学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

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第65話

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神坂冬樹かみさかふゆき 視点◆

「婆ちゃん、ごめん。待たせた?」


「なに言ってるんだい?
 まだ待ち合わせ時間になってないだろ?」


「でも、こっちからお願いして出てきてもらっているのに待たせるのは嫌だなって」


「ふふっ、相変わらず生真面目だね、冬樹は。
 そちらは美晴みはるさんだね。小さい時に会ったきりだけど、あたしのこと覚えているかしら?」


「ご無沙汰してます。ちゃんと覚えていますよ。
 それにしても昔と変わらずお元気そうですね」


「まぁ、元気だけが取り柄の年寄りだからね。
 それにしても、美晴さんは見違えるような美人さんになったねぇ。
 冬樹もこんな美人なお姉さんに面倒を見てもらえて幸せだろう」


「そ、それは、すごくありがたいと思っているよ。
 もちろん美人だと思っているけど、それ以上に今一緒にいて安心できるひとだよ」


「たしかに。夏菜かな春華はるかも悪いじゃないんだけど、軽率だったからねぇ」


「頭ではわかっているつもりなんだ。電話で話した通りハルが近くにいて身体が言う事を聞かなくなってさ」


「こころの問題はしょうがないからね」


「ところでお婆様、どうして最初から冬樹くんを信じてあげられたんですか?」


「別に最初から全部信じてたわけじゃないよ。
 とりあえず手を貸しながら裏取りをして、冬樹が正しいって行き着いたんだよ。
 部分的な情報だけで判断したら春華たちと変わらないだろ?カカッ」


「そうですね。でも、お婆様が手を差し伸べてくださっていたから今の程度で済んでいたのだと思うので感謝してます」


「なにいっているんだ。感謝してもし足りないのはあたしの方だよ。
 あたしの孫を支えてくれてありがとう。これからも面倒をかけると思うけど、よろしくお願いね」


「もちろんです。私にとって大事な男性ひとなので」


「そうかい、それは嬉しいねぇ」


「あっ、あのさ、こんなところで立ち話してても難だし、もう行かない?」


「おやおや、照れ隠しかい。まぁ、たしかにこんな暑いところで立ち話も難だね。じゃあ、いこうか」



興信所では元々身辺調査の依頼を検討していた鷺ノ宮さぎのみやの調査をできないかを相談し、更に周囲の関係者の依頼もできないかも合わせて行えないか尋ねてみた。

俺の冤罪に直接関わっていない人間を調査するのは探偵業法で認められた範囲から外れそうということで依頼を受けてもらえなかったが、鷺ノ宮の他に二之宮にのみやさんは直接俺に危害を加えた相手なので調査の対象にできると判断して良いだろうということで依頼した。

興信所での契約が終わったら近所のレストランで昼食を摂りつつ今後の方針の共有と転居に伴う協力をお願いして婆ちゃんに助けてもらう約束をしてもらえた。



「それじゃあ、婆ちゃん、また連絡するね」


「ああ、美晴さんも冬樹のことをよろしくね」


「はい!」



婆ちゃんと別れた後は今のマンションを購入した時に仲介をしてくれた不動産会社の営業所へ顔を出した。


「神坂様、ようこそいらっしゃいました。お住まいに何か問題でもございましたでしょうか?」


「こんにちは。マンションに問題はないのですけど、できるだけ早く引っ越したい状況になりまして、また仲介をお願いできないかとご相談させてもらいにきました」


「そうでございましたか・・・

 ・・・説明は以上になります。今回も精一杯お手伝いさせていただきますのでよろしくお願いいたします」


「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」



今のマンションの売却と新しいマンションの購入の仲介の依頼を行った。


「冬樹くん、ほんとにすごいね。大人の営業さんと具体的な話をできて。
 私は隣で聞いてても、意味がわからないことがたくさんあったよ」


「僕は2回目ですしね。前回はあれこれ補足説明をしてもらいながら話をしてましたよ」


「それにしたって、たぶん私は次に聞いてもわからないと思うよ」


「あと、自分のお金にかかわる話ですから、頭に残りやすいんですよ。
 ほら、誰だって損をしたくないじゃないですか」


「それもそう、今のところも安く買っていたと言っていたけど、次のところも相場より安く売り出してるってすごいよね」


「それは持ち主が売り急いでいたら早くお金を引き渡すことを条件に割引させやすいんですよ」


「言われてみればそうなんだなっていうのはわかるけど・・・」


「でも、ほんとラッキーでしたよ。今日の今日で内見できて、しかも条件にピッタリの物件が相場よりも安く買えるのは。
 美晴姉さんにも気に入ってもらえたみたいだし・・・」




興信所と不動産会社に行った日からは特に大きな動きもなかった。

学校は学費免除で籍だけ残してくれて登校しない分は進級に必要な授業時間が足りなくなるので、高卒認定試験の合格をもって充当させてくれるとのことだった。

正直どちらでも良かったけど、美晴姉さんから同じ秀優しゅうゆう高校の卒業生になって欲しそうな雰囲気を感じたのでその申し出の通りにすることにした。

新しいマンションへの引っ越しも問題なく終わり、俺の生活も落ち着いてきた。


近しい人では、高梨たかなし先生は旦那さんと一定の距離を置くことでなんとか生活を続けているとのことで、今のところ俺が手助けできることはなさそうだ。


家族や美波みなみは話を聞く限りでは特に変わりがないようだけど、間に入ってくれている美晴姉さんもメッセージでのやり取りだけなので詳しいことはわからないそうだ。


学校の他の生徒がどうなっているのかはほとんど知らないし、興味もない。





そして、世間がお盆の期間を終えてすぐのある日、興信所から連絡を受けた。
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