イケメンが目当てですが、何か、問題でも?

紫宛

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本編

第7話 出発

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あれから、アーリアを迎えに行くための準備を手伝い、更に侍女の仕事を覚えさせられました。

勿論、元々の仕事もキチンとこなしましたよ!放っとくと直ぐ溜まるからね!

そして、今日!
アーリアヒロインを迎えに行く日!
ここから、馬車で2日ほどかかる距離だそうです。

私は王族であるレオン様と同じ馬車には乗れません。
あっ、でも、アーリアは聖女候補様なので、王族であるレオン様と同じ馬車に乗る事になります。

ルーファス様は、城でアーリアを迎え入れる為の準備と、持て成し※1の準備のため同行しませんでした。

護衛として、ジークベルト騎士団長とシルヴァン副団長が同行してます。
私は……下女ですが、今回は侍女として同行してます。その為、服が少し上質な物に変わりました。気心地がいいぃ~。

そんで周りから、嫉妬や妬みの視線を感じるけれど、それは無視する。
仕方ないじゃない、仕事を疎かにするからだもん。変われるなら変わりた……いや、ジークベルト様と一緒なら、変わりたくないわね。

あぁ、そうそう、私は徒歩での同行だよ。
私だけじゃなく、侍女や数人の騎士は徒歩での同行なんだよ。

馬車は、レオン様と聖女様だけ。
ジークベルト様やシルヴァン様は何かあっても良いように馬に騎乗してるけどね。

「よし、では出発!」
「はっ」

そろそろ行くみたいだね。
じゃ、行きますか!

「よっこいしょっと」

今回行くベン村は少し辺鄙な所にあるらしく、野宿が必須になるため荷物が多い。
まぁ、私は「力・大」のスキルのお陰で沢山の荷物を持ち運べるんだけど……今回の同行には、このスキルも影響してるらしく『便利だよね、どんなに重たくても、沢山あっても重さを感じないなんて』と、レオン様の嘘くさい笑顔で言われてしまった。

スキル(メインのみ)に関しては、最初に報告する義務があるため、隠す事が出来ないから仕方ないけど。レオン様には知られたくなかったよぉ。

「大丈夫か?」

すると、上から私を心配する声が掛けられ上向くと、ジークベルト様が心配そうに見下ろしていた。

「大丈夫ですよ」

慣れてますからね!

背中に背負子のような物を背負い、両手にさらに荷物を持つ。

あぁ、コレは虐めよ。
本来なら、私一人が持つような物じゃないからね。なのに、「あなた、スキル持ちなんですって?」「じゃ、これも持てるわよね?」とか言って、私に持たせた結果がコレだ。

この事は、ジークベルト様は勿論のこと、レオン王太子も知っているけどね!
あんた達、戻ってきたら罰が待ってるんだからね!たぶん!

そして一日の終わり、殿下は馬車の中で、私達はテントで就寝する事になった。
眠れなかった私は、テントを出て星空を見上げる。

明日は、とうとう聖女アーリアの覚醒イベントだ。「天翼と黒竜の花嫁」が始まる。

そうしたら、ジークベルト様もルーファス様も……アーリアの事を好きになる。
シルヴァン様もレオン様も……攻略対象はみんな。

ちょっと悲しい。

最初は、一目見れるだけで幸せだった。
毎日顔を合わせる事が嬉しかった。
シルヴァン様との会話も楽しかった…

もう来ないかな…そんな毎日は。


「眠れないのか?我々騎士が付いているとはいえ、夜中に女性一人は良くない」
「ジークベルト様にシルヴァン様?レオン様も……?」
「私達は、明日の事で少し話し合いをしてたんだよ」
「そうだったんですか、私は眠れなくて……」
「お前、そんな繊細だったか?」

ちょっ、失礼じゃありませんか?!
私だって感傷的になる事だってありますからね!

「シルヴァン様、酷くないですか?!それに被ってた猫はどうしたんですか!」
「はは、俺が女嫌いってバレてるみたいだし、言葉を変えんの面倒くさいんだよ」
「聖女様の前では、戻しなよ」
「分かってますよ」

3人と話していると、眠気が戻ってきた。小さく欠伸をすると、テントまで送ると言ってくれた。

「いえ、1人で大丈夫ですけど」
「ダメだよ。流石に女性を1人で帰せない」

こんな時ばかり紳士で譲らない。
腹黒だけど、やっぱり王子なんだなぁ。
だから、人気が出るんだよなぁ。

この人も、アーリアを好きになる。


よく知るラノベだと、ヒロインに落とされた攻略対象は国を傾けたりするけど……
この人なら、そんな事にはならない気がするなぁ。他の方達も……

うん。

アーリアが、誰を好きになっても応援する!
だって……アーリアは優しくて、強くて可愛くて、尊敬する女性だもん!

「レオン様、ジークベルト様、シルヴァン様、ありがとうございます!おやすみなさい!」
「「「おやすみ」」」




そして迎える、アーリア覚醒の時……

━━━━

※1
持て成し→客に対する扱い(ご馳走する歓待)
饗し→飲食を出して接待
「」
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