学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

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第73話

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岸元美晴きしもとみはる 視点◆

冬樹ふゆきくんに想いを伝えると決めた気持ちが怯んでしまう前に二人きりで話をしたいとお願いした。

そうしたら冬樹くんの部屋へ通された・・・この部屋で昨夜赤堀あかほりさんと交わった事を想像をし、同じ思いを繰り返したくないと気を引き締め直して言葉を紡いだ。


「あのね、冬樹くんにとっては唐突な話になると思うのだけど、私はずっと冬樹くんのことを異性として好きだったの。
 本当は冬樹くんがもっと安定して前の様に戻ってからとか思っていたけど、昨日の赤堀さんとの事を知って・・・
 できたら、冬樹くんとお付き合いを・・・したいです・・・」


「美晴姉さんがそんな風に思っていてくれたなんて思ってもみなかった事だけど、その気持ちはすごく嬉しいです。
 でも、今の俺は不安定な状態だし、美晴姉さんにはもっと相応ふさわしいひとがいる様に思う」


「そんなことないよ。私に世界一相応しいのは冬樹くんだよ。
 冬樹くんが嫌じゃなかったら付き合って欲しいな」


「嫌ではないですけど、美晴姉さんは本当に良いんですか?
 昨日の夜だってみゆきさんに誘われて・・・そのちゃった様なヤツですよ?」


「実は、昨日の赤堀さんが部屋に入ってからのやり取りの最初の方はドアの向こうで聞いていたんだ。
 それで冬樹くんが最初は断っていたのを知ってるし、冬樹くんは人からの頼みを聞いちゃう人の良さあるからそうなったと思ってるよ」


そう言いながら冬樹くんを抱きしめて耳元に口を近付けて囁いた。


「冬樹くんは二之宮にのみやさんや鷺ノ宮さぎのみやくん達のせいで心が傷付いちゃっているから今は不安定になってしまっていると考えてしまっていると思うけど、私から見たら全然そんなことないし、すごく優しい魅力的な人だよ。
 私はそれを知っているし、冬樹くんにもそれをちゃんと自覚して欲しいな」


冬樹くんは突然涙を流しはじめて言ってくれた。


「美晴姉さん、ありがとう。今は自分のことが全然わからないけど、美晴姉さんが俺のことを求めてくれるなら頑張るよ。
 俺の彼女になってください」


今度は私の目から涙が溢れてきた。


「うん、よろしくね」



そのまま冬樹くんにおねだりしてエッチをしてもらった。

1日前には想像もしてなかったことだけど、細マッチョでしっかりした身体つきの冬樹くんに抱きしめられている時間は多幸感しかなかった。


初めてだからだろうけど、すごく痛かったのもきっとよい思い出になるし、してみせる。



神坂かみさか冬樹 視点◆

美晴さん・・・恋人に『姉さん』は合わないからやめて欲しいと言われたのでこれからはこう呼ぶことにした・・・に異性として好きだから付き合って欲しいと言われ、即断に近い形で交際することにし、更には性交までしてしまった。美晴さんはそうするつもりでいたのか、避妊具を用意をしていて恥ずかしそうに差し出してきた時の表情が微笑ましかった。

ずっと、美波みなみのことが好きだったし、美波と付き合いたいと思っていたから美晴さんと付き合う事は考えたことがなかったけど、今では美波よりもずっとちゃんと俺のことを見てくれていた事を感じるし、その分は何倍にもして返していきたいと思うし、絶対に不幸になんてさせない様に頑張ろうと思う。

そうなるとやはり心の病気も早く治していきたいと思うし、家族や美波をいつまでも避け続けるわけにはいかないとも思う。


医師せんせいには無理や焦りは禁物と言われているけど、無理をしたくなるし焦りもする。定期的に通院しているけど、前倒して病院へ行って前へ進む手掛かりを掴みたいと思う。



◆赤堀みゆき 視点◆

一時の感情の暴走で冬樹に縋ってしまったのだからどれだけ罵られてもおかしくなかったのだけど、美晴ちゃんは私がしでかしてしまった事を思いのほかあっさりと許してくれた。美晴ちゃんは初対面の時から良いだと思っていたけど、その懐の広さは桁違いなようだ。


その美晴ちゃんは意を決して冬樹へ告白をして、無事に交際することになったようだ。

いくらドアを締めていても、物音ひとつ立っていないリビングに居たらふたりのやり取りは微かに聞こえてくる。そのまま勢いに任せて始めたようだけど、けっこう響くものなのね・・・昨日の私の愚行を思い出し、今更恥ずかしくなってきた。


それにしても、冬樹は押しに弱いわね。私が言えた義理じゃないけど、この先押しの強い女が冬樹を狙ってきたら美晴ちゃんは大変そうね。



◆神坂夏菜かな 視点◆

夏休みが終わり新学期が始まる日の朝、最近にしては珍しく美晴さんから電話をしたいので話せる時間を教えて欲しいというメッセージが届いていた。

先日鷺ノ宮のところへ行って話を聞いてきたのもあり、なにか新しい情報でも入ったのかもしれないと思い、学校の最寄り駅に着いてから一緒に登校していた春華はるかに断りを入れてから歩きながら電話を掛けたらすぐに出てくれた。


『もしもし、美晴です。わざわざ電話してくれてありがとう』


「いえ、それで何か問題でもあったのですか?」


『問題は起きてないけど、夏菜ちゃんに報告しておきたいことができたの』


「そうですか。とりあえず問題がないということでホッとしました。
 それで報告したいこととはなんですか?」


『私、冬樹くんとお付き合いすることになったの』


「え?」


『それでね。まだ美波には知られない方が良いと思うから美波には言わないで欲しいのと、美波に伝わらないようにするために春華ちゃんにもしばらく黙っていて欲しいの』


「たしかに、時期としてはその方が良いかもしれないですね。
 話はわかりました。今は登校途中なので、この件については落ち着いたら話しましょう。
 それでは失礼します」


『うん、それじゃあ、またよろしくね』


電話を切ったらさっそく春華が尋ねてきた。


「美晴お姉、なんだって?
 フユに何かあったわけではなさそうだけど・・・」


「が、学校の件だ。冬樹が実質上の退学をしているけど、一応籍を残してあるから登校するかもしれないし、その件を頼まれた」


「ふ~ん、そうなんだ。美波ちゃんはしばらく様子見で休むし、他にも退学者が多いからあのクラス大変だよね」


「そうだな。まったく、面倒なことをしてくれたよ、本当に」


春華と雑談を交わしながら思うのは冬樹のことだった。愚かなわたしのせいで苦しい思いをさせてしまった事は私の人生での最大の汚点で、何が何でもこれ以上冬樹を苦しめたくはないし、幸せにしたい。
結局は美晴さんに任せる事になってしまうけど、それを手助けしていきたい。
何かしてやれることがあれば良いのだが・・・



◆神坂春華 視点◆

お姉との電話で美晴お姉が言っていたこと、聞こえなかった振りをしたけどしっかり聞こえてた。

美晴お姉とフユが付き合い始めたらしい。たしかに、あたしと美波ちゃんはフユとは別の意味で双子のような関係でずっと美波ちゃんの恋を応援していたのは事実だし、あたしに知られたら美波ちゃんにも伝わってしまうと思ったのはしょうがないと思う。

でも、美波ちゃんはあっさり鷺ノ宮になびいたし、今では美晴お姉がフユを支えてくれると頼りにしてるし応援もしてるし、できることは少ないだろうけど、なんでもいいからお手伝いしたいなぁ。
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