽から行かないでと言いたいと思うことはない。私もメイネもネテルも、大事な人を亡くしているためか、もしを考えるとその時間が一番辛い。
妹たちを見送った後、農地に近い自宅から少し離れたタワー近くにある仕事場へと行く。
仕事場に着くとまず看板を外に出すんだけど、その看板には、ギルド【ノラの集い】依頼受けますと書いてある。
名前の通り、このギルドはノラたちが集まって依頼をこなしたり、日々のダンジョン探索で得た素材を買い取ってもらってる道具屋【チカミチ】へ売ったりして、その収益で経営をしている。
ギルドに入ることの利点として、病気や怪我のさいに保障が出ること、自身が得た利益とは別途給与が毎月支払われること、最後に万が一命を失った時、残された家族が自立できるまでのサポートと金銭面の救済である。
つまり、ギルドに入れば得することばかりなのだ。でも、ギルドに入れない場合もある。
それは、ギルドやギルドのメンバーに不利益になるようなことをする可能性がある人物は、査定段階でお断りする決まりがある。
ノラダイバーなら基本誰でも歓迎するこのギルドも、過去に何人かお断りしている。
例を挙げるなら、お断りした過去のダイバーには、酒や博打で日々を過ごす男がいて、勿論、問答無用で追い返しました。
「おはようアリアちゃん」
「あ!おはよう御座います!レイフさん!」
レイフ・ラドクロスさんは、このギルドのサブマスターです。
彼は元ダイバーで、過去に足を痛めたために引退して、前のギルドを抜けることになてしまい、そんな時に、ノラの集いのマスターからサブマスターにと誘われたのだそうです。
赤色の髪とメガネが特徴の渋いおじさんなのです。
「あのレイフさん、ギルマスは今度いつ帰ってくるんですか?」
私はまだこのギルドのマスターに会ったことが無い。他のメンバーは日に一度はギルドに顔を出すけど、ギルマス……ワールドさんは一度も顔を出したことがない。
ワールド、世界という意味を持つ古代語を名前に持つギルマスは、ここ数年でこの国の有名人になった。
「さ~どうだろうな、あいつは……ほら、忙しい身だからな、そのうち会えるさ」
ギルマスが有名になった理由は、道具屋【チカミチ】で販売しているとある道具が深く関係している。
ワールドマップ、タワーの一層一層を正確に精密に魔法の紙に書き記して、モンスターの生息地や危険区域をも記載された完全なダンジョンの地図。
そのマップをチカミチの主人であるベルギットさんと契約して、売り上げの半分をノラの集いの収益にしてもらっているのだ。
その結果、徐々にダイバーたちにそのマップのよさが広まり、二十階層までのマップは安価に販売されていて、四十階層まではそこそこの値段なり、そして四十一階層から今到達している最高地点の四十七階層にもなると個人では購入できない値段が付けられていて、それこそギルド規模で購入することぐらいしかできない。
それでも、今までに3枚が売却されていることから、やはり一級の道具なのだと証明している。そして、そのワールドマップが兄さんがワールドさんの手伝いをしている証拠で、以前兄さんの部屋で見た地図と、殆どが一緒だと私には分かってしまう。
それはともかく、チカミチも、もとは酒場から雑貨屋に鞍替えして伸び悩んではいたらしいのですが、今では幅広い事業を展開している。
ちなみに、ベルギットさんはお胸の大きな美人のお姉さんで、口癖が『テメー』というちょっと男勝りな人です。
時々酒に酔って、カイネルはいるか!って顔を出すんだけど、その度に兄さんはいないのでなんだ……いないのかい、と言って寂しそうに帰って行く。
「おはようさん!アリア!サブマス!」
ギルドに駆け足で入って来たのは、ノラの集いのメンバーのレミーナさん。
彼女はレッドスキル持ちのダイバーで、ワールドさんに憧れてこのギルドに入ったらしい。
「ね!ね!ギルマスは?ワールド様は?」
「残念ですが今日も不在なんですよ」
「え~そっか~残念やわ~……アリアのお兄さんは?」
兄さんもこのギルドのメンバーで、創設時のメンバーでギルマスに次ぐ稼ぎ頭だったりします。
「明後日には一度帰ると言ってましたけど」
「カイネル先輩もよくやるわぁ、半月は帰ってこないやろぉ?そんなに稼いでどこに出費があるのやらぁ」
「うちは妹たちが学校に通っているので、その分兄さんは忙しいんですよ」
3児のパパかいなぁと言うと、レミーナさんはギルドの掲示板に張られた紙を品定めし、一枚選び、それを手に取りレイフさんに渡した。
「ハレネルノの蜜を一と半ガルン(kg)をチカミチに納品するクエストか……よし!行ってこいレミーナ!」
「行ってきま~」
ギルドのノルマは1日1クエストで、それさえ達成できれば月末に給金が別途支給される。
私やレイフさんのような一般職は固定給が毎月支払われ、ダイバーの補助として担当したクエストの数に応じて、さらにボーナスも加算されるので、最近では街一番の優良ギルドとして有名なのだ。
私の担当は兄さん……と言いたいところですが、残念ながら兄さんの担当はシアさんという人でサブマスターのレイフさんの奥さんで、足の悪いレイフさんの代わりに遠出や資材の調達をしている働き者の笑顔の絶えない良い人です。
私もいつかは旦那様に尽くすカワイイ奥さんになれるといいな、なんて思ってしまいます。
「おはようございます!」
突然大声で入って来たのは、緑の髪に黄色い瞳の若い女性。彼女の名前はメイシャ・カロフッツォ、先日新しくメンバーになったこのギルドのダイバーです。
「おはよう御座いますメイシャさん」
彼女は現在27歳で、ついこの前まで農夫の旦那さんを支える奥さんだったのですが、旦那さんが病気を患って働いていくことが困難になったため、自ら働き口を探して結局はダイバーしかなれなかったんですが、スキル鑑定時にレッドスキル持ちというのが分かって色々なギルドに断られて、行き着いたのがこのギルドだったそうです。
メイシャさんは緊張しながら掲示板の前まで行くと、緑色の紙をジッと見つめてその中の一つを手に取り私に近づいてきた。
「今日もこれをお願いします」
彼女の担当は新米の私で、お互いにぎこちないながらも日々精進しています。
「第一階層の調査ですね、わかりました」
この緑のクエストは初心者クエストというレベルの低いダイバー専用で、調査とは名ばかりのレベリングクエストです。
一般ギルドは初心者と経験者でパーティーを組ませてレベリングをしていけるのですが、レッドスキルを持っていると、下手にパーティーを組めないのでその対策としてこのクエストが考案されたのです。
ダイバーになったばかりのメイシャさんみたいな人が、困ることのないように設けられたクエスト。考案したのは、ギルドマスターのワールドさんと兄さんです。
コツコツこなせばレベルも上がるし、給金も貰える……本当に優良過ぎるギルドです。
でも、いつまでもは受けられないようになっていて、レベル10からは緑は選べなくなってしまうシステムにもなっているのです。
私がメイシャさんを送り出すと、入れ替わりでもう一人の新人メンバーが入ってきました。
「あ、あ、あの、おはよう……ございます」
セル・レッヘルトくんは15歳、私と同じ歳の新人ダイバーで、彼は少し変わった経歴を持っていて、ご両親はご健在で家柄は裕福、スキルも色付きではなく普通のギルドにも入れるのに、なぜかこのギルドに入っている。本当に不思議の一言である。
「おはよう、セルくん」
セルくんは、メイシャさんのように緑のクエストを掲示板から手に取って私に駆け寄ってくる。
「こ、これ」
「第一階層の調査ですね、わかりました。……?どうかしましたか?」
「あ、あの、い、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
まさに謎です。
とにかく他にもメンバーはいるんですが、とりあえず私が説明できるのはこれくらいです。
「ノラの集いは今日も営業中です。ご利用の際はギルド内レイフまで連絡下さい!」
街の西側にあるもっとも大きな建物、その一番上に金色に光るヘレス鉱石で作られた鐘が正午を報せる。
この時間は、私にとって一日で一番忙しい時間です。
タワーの地上階層でチカミチの出店の売り子としてのクエストをするからなのですが、昼食時に販売される『チカミチ特製サンド』なる商品が、今大流行していて、お店は猫の手も借りたいほどに忙しくて。
「特サンミックス、三人前です!」
「特サンチキン、十人前追加です!」
「特サンスペシャルは完売しました!完売ありがとう御座います!」
出店の前は人ごみができて、列を整理する人たちは大変苦労している。
私は注文を受けて商品を品出しの人から受け取って、客に渡すという作業を担当していて、同じく右側の売り子を担当しているチカミチのサーチェさんは、私が一人担当する間に二人の客を担当し終えているというまさに売り子のエースです。
それでも私は早く客を捌いている方で、ただサーチェさんが異常な早さなだけなのです。
約二十分という早さで2000個が完売してしまうのですが、その理由がダイバーだけでなく一般の人も買いにくるからで。
以前の地上階層はダイバーと軽食の出店が少しと、ブラックスミスの出店だけが立ち入ることのできる場所だったらしいのですが、その雰囲気を破壊したのがチカミチの『チカミチ特製サンド』の販売で、一般の人も気軽にタワーへと入るようになって、噂では王族の方も何度かお忍びで購入しに来たそうです。
その人気の秘密は秘伝のタレで、それ作った人こそベルギットさん。
チカミチの女主人で元々酒場で手料理を振舞っていた彼女は、実は自家製のタレを前々から作っていて、一人のダイバーがそれを使った手製のサンドを口にして絶賛し、タワーの中で販売してはと持ちかけた。そのダイバーこそ、ノラの集いに入る前のカイネル兄さん。
そういった経緯で、タワーの地上階層で出店をしたところ、これが大盛況。チカミチの知名度は一気に広まり、以前からワールド氏の『ワールドマップ』を販売していたこともあって、その知名度は国中に及んだのでした。
それ以来、ベルギットさんは、ワールドさんや兄さんを信頼と尊敬していてノラの集いをサポートしている。
これは近しい人は誰でも知っていることなのですが、彼女は実は一途にワールドさんに片思いしていて、彼女を嫁にしようと言い寄る男の人を片っ端から断っているのだそうです。
最初は兄さんに気があるのだと思っていた私も、最近ではその噂の方を信じるようになってます。
ワールドさんは周りの女性に好かれる人で、それが私にとってはありがたいことです。
なぜなら、私は兄さんが女の人から言い寄られたりするのを見たことが無く、それがワールドさんが女性から好意を持たれすぎる所為であるのは間違いなくて、本当なら兄さんももっと女性に言い寄られてもおかしくは無いのですが、私的には本当に助かっています。
「チカミチ特製サンド、全種完売いたしました!お買い上げできなかった方はまた明日来てください!」
チカミチの売り子のクエストを終えると、しばし昼食の時間です。ベルギットさんが店員さんと私たちのために手製でお昼を運んできてくれます。
「てめぇーら!今日もお疲れ!あたしの手作りサンド食っていきな!」
号令のような掛け声に私たちが返事をすると、ベルギットさんは笑顔で「うまいか?」と聞いてくる。勿論口を揃えて「うまい」と言う。
そうかそうかと、ベルギットさんは満足げな顔で自らも食しだす。
地上階層で食事をしていると、やはり気になるのは左右に分かれた階段と明らかに右寄りなブラックスミスの店。
一般のギルドは右の階段、ノラは左の階段という決まりのようなものがあり、誰もがそれを忠実に守っている。でも、それが互いに楽なのだから構わないのですが、なんだかちょっと寂しい気もしているんです。
「どうかしたの?武器屋なんか眺めて」
唐突に話しかけてきたのは、金髪に金色の瞳の女性。
「エリカさん……」
エリカ・グレーゴル・アルバーさんという女性のブラックスミスさん。彼女はノラの集い専属のブラックスミス、と言いたいとこだけど。
「カイネルは?」
エリカさんは兄さんの専属ブラックスミスで、兄さんに近しい女性の中で唯一兄さんに好意を寄せている人なのです。
「兄さんはまだ暫く帰ってきませんよ」
「うん、知ってる」
ならなんで私に聞いたのか、そう言いたいけどグッと我慢する。
私にとってエリカさんは、いつも兄さんの話を義妹の私に自慢げに語る天敵に近い存在。
本音を言うと、『大』が付くほど苦手です。
「明後日帰ってくるんでしょ?装備の修復依頼入ってるから知ってるわよ」
じゃー何故聞くのか?
「心配じゃない?」
「え?」
「カイネル、なんか生き急いでる感じするじゃない?アリアちゃんも心配じゃないかなって」
確かに兄さんは頑張りすぎているな、と思わないでもない。ノラで数週間もタワーに上ったっきりで降りてこないこともある。
兄さんがワールドさんのお手伝いをしていると言う噂は有名だし。
「私的にはカイネルは将来の旦那様だから、心配するのは妻として当然なんだけどね」
「!?妻って!」
この人が、冗談ではなく本気でそう言っていることを私は直感で分かってしまう。
兄さんとエリカさんの間に昔なにがあったのかを私は知らないけど、多分決定的な何かがあったんだと思う。
「おっと、客が来たようだから戻るわ」
この人はこう見えて忙しい人で、何せアルバーといえば、ブラックスミスの中で唯一コトーデ王国から称号グレーゴルを与えられた家柄の血筋なんですから。
その手から作られる武器は、万物を斬り砕き貫き、その手から作られる防具は斬っても叩いても突いてもビクともしないと称されている。
しかし、ブラックスミスになる女性は本来少なく、それは力が弱いからで、鉱石を叩いて精錬するブラックスミスにとって、それが決定的に良し悪しを決めることがあるから。
そんな世界の中でさらにその頂点のアルバー家の中でも、彼女は随一のブラックスミスと世間では言われている。
引く手数多のエリカさんが、ワールドさんならともかく、兄さんの専属として働いている時点でその本気度が窺えて本当に。
「油断できません……ムム~」
夕方を報せる鐘の音が、耳の奥まで響いてくる。
「お疲れ様でした」
「お疲れ、アリアちゃん」
レイフさんに挨拶をすませ、夕飯の買い物をしてから家に帰る道すがら、空を見上げると数千というタコが空に広がる光景は、何度見ても見とれてしまう。
哀しいかな、そこにいないと分かっている姿を探してしまう。
家路の途中でメイドの学校からの帰りらしき子どもたちとすれ違い、妹たちも帰っている頃だろうと歩幅を大きくする。私の暮す家の場所は学校からは一番遠い。
メイネとネテルは、毎朝毎夕その道のりを足をだるくしながら通っているので、食事だけはちゃんとした物を食べさせなければと思考を凝らしている。元々は馬車を出してくれていたけど、二人がそれを断ったことから自業自得と言えばそうなんだけど、そっちの方が兄さんの負担が軽く済むと考えた結果の行動だから応援したい。
家に帰り着き、玄関を開けて目にしたその光景は、驚きとしか言い表せないものだった。
「どうしたの二人とも!?そんな泥だらけで!」
着ている制服や髪まで泥だらけ、よく見ると所々すり傷もある。
「あ、お帰りなさいアリアお姉ちゃん」
「そんなことより何があったの?転んだの?それとも落ちたの?」
「……えっと」
答えづらそうにメイネがしていると、ネテルがこちらに駆け寄ってくる。
「ごめんなさいアリアお姉ちゃん、私がいけないの。カイネル兄ちゃんを馬鹿にした男の子とケンカになって」
「……なんだケンカか~……って!ケンカなんかしちゃダメじゃないの」
「ネテルは悪くないよ、あいつ等が先に兄さんの悪口言ったから、ネテルが引っ叩かなかったら私がやってたもの、ま、結局私もぶったりしたけど」
「……確かに兄さんが悪く言われたのなら私だって怒るけど……暴力はダメよ、兄さんも暴力で何も解決しないって言っていたじゃない」
「でも兄ちゃんなら、ネテルを泣かせた報いをってぶっ飛ばしに行くと思うけどな」
それは……そう思わなくも無い。
兄さんは優しい人だけど、家族が傷つけられると豹変してしまうことがあるのです。
あれはメイネが学校に行き始めた頃。
当時まだ私は兄さんの妹になって間もなかった。メイネをメイド学校に通わせる為に兄さんは事前に数百万ギリーを学校に寄付したり、メイネが通える環境作りをしていた。
今でこそ学校に普通に通っているメイネも、当時はいじめという大きな壁が立ち塞がっていた。しかし、兄さんに心配させまいと、メイネは誰にもそれを打ち明けずにいました。
しかし、ある日兄さんに買って貰った真新しい靴を学校に履いていったメイネは、帰ってきた時に裸足で、私が詳しく事情を聞いてみるとようやくメイネの口から、いじめを受けている事実が分かった。
それを知った兄さんは数日が経った頃、学校の授業参観という形で親たちも学校にいる時に学校の理事長が全体集会を急遽開いて、理事長の隣に立っていました。
理事長が学校の変化を伝えて、それが兄さんの援助金のおかげであると聞いた時は、正直私も驚きました。
そういえば、メイネのいじめの件は、兄さんが壇上で雄弁に語った後の言葉が解決に繋がったのですが。
『早めに返した方が身のためだ。でないと、後悔することになる』
私も感じたその殺気を身に受けるのは生まれて初めてだったんですが、その直後すぐにメイネの靴は手紙とともに戻ってきて、御詫びの言葉が書かれていました。
余談ですが、兄さんの壇上からの殺気を受けた数名の生徒が兄さんに恋をしてしまったらしく、それは今もメイネの同級生に根強く残っているようです。
「またいじめられたとかじゃないのね?」
「違うよ、男の子だって言ったよ」
「なんかギルドに入ってるお父さんが、ノラのダイバーの悪口言ってたって言ってて、それで私のお兄ちゃんもギルドだよって言ったら、非ギルド教会の卑怯者だとか、臆病者だとか邪魔だとか言いだして」
「それでケンカになったの?本当にだめなんだから」
まったく、この子達は兄さんとたくましいところがそっくりなんだから。
兄さんに似て、本当に二人は兄妹なんだな。
「アリアお姉ちゃん、今の顔お兄ちゃんみたいだった」
「そうだね、今アリア姉さん兄さんみたいだったね」
「……本当?」
「多分私たちに似てきたんだよ」
そうか、血なんて繋がってなくたって、一緒に暮していれば似ていくんだ。
きっとそうならいいのにな。
兄さん、メイネとネテルは今日も元気いっぱいです。
それと、アリア・レイナルドも元気です。
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