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第24話
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◆高梨百合恵 視点◆
ゴールデンウィーク以来となる久し振りの3連休の初日は、夫悠一さんの希望で川越にある春日の実家へ挨拶へ行くことになった。
埼玉で最寄り駅まで都内から電車1本で繋がっているとは言え、春日の家は駅からは遠く迎えに来てもらわないとならないくらいに不便な場所で、そのため余裕を持って到着時間の連絡をしていたが、お義母さんの車が迎えに来たのはわたし達が駅に着いてから30分以上も過ぎた頃だった。
猛暑で体力が奪われ意識が朦朧としてした中で聞かされたのは『テレビに見入って家を出るのが遅れた』とのこと。予報で最高気温が38℃の日に謝罪の言葉一つなく笑いながらテレビを見ていて待たせたと言うのだ。
悠一さんは笑って聞いているけど、わたしからしたら堪ったものではない。ただでさえ来たくない場所に連れて行かれるのに炎天下の中を30分以上も待たされて悪びれもしない。この時点で、気持ちのささくれ立ちはけっこうなものになっていた。
春日の家に着くと敷地の入口付近に見たくない車が駐まっていた・・・同じ様に連休を利用して義姉がこども達を連れて遊びに来ていたのだ。
義父母とお義兄さんだけでもしんどいのに、お義姉さんまでいるのは悪夢でしかない。
義姉一家は隣町の鶴ヶ島に住んでいてその距離の近さもあり小学生のこども達を連れてよく遊びに来ているのだけど、ご主人の隼人さんは滅多にこの家には来ないらしく、実際に顔を見るのは正月くらいだ。
その気持ちはよく分かる。わたしだってできることならこの家には近寄りたくない。
案の定、お義兄さんとお義姉さんのこども自慢から始まり『悠一のところも早く作れ』『こどもを作る気がないから百合恵さんは仕事を辞めないのでは?』などと口撃される。
悠一さんも含め5人からの波状攻撃に炎天下で弱っていたわたしは泣き出しそうだった。
いつもの事とは言え逃げ出したい気持ちしかないし、ここには敵しか居ないとしか思えない。
そんな心が折れそうな状況のわたしに向かって悠一さんが言ってきた。
「いい加減、音楽教師なんか辞めて家庭に専念しろよ。それが嫁の責任だろ?
そもそも音楽なんか何の役にも立たない遊びみたいなもんなんだから固執するなよ」
もう限界だった。わたしの人生を、人格を全否定されたようなものだった。
「そう仰るならもう結構です!無責任な女は責任を取って悠一さんとの婚姻を解消します!!」
そう言い放って、そのまま春日の家を出ていった。
都内と違いタクシーはあまり走っておらず、見掛けても乗客がいる賃走の車しかない。
しかたがないので、まずはコンビニか何かお店に入ってから心を落ち着けようとスマホの地図アプリを頼りに炎天下を歩き続けた。
メッセージアプリには引っ切り無しに悠一さんからのメッセージと電話の着信が届くが見る気も起きず、話を聞くきも起きずブロックした。
そうしたら次はお義母さんのスマホからメッセージと電話の着信がきたがこれもブロック・・・お義父さん、お義兄さん、お義姉さんと次々着信が来たが都度ブロックしていった。
川越は東京から近い有名な都市ではあるけど、街の中心地から離れれば商店もろくにない。
やっとたどり着いたコンビニで水を買って飲み、人心地着いてからこれからどうしようかと考えた。
今更春日の家に戻ることはありえない。
かと言って、今の状態で悠一さんと暮らしているマンションへ帰る気にもなれない。
1人で考えていてもどうにもならないと思い、一番の親友である赤堀みゆきに電話した。
幸いみゆきはすぐに出てくれて、夫の実家から逃げ出した話をすると『今日のところは泊めてあげるから、うちに来なさい』と言ってくれたので、みゆきに甘えることにした。
ゴールデンウィーク以来となる久し振りの3連休の初日は、夫悠一さんの希望で川越にある春日の実家へ挨拶へ行くことになった。
埼玉で最寄り駅まで都内から電車1本で繋がっているとは言え、春日の家は駅からは遠く迎えに来てもらわないとならないくらいに不便な場所で、そのため余裕を持って到着時間の連絡をしていたが、お義母さんの車が迎えに来たのはわたし達が駅に着いてから30分以上も過ぎた頃だった。
猛暑で体力が奪われ意識が朦朧としてした中で聞かされたのは『テレビに見入って家を出るのが遅れた』とのこと。予報で最高気温が38℃の日に謝罪の言葉一つなく笑いながらテレビを見ていて待たせたと言うのだ。
悠一さんは笑って聞いているけど、わたしからしたら堪ったものではない。ただでさえ来たくない場所に連れて行かれるのに炎天下の中を30分以上も待たされて悪びれもしない。この時点で、気持ちのささくれ立ちはけっこうなものになっていた。
春日の家に着くと敷地の入口付近に見たくない車が駐まっていた・・・同じ様に連休を利用して義姉がこども達を連れて遊びに来ていたのだ。
義父母とお義兄さんだけでもしんどいのに、お義姉さんまでいるのは悪夢でしかない。
義姉一家は隣町の鶴ヶ島に住んでいてその距離の近さもあり小学生のこども達を連れてよく遊びに来ているのだけど、ご主人の隼人さんは滅多にこの家には来ないらしく、実際に顔を見るのは正月くらいだ。
その気持ちはよく分かる。わたしだってできることならこの家には近寄りたくない。
案の定、お義兄さんとお義姉さんのこども自慢から始まり『悠一のところも早く作れ』『こどもを作る気がないから百合恵さんは仕事を辞めないのでは?』などと口撃される。
悠一さんも含め5人からの波状攻撃に炎天下で弱っていたわたしは泣き出しそうだった。
いつもの事とは言え逃げ出したい気持ちしかないし、ここには敵しか居ないとしか思えない。
そんな心が折れそうな状況のわたしに向かって悠一さんが言ってきた。
「いい加減、音楽教師なんか辞めて家庭に専念しろよ。それが嫁の責任だろ?
そもそも音楽なんか何の役にも立たない遊びみたいなもんなんだから固執するなよ」
もう限界だった。わたしの人生を、人格を全否定されたようなものだった。
「そう仰るならもう結構です!無責任な女は責任を取って悠一さんとの婚姻を解消します!!」
そう言い放って、そのまま春日の家を出ていった。
都内と違いタクシーはあまり走っておらず、見掛けても乗客がいる賃走の車しかない。
しかたがないので、まずはコンビニか何かお店に入ってから心を落ち着けようとスマホの地図アプリを頼りに炎天下を歩き続けた。
メッセージアプリには引っ切り無しに悠一さんからのメッセージと電話の着信が届くが見る気も起きず、話を聞くきも起きずブロックした。
そうしたら次はお義母さんのスマホからメッセージと電話の着信がきたがこれもブロック・・・お義父さん、お義兄さん、お義姉さんと次々着信が来たが都度ブロックしていった。
川越は東京から近い有名な都市ではあるけど、街の中心地から離れれば商店もろくにない。
やっとたどり着いたコンビニで水を買って飲み、人心地着いてからこれからどうしようかと考えた。
今更春日の家に戻ることはありえない。
かと言って、今の状態で悠一さんと暮らしているマンションへ帰る気にもなれない。
1人で考えていてもどうにもならないと思い、一番の親友である赤堀みゆきに電話した。
幸いみゆきはすぐに出てくれて、夫の実家から逃げ出した話をすると『今日のところは泊めてあげるから、うちに来なさい』と言ってくれたので、みゆきに甘えることにした。
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