学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
96 / 252

第96話

しおりを挟む
鷺ノ宮那奈さぎのみやなな 視点◆

「ちょっと!なんてことをするんですか!」


「那奈はこの男に無理やり腕を掴まれていたわけではないのか?」


「いててて。オレは何もしてないですよ」


風見かざみさん、すみません」


「えーと、(s)あなたが気にすることはないですよ、そちらの男性とはどの様なご関係なのですか?」


「・・・元婚約者です・・・」


「ああ、婚約者さんの腕を得体の知れない男が掴んでいたので引き離そうと殴ったんですね」


風見さんは義之さんの方を見ながら意図を問いただした。


「はい・・・すみませんでした。那奈の腕を掴まれているのを見てカッとなってしまいました」


「えーと、那奈さん?・・・は、『元』婚約者と仰っていますけど、違うのですか?」


「俺は破棄を認めていないので・・・まだ婚約者のつもりです」


義之よしゆきさんは風見さんへ言いながら私の方へも力強い視線を送ってきた。


「私の方に事情ができてしまい義両親ごりょうしんにも反対されてしまってたので、解消してもらったんです」


「だからっ!それは、説得するから待って欲しいと!
 で、失礼ですがあなたは那奈とどういったご関係で?」


義之さんに問われた風見さんは私の方を見て一言「オレは言ってもいいですよ」と言ってくれたので、私から答えた。


「新しい職場での常連のお客様です」


「そうです、です。ちなみに、さんのは今さっき初めて知りましたよ」


風見さんが言葉の端々に軽々しく個人情報を口にするなと釘を刺すように言葉を繋いでくれた。


「あっ・・・すまない、那・・・何と呼べば良いかな?」


「もう、風見さんの前では那奈で構いません。
 風見さんもここでは那奈と呼んでいただけませんか?」


「それは構いませんよ、那奈さん」


「すまない、那奈・・・」


「それでは、改めて風見さん、私のせいで殴られることになってしまい申し訳ありませんでした」


そう言いながら風見さんに向かって深く頭を下げた。


「それは俺が悪かった話で、那奈が謝ることではないだろう。
 風見さん、重ね重ねになりますが、本当に申し訳ありませんでした」


「いや、大丈夫ですよ。誤解させるような事をしていたオレも悪かったですし・・・」


義之さんが風見さんに謝罪をし終えたところで、義之さんに向かって話しかけた。


「私は風見さんとお話があるので、これで失礼しますね」


「ちょっと、待ってください。風見さん、連絡先を交換していただけませんか?
 このあと何かあったら対応させていただきたいので、そのために連絡が取れるようにさせてもらいたいのです」


「そんな、オレは大丈夫そうですし、義之さん?の、お気持ちだけで十分ですよ」


私が話を打ち切ろうとしたところで義之さんが話に割り込んで風見さんに対して今後のための連絡先を求めたけれども、風見さんはやんわりと角が立たないようにしつつ断りを入れた。


「そうですよね。見ず知らずの男となんか連絡先を交わしたくないですよね。
 風見さんは那奈とは連絡が取れるんですか?
 そうであれば、那奈を通して連絡をもらっても構わないのですが・・・」


義之さんは私の様子を伺いつつ風見さんへ提案してきた。


「那奈さんを巻き込むのは違うと思いますので、連絡先の交換をさせてもらいますね」


風見さんはそう言って義之さんとの連絡先交換を行い、それらが終わったのを見届けたところで再度切り出した。


「それでは、今度こそ失礼しますね。
 義之さんはもう二度と私の所へ来ないでください・・・よろしく、お願い、しま、す」


最後の方は気持ちが昂ぶってしまいうまく発音ができなかった。


「とりあえず、はこれで失礼するよ、那奈」


義之さんはそう言うと、もう一度風見さんへ深々と頭を下げてから去っていった。




義之さんの姿が離れていったのを見届けてから改めて風見さんへ声を掛けた。


「あの、風見さん。本当にお話をさせてもらいたい事があるのですけど、お時間をいただいても良いですか?」


「もちろん良いですよ!」


「それで、他の人に聞かれたくない話もあるのでカラオケが良いのですけど大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です!」




風見さんとふたりでカラオケ店に入り、飲み物の用意ができたところで話を切り出した。


「先程、風見さんへかかってきた電話の件なのですけど、あれは私に関係がある話ではありませんか?」


早桜さささんの質問なのでお答えしたいですけど、守秘義務というやつで何も言えないです」


「そうですか・・・そうですよね・・・
 ところで、風見さんは探偵さんなんですか?」


「申し訳ないですけど、それについても何も言えないです」


「知り合ったのは最近ですけど、風見さんの為人ひととなりを信じて伺いますね・・・
 風見さんの立場で私の為を考えて言えるアドバイスがあればなんでも言ってもらえませんか?」


質問をし始めてからずっと申し訳無さそうだった風見さん目が少し鋭くなって、雰囲気も変わった。


「そうですね・・・早桜さんが今の状況になることになった原因である弟さんと話をして、どれだけ信じられそうにない言い訳にしか聞こえない様な内容でも一旦ちゃんと聞き入れて、それが本当か嘘かの裏取りをしっかりした方が良いですね・・・」


風見さんが話してくれた事は本当は言ってはいけない事だろうと察せられるし、隆史たかしに聞けば何かしらの手掛かりを得られることを知っている事も・・・それ以上は野暮な詮索になるわね。



◆神坂冬樹ふゆき 視点◆

ハルから美晴みはるさんへ、ビデオチャットの日程で早く決めるようにと美波みなみから矢のような催促をされて困っているという話をされたので、3連休前の今夜やってしまおうということになった。


ハルが美波の事で困るとか、滅多にないんだけど大丈夫かなぁ・・・
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...