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第184話
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◆神坂冬樹 視点◆
美晴さんが今日大学へ行く用件は講義1コマだけでと言うことで、一緒に大学へ行って講義の間だけどこかで勉強しながら待つことにして終わったらデパートへ指輪を見に行くことにした。
何ら問題が起こることなく美晴さんの受講する講義が終わって合流しデパートへ移動した。
「僕は指輪や宝飾品については全然なので美晴さんが好きなものを選んでもらえませんか?」
「うん、でもいつでも冬樹くんの気持ちを感じていたいから冬樹くんに選んで欲しいな」
「わかりました。頑張って美晴さんに似合う指輪を探し出しますね」
「ありがとう。でも、無理はしないでね」
「あはは、無理も何も見るだけですよ・・・では、まずこのデパートの指輪を扱っているエリアを見て回りましょう」
僕が選ぶとしたものの、二人で会話しながら見て回り、美晴さんが第一印象で興味を示したものの値札を見て目を逸らした指輪があったので試してもらうことにした。
「デザインと美晴さんの指にはめた時の見た目の相性も良かったので、これが良いのではないかと思いますけどどうしょう?」
「良いか悪いかで言えば、良いと思うし私も好きなデザインだよ。でも・・・」
「お金のことだったら気にしないでください。それに、美晴さんが言ったんですよ。僕に選んで欲しいって」
「たしかに言ったけど・・・」
「なら良いじゃないですか。正直なところ指輪の相場がわかっていなかったのでもっと高いものかと思って準備してたんですよ。
すみません、この指輪は今日注文したらいつ受け取れますか?」
「はい、申し訳ございませんが本日お受けしましてもクリスマスどころか年内のお渡しが難しく、お正月休みの時期が終わって以降のお渡しになってしまう見込みです。
当店は大晦日までと年初も2日より営業いたしますが、実際に加工する業者は年末年始はおやすみをいただきますもので・・・」
「そうですよね。クリスマスのシーズンでもありますし、時期が悪いですよね。
美晴さん、ちょっと待ってしまいますけど大丈夫ですか?」
「待つのは良いんだけど・・・」
「じゃあ、これにしましょう。すみません、こちらの指輪でお願いします」
「はい、承りました。お控えをご用意いたしますので、こちらの椅子へお掛けください・・・」
◆岸元美晴 視点◆
冬樹くんが婚約指輪をプレゼントしてくれると言うので大学まで一緒に行って講義の間だけ待っていてもらって、そのままデパートへ移動して指輪選びをすることにして指輪を扱っているエリアを巡った。
その中でも人気のブランドに控え目かつ上品なデザインの指輪があって目を引かれたものの、付いている値札を見ると驚くほど高くさすがにこれはないなと思って見送ったのだけど、冬樹くんは私のその反応を感じ取ってくれたようで試すように言ってくれて、合わせてみると私に似合うと褒めてくれて、これを贈ってくれると言ってくれた。
私はアクセサリーがすごく好きというわけではないけれど、嫌いというわけでもないし愛する冬樹くんが贈ってくれるのならそれは宝物になるし、しかもそれが一目惚れした人気ブランドの目玉商品なら尚更だ。
店員さんが指輪の引き換えの控えを書いている間に冬樹くんのスマホに通話着信があり応答するために席を外したタイミングで周囲を見渡すと、隣のブースのカップルの女性がうらやましそうに私の方を見ているし、雑談を交えている店員さんも言外に羨望を込めている。
少し考えればわかることで、私にとっては慣れたことだけど冬樹くんは普通の人からしたら驚くほど多くのお金を持っていて、それだけでも付き合ったり結婚する相手として魅力的に見える。更に言えば、外見は線が細めとは言え整ったカッコよさがあるし頭も良い。
きっとこれから冬樹くんに魅力を感じて付き合いたいと思う女の人が出てくるようになると思う。そう言った女の人達から誘惑される事も出てくるかもしれない。
冬樹くんは誠実な人だからちょっとやそっとで揺れ動いたりしないだろうけれど、その性格やこどもが居るということに胡座をかいていたら魅力的な人が現れて捨てられてしまうかもしれない。
今は幸せだけど、この幸せを守るために努力を続けないといけない・・・
現実を考えてしまって少し落ち込みもしたけど、素敵な指輪を贈ってもらえる事を噛み締め不安から目を背けることに意識を向けた。
◆津島玲香 視点◆
今日入っていた1コマの講義が終わり同じ単位を取っているみはるんが用事があるからと先に帰っていくのを見送り、これからどうしようかと考えていた。
「おー、津島ちゃんじゃん」
声を掛けてきたのは顔は整っているけどチャラい見た目通り行動もチャラく女性関係にだらしない事で有名な佐々木先輩だった。
「こんにちは。すっかり寒くなりましたね」
「そうだな。こんな季節は肌を温め合う相手が欲しいんだけど、津島ちゃんどう?」
「前から言ってますけど、アタシは先輩はタイプじゃないので」
「ツレないなぁ・・・まぁ、良いや。
津島ちゃんって、最近岸元ちゃんと仲良いんだって?
俺に紹介してくんねーかな?」
「ダメですよ。みはるんにはラブラブなカレシがいるんですから」
「別に無理に付き合わせようってつもりはねぇよ。
でも、俺が声を掛けたら今の彼氏から俺に乗り換えるかもしれねぇだろ?」
「ないですね」
「おいおい、その言い草ひどくね?」
「現実ですよ。みはるんのカレシは幼馴染で物心が付いた時には仲が良かったみたいですし、先輩とは方向性が違いますけどイケメンだし、お金も稼いでますからね」
「たしかに厳しそうだけどよ、とりあえず話をさせてくれても良くね?」
「嫌ですよ。先輩に限らず男の人を紹介なんかしたら嫌われちゃうかもしれないですもん」
「じゃあさぁ、せめて話すきっかけくらい作ってくれよ。食堂かどこかで偶然って感じでさ」
正直なところそれもしたくないけど、こんなチャラさでも・・・いやチャラさ故か人脈が広くアタシも度々お世話になってきているから断りづらい。
わざわざ引き合わせるのではなく『偶然会う』という提案も頭のキレる先輩らしい次善の策で、アタシとしてもたまたま会った先輩を紹介するくらいなら妥協点かもしれない。
みはるんは冬樹君一筋だから先輩から何を言われても靡くことはないだろうし、意図的ではなく一緒に行動している時にたまたま会った人を紹介することはよくやっているから不自然でもない。
「わかりました、偶然なら良いですよ。
大学に居て時間が空いてる日時をスケジューラに入れておいてください。
それで合いそうなところでみはるんを誘ってお茶でもしますから」
「さっすが津島ちゃん!
話がわかるね。じゃあ、あとでスケジューラに時間入れて共有すっからよろしくな」
そう言うと先輩は立ち去っていった・・・約束をしたものの気が重いったらありゃしない。
美晴さんが今日大学へ行く用件は講義1コマだけでと言うことで、一緒に大学へ行って講義の間だけどこかで勉強しながら待つことにして終わったらデパートへ指輪を見に行くことにした。
何ら問題が起こることなく美晴さんの受講する講義が終わって合流しデパートへ移動した。
「僕は指輪や宝飾品については全然なので美晴さんが好きなものを選んでもらえませんか?」
「うん、でもいつでも冬樹くんの気持ちを感じていたいから冬樹くんに選んで欲しいな」
「わかりました。頑張って美晴さんに似合う指輪を探し出しますね」
「ありがとう。でも、無理はしないでね」
「あはは、無理も何も見るだけですよ・・・では、まずこのデパートの指輪を扱っているエリアを見て回りましょう」
僕が選ぶとしたものの、二人で会話しながら見て回り、美晴さんが第一印象で興味を示したものの値札を見て目を逸らした指輪があったので試してもらうことにした。
「デザインと美晴さんの指にはめた時の見た目の相性も良かったので、これが良いのではないかと思いますけどどうしょう?」
「良いか悪いかで言えば、良いと思うし私も好きなデザインだよ。でも・・・」
「お金のことだったら気にしないでください。それに、美晴さんが言ったんですよ。僕に選んで欲しいって」
「たしかに言ったけど・・・」
「なら良いじゃないですか。正直なところ指輪の相場がわかっていなかったのでもっと高いものかと思って準備してたんですよ。
すみません、この指輪は今日注文したらいつ受け取れますか?」
「はい、申し訳ございませんが本日お受けしましてもクリスマスどころか年内のお渡しが難しく、お正月休みの時期が終わって以降のお渡しになってしまう見込みです。
当店は大晦日までと年初も2日より営業いたしますが、実際に加工する業者は年末年始はおやすみをいただきますもので・・・」
「そうですよね。クリスマスのシーズンでもありますし、時期が悪いですよね。
美晴さん、ちょっと待ってしまいますけど大丈夫ですか?」
「待つのは良いんだけど・・・」
「じゃあ、これにしましょう。すみません、こちらの指輪でお願いします」
「はい、承りました。お控えをご用意いたしますので、こちらの椅子へお掛けください・・・」
◆岸元美晴 視点◆
冬樹くんが婚約指輪をプレゼントしてくれると言うので大学まで一緒に行って講義の間だけ待っていてもらって、そのままデパートへ移動して指輪選びをすることにして指輪を扱っているエリアを巡った。
その中でも人気のブランドに控え目かつ上品なデザインの指輪があって目を引かれたものの、付いている値札を見ると驚くほど高くさすがにこれはないなと思って見送ったのだけど、冬樹くんは私のその反応を感じ取ってくれたようで試すように言ってくれて、合わせてみると私に似合うと褒めてくれて、これを贈ってくれると言ってくれた。
私はアクセサリーがすごく好きというわけではないけれど、嫌いというわけでもないし愛する冬樹くんが贈ってくれるのならそれは宝物になるし、しかもそれが一目惚れした人気ブランドの目玉商品なら尚更だ。
店員さんが指輪の引き換えの控えを書いている間に冬樹くんのスマホに通話着信があり応答するために席を外したタイミングで周囲を見渡すと、隣のブースのカップルの女性がうらやましそうに私の方を見ているし、雑談を交えている店員さんも言外に羨望を込めている。
少し考えればわかることで、私にとっては慣れたことだけど冬樹くんは普通の人からしたら驚くほど多くのお金を持っていて、それだけでも付き合ったり結婚する相手として魅力的に見える。更に言えば、外見は線が細めとは言え整ったカッコよさがあるし頭も良い。
きっとこれから冬樹くんに魅力を感じて付き合いたいと思う女の人が出てくるようになると思う。そう言った女の人達から誘惑される事も出てくるかもしれない。
冬樹くんは誠実な人だからちょっとやそっとで揺れ動いたりしないだろうけれど、その性格やこどもが居るということに胡座をかいていたら魅力的な人が現れて捨てられてしまうかもしれない。
今は幸せだけど、この幸せを守るために努力を続けないといけない・・・
現実を考えてしまって少し落ち込みもしたけど、素敵な指輪を贈ってもらえる事を噛み締め不安から目を背けることに意識を向けた。
◆津島玲香 視点◆
今日入っていた1コマの講義が終わり同じ単位を取っているみはるんが用事があるからと先に帰っていくのを見送り、これからどうしようかと考えていた。
「おー、津島ちゃんじゃん」
声を掛けてきたのは顔は整っているけどチャラい見た目通り行動もチャラく女性関係にだらしない事で有名な佐々木先輩だった。
「こんにちは。すっかり寒くなりましたね」
「そうだな。こんな季節は肌を温め合う相手が欲しいんだけど、津島ちゃんどう?」
「前から言ってますけど、アタシは先輩はタイプじゃないので」
「ツレないなぁ・・・まぁ、良いや。
津島ちゃんって、最近岸元ちゃんと仲良いんだって?
俺に紹介してくんねーかな?」
「ダメですよ。みはるんにはラブラブなカレシがいるんですから」
「別に無理に付き合わせようってつもりはねぇよ。
でも、俺が声を掛けたら今の彼氏から俺に乗り換えるかもしれねぇだろ?」
「ないですね」
「おいおい、その言い草ひどくね?」
「現実ですよ。みはるんのカレシは幼馴染で物心が付いた時には仲が良かったみたいですし、先輩とは方向性が違いますけどイケメンだし、お金も稼いでますからね」
「たしかに厳しそうだけどよ、とりあえず話をさせてくれても良くね?」
「嫌ですよ。先輩に限らず男の人を紹介なんかしたら嫌われちゃうかもしれないですもん」
「じゃあさぁ、せめて話すきっかけくらい作ってくれよ。食堂かどこかで偶然って感じでさ」
正直なところそれもしたくないけど、こんなチャラさでも・・・いやチャラさ故か人脈が広くアタシも度々お世話になってきているから断りづらい。
わざわざ引き合わせるのではなく『偶然会う』という提案も頭のキレる先輩らしい次善の策で、アタシとしてもたまたま会った先輩を紹介するくらいなら妥協点かもしれない。
みはるんは冬樹君一筋だから先輩から何を言われても靡くことはないだろうし、意図的ではなく一緒に行動している時にたまたま会った人を紹介することはよくやっているから不自然でもない。
「わかりました、偶然なら良いですよ。
大学に居て時間が空いてる日時をスケジューラに入れておいてください。
それで合いそうなところでみはるんを誘ってお茶でもしますから」
「さっすが津島ちゃん!
話がわかるね。じゃあ、あとでスケジューラに時間入れて共有すっからよろしくな」
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