135 / 252
第135話
しおりを挟む
◆神坂冬樹 視点◆
美晴さんの行方を追って美晴さんの大学の最寄り駅のスマホの位置情報とされた場所まで着いたものの、特定された位置にはアパートがあり周辺は一軒家の戸建てがあるだけで取っ掛かりがない。
少し周辺を見て回っている間に岸元の小父さんと姉さんと母さんが到着し合流した。
「すみません、小父さん。こんな事になってしまって・・・」
「冬樹君は悪くないよ、自分が若い女だというのに脇が甘かった美晴が悪いんだ。
むしろ、飲み会から帰って来るのが遅いくらいで異変を察知し、知らせてくれたことに感謝してるよ」
「でも・・・僕がもっとちゃんとしてたら・・・」
「これ以上誰の責任だなんて言い合っても事態は良くならないし、今どうするかを話そう」
「はい、すみませんでした」
「冬樹、美晴さんの電話に謎の男が出て切られてから掛け直したのか?」
「切られてすぐに掛け直して電源が切られているのを確認してからは、姉さんに連絡してすぐにここへ移動していたから掛けていないよ」
「ならば、もう1回掛けてみないか?」
「そうだね。ダメ元で掛けてみるよ」
そう言いながら発信すると、呼び出しをし始めた。
「呼び出ししています!」
◆松本明良 視点◆
玲香とふたりで美晴さんを揺すったり呼び掛けて目を覚ましてもらうように努めたけど、残念ながら目を覚ますことはなく眠り続けている。
また、美晴さんのスマホはぼくのスマホと同じ規格の充電器が使えるものだったので充電をしながら再び電話がかかってくることを待っていたけど30分以上経ってもかかってこない。
ぼくが悪ノリをしたのが悪いのだけど、玲香も責任を感じてくれているようで美晴さんが目を覚まさないなら明日の用事で出掛けないといけない時間のギリギリまではぼくの部屋に居てくれると言ってくれた。
美晴さんがすぐに目を覚ましそうにないということで、玲香は泊まりの支度をするべく近くのコンビニまで買い物へ出掛けている。
正直なところ、玲香が居ない今は目を覚まさないで欲しいと思っている。コンビニまでは徒歩1分くらいで合計しても10分は掛からないはずなので現実的な願いだ。
だと言うのに、玲香が居ないこのタイミングで美晴さんのスマホが通話着信しバイブレーションで震えだした。
今度こそ真面目に対応しようと思いスマホを掴もうとしたら・・・人の手を掴んでいた・・・その手の主の顔を見ると顔面蒼白だった。
◆岸元美晴 視点◆
スマホが呼び出しのバイブレーションしている事に気付き、眠っていたところから意識が少しだけ戻ったものの朧気なまま震える音がするの方へ手を伸ばした。
スマホを掴もうとしたところでその手を掴まれた。掴んだ手の根元の本体を見ると、今日の飲み会で初めて言葉を交わした津島さんの友人のアキラくんこと松本明良だった。
更に意識が覚醒してくると服を着ていないことにも気付き事態を察する。
恐らく松本明良にお持ち帰りされてしまったのだろう・・・冬樹くんに対して申し訳ない気持ちが湧いてきて、それと同時にそんな隙を見せ付け入られた自分が悔しくなってしまった。確認はしてないけど、視界が定まらないので目から涙が流れ出していると思う。
そんな私を見てか松本明良も慌てているけど、そんな慌てるくらいなら最初から何もしなければ良かったとしか思えない。
刺し違えてもこの男は許さないという気持ちが湧いてきたところで話しかけられた。
「あの、ぼくが全面的に悪いのだけど、まずは落ち着いて話を聞いてもらえないかな?」
「極めて冷静になっていますが?」
自分でも驚くほど冷淡な声を発している。
「そうは見えないのだけど・・・今の状況についてちゃんと説明するから、一旦何も言わずに聞いて欲しい」
「何を聞けと?言い訳を?」
「言い訳だけど、話をさせてもらえないだろうか?」
「なら言えば?何を聞いても許さないつもりですけど」
「まず、ぼくは女なんだ」
「は?何をくだらない冗談を言ってるの?
それともトランスジェンダーだとでも言うつもりですか?」
「いや、ほんとに!
今から服を脱ぐからちゃんと見て確認して!」
「服を脱いでまた楽しもうって言うの?」
私が非難の声をあげるのも聞かずにシャツを脱ぐとブラジャーを着ていて、ズボンを下ろすとショーツを履いていて男性特有の膨らみはなかった。
「ほんとに?女の人なの?」
「この身体で男なわけないでしょ?
胸がないし背も高く顔つきも男っぽいから普段は男っぽく振る舞ってるけど、正真正銘女だから!」
松本明良さんが女だと認識できつつあると気が緩み始めた。
「それでね!美晴さんがお酒を飲みすぎて寝ちゃったから近いぼくの家へ連れてきて介抱してたんだ。
ワンピースはシワになるといけないから脱がせたけど、それだけだから!」
たしかにワンピースは脱がされているけど、ブラとショーツは着けたままだし、そう意識して部屋を見ると私が着ていたワンピースは皺にならないようにハンガーにかけてあるのが見える。
「あと、玲香もちょっとコンビニまで行っているだけですぐ戻ってくるから!」
なんとなく状況が掴めてきたのでひとつずつ確認をすることにした。
「まず、アキラさんは女の人で、私が男の人だと勘違いしているのを津島さんと楽しんでいた」
「ぼくが戯れたのは事実だけど、玲香は楽しんではなかったから、そこは誤解しないでもらえると助かるかな?」
「誤解している事に気付いていて、放っておいたので心象は良くないですね。
まぁ、それは置いておいて、そして私が飲みすぎて酔い潰れてしまったのをアキラさんの家まで連れてきて介抱してくれていたわけですね」
「そうだね。それと、飲み会でも言っていたけど玲香は美晴さんと仲良くなりたいというのは本心だからわかってあげて欲しい」
「わかりました。多少悪ノリしていたところはあると思いますけど、冗談で済む話ですしそこのところは斟酌します」
そう言うと、アキラさんの顔色が急に悪くなってきた。
「そこまで言ってもらってて大変申し訳無いのだけど・・・」
私を心配して掛けてきてくれていた冬樹くんからの電話に出て、悪い男が寝取った風を装った話し方をして冗談だとネタばらしをする前にバッテリー切れが起こり話したいことだけを話して電話を切ったかのようになってしまったというのだ。
それを聞き終えると同時にスマホを手にして冬樹くんへ電話をかけようとしたタイミングでインターホンの呼び出し音が鳴った。
◆津島玲香 視点◆
アキラくんが余計なことをしたせいというのもあるけど、アタシにも責任があるのでみはるんが目を覚ますまで付き合うつもりで、必要なものを買いにアキラくんのアパートのすぐ近くのコンビニまで行って急いで戻ってくると、アパートの入り口の付近に夫婦と高校生の男女の四人家族と思われる人達が居たので、避けるように中へ入ろうとしたら聞き捨てならない会話が耳に入ってきた。
「・・・美晴さんも誰も出ませんでした」
「そうか・・・もう一度スマホの位置情報を照会してから警察に相談するか・・・美波の時にお世話になった婦警さんなら話がしやすいと思うし・・・」
どう聞いてもみはるんの身内でアキラくんが余計なことをしたせいで心配して探しに来た様子で、しかも今から警察に相談するとか言っているので慌てて割り込んだ。
「すみません!美晴さんのご家族ですよね?」
「はい、私が岸元美晴の父です」
「美晴さんは酔い潰れて寝てしまって友人の部屋で介抱してますので大丈夫です。
アタシに着いてきてください」
そう言って、みはるんパパ達をアキラくんの部屋へ案内した。
アキラくんの部屋へ着きインターホンを鳴らして呼び出すと、中からアキラくんが出てきた。
「ほらアホラくん。みはるんのお父様達が心配して来ちゃったよ」
「!?」
それを聞いたアキラくんは声にならない声を上げて驚き、またアタシの声が聞こえていたらしいみはるんが脱がせていたワンピースを着た姿で中から出てきた。
「みはるん、アキラくんがごめんね」
「アキラさんから話は聞きました。
津島さんは悪くないということですけど、そもそも飲み会なんかに誘われなかったらなかったことですから。
今日が最初で最後ですよ」
怒られなかったけど、今回限りでこれからは付き合わないと言われた様なものだ・・・せっかく仲良くなれたと思ったのに・・・とは言え、アタシの責任も大きいし仕方がない。
みはるんはアタシの後ろに居た家族に対して頭を下げた。
「冬樹くん、小母様、夏菜ちゃん、お父さん、ごめんなさい。
経緯がどうであれ、私が軽率だったので心配をお掛けしてしまいました」
「美晴さん、無事だったんだから良いんですよ・・・」
冬樹くんと呼ばれた少年が半べそ掻きながらみはるんへ返答し、みはるんは近付いて母親が子供をあやすように頭を自分の胸元に抱きかかえた。みはるんの方が小さいから不格好ではあるけど、それを見て本当に愛しているんだなぁって言うのを感じた。
その後、当然のこととしてアキラくんがみはるんやカレシや家族の方達へ何度も謝ることとなった・・・許してもらえたのは本当に良かったし、ここまで振り回されてすぐに許してくれる懐の広さに感謝するしかないと思うけど、あっさりし過ぎていて心に棘が刺さったままの様な感覚になってしまった。
美晴さんの行方を追って美晴さんの大学の最寄り駅のスマホの位置情報とされた場所まで着いたものの、特定された位置にはアパートがあり周辺は一軒家の戸建てがあるだけで取っ掛かりがない。
少し周辺を見て回っている間に岸元の小父さんと姉さんと母さんが到着し合流した。
「すみません、小父さん。こんな事になってしまって・・・」
「冬樹君は悪くないよ、自分が若い女だというのに脇が甘かった美晴が悪いんだ。
むしろ、飲み会から帰って来るのが遅いくらいで異変を察知し、知らせてくれたことに感謝してるよ」
「でも・・・僕がもっとちゃんとしてたら・・・」
「これ以上誰の責任だなんて言い合っても事態は良くならないし、今どうするかを話そう」
「はい、すみませんでした」
「冬樹、美晴さんの電話に謎の男が出て切られてから掛け直したのか?」
「切られてすぐに掛け直して電源が切られているのを確認してからは、姉さんに連絡してすぐにここへ移動していたから掛けていないよ」
「ならば、もう1回掛けてみないか?」
「そうだね。ダメ元で掛けてみるよ」
そう言いながら発信すると、呼び出しをし始めた。
「呼び出ししています!」
◆松本明良 視点◆
玲香とふたりで美晴さんを揺すったり呼び掛けて目を覚ましてもらうように努めたけど、残念ながら目を覚ますことはなく眠り続けている。
また、美晴さんのスマホはぼくのスマホと同じ規格の充電器が使えるものだったので充電をしながら再び電話がかかってくることを待っていたけど30分以上経ってもかかってこない。
ぼくが悪ノリをしたのが悪いのだけど、玲香も責任を感じてくれているようで美晴さんが目を覚まさないなら明日の用事で出掛けないといけない時間のギリギリまではぼくの部屋に居てくれると言ってくれた。
美晴さんがすぐに目を覚ましそうにないということで、玲香は泊まりの支度をするべく近くのコンビニまで買い物へ出掛けている。
正直なところ、玲香が居ない今は目を覚まさないで欲しいと思っている。コンビニまでは徒歩1分くらいで合計しても10分は掛からないはずなので現実的な願いだ。
だと言うのに、玲香が居ないこのタイミングで美晴さんのスマホが通話着信しバイブレーションで震えだした。
今度こそ真面目に対応しようと思いスマホを掴もうとしたら・・・人の手を掴んでいた・・・その手の主の顔を見ると顔面蒼白だった。
◆岸元美晴 視点◆
スマホが呼び出しのバイブレーションしている事に気付き、眠っていたところから意識が少しだけ戻ったものの朧気なまま震える音がするの方へ手を伸ばした。
スマホを掴もうとしたところでその手を掴まれた。掴んだ手の根元の本体を見ると、今日の飲み会で初めて言葉を交わした津島さんの友人のアキラくんこと松本明良だった。
更に意識が覚醒してくると服を着ていないことにも気付き事態を察する。
恐らく松本明良にお持ち帰りされてしまったのだろう・・・冬樹くんに対して申し訳ない気持ちが湧いてきて、それと同時にそんな隙を見せ付け入られた自分が悔しくなってしまった。確認はしてないけど、視界が定まらないので目から涙が流れ出していると思う。
そんな私を見てか松本明良も慌てているけど、そんな慌てるくらいなら最初から何もしなければ良かったとしか思えない。
刺し違えてもこの男は許さないという気持ちが湧いてきたところで話しかけられた。
「あの、ぼくが全面的に悪いのだけど、まずは落ち着いて話を聞いてもらえないかな?」
「極めて冷静になっていますが?」
自分でも驚くほど冷淡な声を発している。
「そうは見えないのだけど・・・今の状況についてちゃんと説明するから、一旦何も言わずに聞いて欲しい」
「何を聞けと?言い訳を?」
「言い訳だけど、話をさせてもらえないだろうか?」
「なら言えば?何を聞いても許さないつもりですけど」
「まず、ぼくは女なんだ」
「は?何をくだらない冗談を言ってるの?
それともトランスジェンダーだとでも言うつもりですか?」
「いや、ほんとに!
今から服を脱ぐからちゃんと見て確認して!」
「服を脱いでまた楽しもうって言うの?」
私が非難の声をあげるのも聞かずにシャツを脱ぐとブラジャーを着ていて、ズボンを下ろすとショーツを履いていて男性特有の膨らみはなかった。
「ほんとに?女の人なの?」
「この身体で男なわけないでしょ?
胸がないし背も高く顔つきも男っぽいから普段は男っぽく振る舞ってるけど、正真正銘女だから!」
松本明良さんが女だと認識できつつあると気が緩み始めた。
「それでね!美晴さんがお酒を飲みすぎて寝ちゃったから近いぼくの家へ連れてきて介抱してたんだ。
ワンピースはシワになるといけないから脱がせたけど、それだけだから!」
たしかにワンピースは脱がされているけど、ブラとショーツは着けたままだし、そう意識して部屋を見ると私が着ていたワンピースは皺にならないようにハンガーにかけてあるのが見える。
「あと、玲香もちょっとコンビニまで行っているだけですぐ戻ってくるから!」
なんとなく状況が掴めてきたのでひとつずつ確認をすることにした。
「まず、アキラさんは女の人で、私が男の人だと勘違いしているのを津島さんと楽しんでいた」
「ぼくが戯れたのは事実だけど、玲香は楽しんではなかったから、そこは誤解しないでもらえると助かるかな?」
「誤解している事に気付いていて、放っておいたので心象は良くないですね。
まぁ、それは置いておいて、そして私が飲みすぎて酔い潰れてしまったのをアキラさんの家まで連れてきて介抱してくれていたわけですね」
「そうだね。それと、飲み会でも言っていたけど玲香は美晴さんと仲良くなりたいというのは本心だからわかってあげて欲しい」
「わかりました。多少悪ノリしていたところはあると思いますけど、冗談で済む話ですしそこのところは斟酌します」
そう言うと、アキラさんの顔色が急に悪くなってきた。
「そこまで言ってもらってて大変申し訳無いのだけど・・・」
私を心配して掛けてきてくれていた冬樹くんからの電話に出て、悪い男が寝取った風を装った話し方をして冗談だとネタばらしをする前にバッテリー切れが起こり話したいことだけを話して電話を切ったかのようになってしまったというのだ。
それを聞き終えると同時にスマホを手にして冬樹くんへ電話をかけようとしたタイミングでインターホンの呼び出し音が鳴った。
◆津島玲香 視点◆
アキラくんが余計なことをしたせいというのもあるけど、アタシにも責任があるのでみはるんが目を覚ますまで付き合うつもりで、必要なものを買いにアキラくんのアパートのすぐ近くのコンビニまで行って急いで戻ってくると、アパートの入り口の付近に夫婦と高校生の男女の四人家族と思われる人達が居たので、避けるように中へ入ろうとしたら聞き捨てならない会話が耳に入ってきた。
「・・・美晴さんも誰も出ませんでした」
「そうか・・・もう一度スマホの位置情報を照会してから警察に相談するか・・・美波の時にお世話になった婦警さんなら話がしやすいと思うし・・・」
どう聞いてもみはるんの身内でアキラくんが余計なことをしたせいで心配して探しに来た様子で、しかも今から警察に相談するとか言っているので慌てて割り込んだ。
「すみません!美晴さんのご家族ですよね?」
「はい、私が岸元美晴の父です」
「美晴さんは酔い潰れて寝てしまって友人の部屋で介抱してますので大丈夫です。
アタシに着いてきてください」
そう言って、みはるんパパ達をアキラくんの部屋へ案内した。
アキラくんの部屋へ着きインターホンを鳴らして呼び出すと、中からアキラくんが出てきた。
「ほらアホラくん。みはるんのお父様達が心配して来ちゃったよ」
「!?」
それを聞いたアキラくんは声にならない声を上げて驚き、またアタシの声が聞こえていたらしいみはるんが脱がせていたワンピースを着た姿で中から出てきた。
「みはるん、アキラくんがごめんね」
「アキラさんから話は聞きました。
津島さんは悪くないということですけど、そもそも飲み会なんかに誘われなかったらなかったことですから。
今日が最初で最後ですよ」
怒られなかったけど、今回限りでこれからは付き合わないと言われた様なものだ・・・せっかく仲良くなれたと思ったのに・・・とは言え、アタシの責任も大きいし仕方がない。
みはるんはアタシの後ろに居た家族に対して頭を下げた。
「冬樹くん、小母様、夏菜ちゃん、お父さん、ごめんなさい。
経緯がどうであれ、私が軽率だったので心配をお掛けしてしまいました」
「美晴さん、無事だったんだから良いんですよ・・・」
冬樹くんと呼ばれた少年が半べそ掻きながらみはるんへ返答し、みはるんは近付いて母親が子供をあやすように頭を自分の胸元に抱きかかえた。みはるんの方が小さいから不格好ではあるけど、それを見て本当に愛しているんだなぁって言うのを感じた。
その後、当然のこととしてアキラくんがみはるんやカレシや家族の方達へ何度も謝ることとなった・・・許してもらえたのは本当に良かったし、ここまで振り回されてすぐに許してくれる懐の広さに感謝するしかないと思うけど、あっさりし過ぎていて心に棘が刺さったままの様な感覚になってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる