学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
75 / 252

第75話

しおりを挟む
塚田智つかださとる 視点◆

岸元きしもとさんや二之宮にのみやさんのフォローについて、少しでも協力をお願いでき巻き込める先生がいないかと思い所属している委員会や部活を調べたら、ふたりとも高梨たかなし先生が顧問の法律研究部に所属していることがわかった。

正直なところ面倒な事になったと思っていたが、高梨先生に声を掛ける理由口実ができたのでその事については良かったと思いさっそく声を掛けてみることにした。


「高梨先生、少しよろしいですか?」


「えっと、大丈夫ですけど、なんでしょうか?」


「僕のクラスの岸元さんと二之宮さんについてで、ふたりとも例の事件の影響でしばらく休学することが決まっているのはご存知だと思いますが、状況が状況ですので学校として卒業までフォローする方針を言い渡されまして、彼女たちの所属する部の顧問の高梨先生にもご協力いただきたいなと思っている次第なのです」


「そういうことだったのですね。たしかに、彼女たちのフォローは必要ですよね。
 わかりました、そういうことでしたら何でも協力しますので、その時は言ってくださいね」


「ええ、ぜひともお願いします。
 差し当たってですが、彼女たちから何らかの相談を受けていたりしていますか?」


「今のところはないですけど、心配なのでわたしから聞いてみます。
 彼女たちが他の人には言わないで欲しいと言ってきたことはお伝えできませんけど、わかったことは共有しますね」


「ご迷惑おかけしますけど、よろしくお願いします」


僕と話しているあいだ高梨先生からはずっと険しい表情で見られていて、生徒想いだからだと思うには険しすぎて、何か気に触ることを言ってしまったのか不安になる。



赤堀あかほりみゆき 視点◆

既に実家よりも寛げる場所と化している冬樹の家のリビングで何となくテレビを眺めていたら見慣れない電話番号からの着信があった。


『あの、突然のお電話もうしわけありません。赤堀先生の携帯電話でよろしいでしょうか?』


「はい、私が赤堀です。」


『すみません、娘がお世話になっております渡辺わたなべです。
 先生が突然教室をお辞めになってしまった経緯を耳にして、三上みかみさんに無理を言って番号を教えてもらいました』


「そうでしたか。私としても不本意ではあったのですが、娘さんにはご迷惑をおかけすることになってしまって申し訳ございませんでした」


『いえ、先生こそ急に辞めさせられて大変だったと思います。
 実はお電話させていただいたのは、娘が赤堀先生からじゃないとピアノを教わりたくないと申しておりまして、先生がどこか別の教室で教えるようでしたらその教室まで通わせたく、図々しいことは承知で先生の再就職先を教えていただければと思ったからなのです』


「そんな、私なんかが良いなんて仰っていただけて光栄です。
 今のところは再就職の活動をしていなくてどうしようか悩んでいたところなんです」


『うちの我儘になりますけど、うちだけでなく鎌田かまたさんや吉田よしださんも先生が教えてくれるならそちらへ乗り換えたいと言っていますし、先生にはピアノの指導をするお仕事をして欲しいです』


「わかりました。ご期待に応えられるかわかりませんが、できるだけ近いところでピアノ教室ができる様に頑張ります」


『先生ならきっとすぐ採用されると思いますから楽しみにして待っていますね。
 突然不躾な電話をしてしまってすみませんでした。また決まったら連絡をいただければと思います』


「ええ、もちろん決まったらちゃんと連絡させてもらいます。
 今日はわざわざお電話をいただいてありがとうございました。また、よろしくお願いいたします」


渡辺さんからの電話を終えてスマホをテーブルへ置くと、冬樹ふゆきがティッシュ箱を差し出してきた。


「みゆきさん、涙を拭いてください」


言われて気が付いた。いつの間にか涙が流れていた。


「あのね、今の電話は辞めさせられた教室の教え子のお母さんで、私にピアノを教えてほしいって言ってくれてるんだって。
 受付事務の人に無理言って私の連絡先を聞き出してわざわざ電話をしてくれたんだって」


「良かったですね。みゆきさんを求めてくれる人がいて。
 こんなところでいじけている暇なんかないですよ」


「そうね。私が良いって言ってくれる生徒がいるんだから休んでいる場合じゃないわね」


「実際のところ再就職ってすぐできるものなんですか?」


「正直なところ難しいわね。業界が狭いし意外と横の繋がりもあるから噂とか流されるのよね」


「なら、みゆきさんが教室を開けば良いのではないですか?」


「う~ん、たしかにその方が早いかもしれないけどそんなお金はないわね」


「俺が出してもいいんですけど、みゆきさんはそれじゃ嫌ですよね?」


「そうね。さすがにそこまで冬樹に甘える訳にはいかないわよ。
 とりあえず、私の先生に相談してみるわ。
 もしかしたら働き口の紹介をしてくれたり、良いアイディアをもらえるかもしれないから」


「わかりました。でも、協力できることはさせてもらうので相談してくださいね」


「私も協力しますからね」


「冬樹も美晴みはるちゃんもありがとう。その時はよろしくね」


気持ちが萎えていたけど、渡辺さんからの電話で元気をもらえた。私が良いとお母さんに言ってくれた陽茉梨ひまりちゃんには感謝しなきゃ。



二之宮凪沙にのみやなぎさ 視点◆

学校は一学期のことがあるのでしばらく登校しないでも進級できるように出席日数については配慮してくれるということで、当分の間は登校しないことにしていた。

でも、監禁された件で家族にオジサン達とエッチをした見返りでお金をもらっていた事を知られたのもあり、家族と顔を合わせるのも気不味いので家にも居たくなかった。

何よりも冬樹に会いたい気持ちが募っているので、学校へ行っていた方がまだ良いのかもしれないと考えていたら、高梨先生から電話がかかってきた。


『こんばんは、高梨です。今お話して大丈夫でしょうか?』


「はい、大丈夫です。何の御用でしょうか?」


『二之宮さんが気に掛かっただけで特に何があるということはないのだけれど、困り事などないですか?』


「・・・そうですね、学校の様子が気になっています。特に神坂君の様子は気になります」


『冬・・・神坂君ですね』


今『冬樹』と言い掛けた!どういうこと!やっぱり関係がある!?


『知っていることと思いますが、神坂君は退学する意向ではあったのですが、学校の方で引き止めて籍だけはまだ残っている状態で、今後どうなるかわからないと言った感じです』


「そうなんですね。ありがとうございます。
 先生は神坂君と連絡を取っていたりしますか?」


『神坂君とは、二之宮さんの行方がわからなくなってた時に何か知らないかと聞いた時に連絡したきりで、それ以降は取っていないですよ』


「今後連絡をする予定はありますか?」


『予定はないですけど、何かあれば取るかもしれないですね』


「わかりました。何かわかったら私も知りたいですので、教えてもらえませんか?」


『プライベートなことはお話できないですけど、話せる範囲で良ければいいですよ』


「それで構いませんのでお願いします」


やはり引っかかりを覚えた。

通話を終えて、高梨先生とのやり取りを反芻して何かを隠しているような違和感があったので、直接会って確認しようと思った・・・やはり登校するしかないかもしれない?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...