学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
157 / 252

第157話

しおりを挟む
神坂冬樹かみさかふゆき 視点◆

いよいよクラスへ復帰する初日の朝が来た。

ここに至ってなお美晴みはるさんは行かないで欲しいと口にするけど、過保護ではないかと思う。

心配が高じて学校まで着いてきそうな勢いだったので美晴さんへ小まめに連絡することと何かあったらすぐに帰るという約束をして一応の納得をしてもらった。


復帰初日ということもあり事前に先生方と面談してからということになり通常よりも早い時間に登校した。


学校へ着くと既に美波みなみは着いていて職員室隣の来賓室でハルと待っていた。


「おはよう、美波。ハルも着いてきてたんだね」


「おはよう、冬樹ふゆき。2年は残り少ないけど、これまでの分を取り戻すつもりでよろしくね」


「あ、ああ。わかった、よろしくな」


「あたしもよろしくね」


「ああ、こちらこそ何かあったら生徒会長様に頼らせてもらうよ」


「なによ、その言い方。まぁ、フユに距離を置かれてもしょうがないんだけどね・・・」


「おいおい、冗談を真に受けるなよ。僕が悪かったから機嫌を直してくれないか」


「冗談なんだ・・・良かった。
 でも、同じ過ちは繰り返したくないと思っていたところだからさ・・・気になっちゃって・・・」


「わかったよ。ハルが重く考えていてくれていること、ちゃんと受け止めるから」


「わたしも重く考えてるよ!」


「美波もわかったよ」



ちょうどそのタイミングで担任の塚田つかだ教諭と副担任の鈴木すずき教諭と高梨たかなし先生が入室してきた。直前の説明を・・・何故かハルも一緒に・・・受けSHRの時間が近付いたのでそのまま塚田教諭と一緒に教室へ向かった。

ハルだけ先に教室へ入り、その直後に塚田教諭も教室へ入っていきSHRが始まった。僕と美波は廊下で待機して、塚田教諭からの呼び込みを受けてから教室へ入った。


「再び一緒のクラスで学ばせてもらうことになりました神坂かみさか冬樹です。よろしくお願いします。
 例の件が引っ掛かっている人もいるかと思いますが、僕自身は過ぎ去ったことだと思っていますので気にせずに接してもらえればと思います」


「また一緒に学ばせてもらうことになりました岸元きしもと美波です。よろしくお願いします。
 正直なところ触れて欲しくない話題もありますが、良い人間関係を築ければと思っています」


僕と美波は当たり障りがない挨拶をして自分の席へ着いた。

僕らの席は窓側の後ろの方に固まっていて一番窓側の一番後ろが美波、その隣が僕、美波の目の前が転校生の梅田うめださんとなっていて、その隣がハル、既に来る予定の転校生と留学生の分と思われる空席も僕とハルの隣となっている状態で、ハルから見て2つ隣の席が生徒会副会長の新谷しんたにくんの席になっていた。新谷くんの席の後ろも空席だけど、そこも転校生が来る席だろう。


SHRが終わって塚田教諭が教室を出て行くや否やのタイミングで梅田さんが振り向いて声を掛けてくれた。


「先週は迷っていたところを案内してくださってありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」


「はい、こちらこそよろしくお願いします」


「ところで、岸元さんが春華はるかさんと冬樹さんの幼馴染みの方ですよね?」


急に振られたからか美波は慌てて返答した。


「え、うん?そう、春華ちゃんと冬樹の幼馴染みの岸元美波です。改めてよろしくね」


「ええ、こちらこそ、ぜひよろしくお願いいたします」


「春華さんからお伺いしたのですけど、おふたりも法律研究部に所属していらっしゃるのですよね?」


「そうだね。一応・・・というか、ハル、まだ残ってたんだな、部活」


「うん。ほら、フユが関わっているから学校も黙認してくれてるみたいで何も言われてないよ」


「と言うことで、まだ所属してるみたいです」


「今後は活動されないのですか?
 よろしければわたくしも入部させていただければと思っていたのですが・・・」


「そもそもが隠れ蓑みたいな部活だったので、今となっては特に必要性はないのですよ。
 とは言え、存続しているなら何かやっても良いと思うけど、どうかな?ハル、美波?」


法律研究部あたし達みたいな存在になるのか・・・悪くないね」


「春華ちゃん、そのって言うのがわからないのだけど、何?」


「うーん、なんと説明すれば良いかな?香織かおりちゃん、パス」


「え?えぇっと、それはですね・・・10年以上昔の人気アニメに存在した架空の部活の名称で、特に目的もなく部室で駄弁っている存在・・・でしょうか?
 あと、に例えると生徒会長である春華さんのアイデンティティが崩壊してしまうのではないかと思います。」


「さっすが、香織ちゃん。説明ありがと!
 そんな感じ、特に目的はないけど放課後を学校で過ごすために部室を使うの!
 たしかに、生徒会長がにいたらおかしいよね・・・まぁ、そこは雰囲気だから目を瞑ってもらうとしよう」


「ふぅん、そうなんだ。でも、梅田さんもアニメに詳しいんだね。
 春華ちゃんと仲良くなったのもそれがきっかけ?」


「え、まぁ、そうですね。春華さんがアニメに詳しいことがきっかけではありますね」


「それは良かったね。春華ちゃんはアニメとかマンガとかにすごく詳しいから周りの人達が話について行けないことが多いのだけど、梅田さんも詳しいなら趣味の話ができそうだね」


「あのっ、その部活。僕も入部させてもらえないだろうか?」


いつの間にか僕らの席の側に来ていた新谷くんが声を掛けてきた。


「新谷くんも?今のあたし達の話を聞いてたならわかると思うけど、何もしないよ?」


「神坂さん達が楽しそうにしていたので仲間に加えてほしいなと思ったんだけど、ダメかな?」


「だって、どう?」


ハルは最小限の言葉と目線で僕へ振ってきた。


「ハルが良いなら良いんじゃない?
 新谷くんの為人ひととなりはハルの方がわかってるだろ?
 あとは姉さんか」


「あたしは新谷くんはいい人だと思うから賛成するよ」


「じゃあ、僕も異論はないよ。美波は?」


「わたしも春華ちゃんが良いなら・・・」


「じゃあ、新谷くんは入部ってことで・・・」


「神坂さん、皆さん、ありがとう!」


「ちょっと待ってください。わたくしも入部させてもらって良いのですよね?」


「それはもちろん良いよ。どうせ不定期活動になると思うし、予定が合う時だけ参加でも構わないし、あたしだって生徒会が忙しかったら参加できないかもしれないしさ」


「それでは、皆さん、よろしくお願いいたします」


気が付いたらクラスメイトの多くが僕らの方を見ていて『梅田さんとお近付きになれるなら部活に入りたい』という雰囲気を醸し出しているけど、僕へ遠慮してか見ているだけという状況になっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...