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第185話
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◆神坂春華 視点◆
フユが休みだったり停学で不在の男子がいるから教室が少し静かな感じではあったけど取り立てて問題もなく終わり、期末テストが近いこともあって生徒会執行部の仕事もなく美波ちゃんと下校した。
フユと美晴お姉が話をしたいことがあって今夜やってくるというので、受け入れる岸元家の掃除を美波ちゃんとしている間に小母さんと神坂のお母さんとで夕飯の支度をしてくれていた。
小父さんが帰宅してきた直後にフユからメッセージが届き、あと30分くらいで到着するということなので自室で受験勉強をしているお姉や帰宅したばかりのパパを呼んできて受け入れる用意を整えた。
小父さんが部屋着へ着替えてひと心地ついた頃フユ達がやってきた。
話は美晴お姉がフユのこどもを身籠ったことと、ちゃんと婚約し結婚ができる18歳になったらすぐに籍を入れたいということだった。また、付随して美晴お姉の事を助けて欲しいと言うことと、あたし達が手助けしやすいように近所へ引っ越ししてくることも考えているという。
小母さんは察していたのかすぐに歓迎してくれていたし、他のみんなも驚いたり頭の中で整理するのに少し時間を要したりしたけど祝福して歓迎した。
手助けについても小母さんとお母さんがあたし達が赤ちゃんだった頃に使っていたものをどこへ仕舞っていたかなどと相談をし始めたし、小父さんやお姉やパパも何ができるかわからないけど協力すると言っていた。
美波ちゃんは祝福の言葉を口にはしていたものの、考え込んでしまっていた・・・フユへの気持ちが整理できてないのかもしれない。
早すぎはするけどおめでたい事なのであたし達の雰囲気は和やかでフユもずっと微笑んでいた。ただ、あたしは・・・恐らくママもお姉もパパも・・・フユが神坂家で気を失ってしまった時のことが脳裏にあって不安な気持ちが薄っすらと靄がかっていた。
フユ達が帰っていき、あたし達も家へ戻り、お姉の部屋を訪ねた。
「ねぇ、お姉。フユと美晴お姉は良かったんだよね?」
「良かったと思うぞ。特に美晴さんは冬樹のことをずっと想っていた様だし、冬樹だって恋愛に昇華したのは最近でも子供の時からずっと美晴さんを慕っていた。
それに若いのは間違いないが、冬樹は相当な資産を持っているし、そもそも稼ぐ力を持っているからお金に困ることはないだろう。
勉学だって、そろそろ高卒認定試験の結果が出る頃だが、冬樹ならほぼ間違いなく全教科で合格できているだろうから高校へ行く必要もなくなる。
学校側も瑕疵があったから冬樹に対して悪いようにはしないだろうし、行ける時だけ行くという選択肢も出てくるだろう」
「そっか、高卒認定に合格してたら大学受験はできるんだよね」
「そうだ。来年こどもが生まれて、子育てを考えると冬樹が浪人しても良いとするかもしれない・・・口にして思ったが、それは美晴さんが嫌がるだろうな。
冬樹はお金も能力もあるし、美晴さんはそれ以上にはっきりと学歴があるから、もし将来働く事にしなっても就職では困らないだろう。
それに私だって伯母になるのだからこどもの面倒を手伝うのはしたいと思うし、それも楽しみだ。
母さん達も快く手伝うだろうし、そういう意味でも環境は悪くない」
「たしかにそうだね。あたしも叔母さんになるからには襁褓を替えたりミルクをあげたりしてあげたいし、フユが言っていた通りに近所に越してくるなら、頼まれなくても行っちゃうかな」
「まぁ、そういう事だ」
「ところでさ、お姉・・・」
「なんだ?」
「当たり前のことなんだけど、フユと美晴お姉は赤ちゃんができることをしたんだよね?」
「そ、そうだな」
お姉はあたしが言いたいことの意図を察したのか声が上擦った。
「美波ちゃんもさ、顛末はともかく最初は自分から良いと思ってそういうことをしたわけじゃない・・・お姉はその・・・したことある?」
「わ、私は、な、な、ないぞ!
お前は何を聞きたいんだ?」
「あたしはそういう事を全然考えたこともなかったからさ・・・美波ちゃんは鷺ノ宮とした時はカッコいいと思ったし興味があったって言ってたし、やっぱり高2になると興味を持つのかなって思って・・・」
「ま、まぁ、言わんとする所はわからないでもないが、生理と同じだろう。私より先に春華や美波が来た時は落ち込みもしたが、タイミングなんか人それぞれだ。
人と比較するなら、私だってまだだし、美晴さんは21歳のつい最近までしてなかったはずだぞ」
「あはは、たしかにそうだね。変に焦ってもそれこそ美波ちゃんみたいに良くないことになってしまうかもしれないし、フユや美波ちゃんがーって焦らないことにするよ」
「そうだぞ。後悔することになるかもしれないから慎重に慎重を重ねるくらいでちょうどいいんだ」
「お姉、自分に言い聞かせてるでしょ」
「なあっ・・・まぁ、そういう側面がないとも言えないな」
焦るつもりはないけど、フユと美晴お姉は幸せそうな顔をしていたし憧れるなぁ。
◆岸元美波 視点◆
お姉ちゃんと冬樹が話があるとやってきて、その内容はお姉ちゃんの妊娠と冬樹が18歳になったら結婚することを前提とした婚約をするというもので、岸元の両親に神坂家のみんなが祝福と歓迎をしていて、更に出産で大変だろうから手伝えることは手伝っていくという事で早くも新しい家族を待ち望んでいる雰囲気だった。
わたしもそのムードに水を差す様なことをするつもりはなく、表面的にはみんなと同じ様に振る舞っていたけど、気持ちの引っ掛かりが拭えなかった。
もちろんお姉ちゃんのことは好きだし尊敬もしているし、話をする前まで持っていた冬樹にアピールしてわたしに振り向いてもらいたいと言う思いも吹っ飛んでいる。今更ふたりの仲を邪魔しようなんて気持ちはないけれど、仲睦まじく微笑み合っている冬樹とお姉ちゃんやそれを祝福しているみんなの空気からは疎外感を覚えている・・・
・・・そして、恐らくこの疎外感はずっと付き纏ってくるのだろうという予感がしている。
あの日・・・ちゃんと冬樹を信じていれば・・・
お風呂を出て入れ替わりでお父さんがお風呂へ行き、リビングで髪を乾かし始めたら食器洗いを終えたお母さんもリビングへやってきた。
「美波、今日はごめんなさいね。あなたには辛かったでしょう」
「え?なに?何のこと?」
「恍けないでもいいわよ。あなただって冬樹くんのことを好きなんでしょ?」
「・・・うん、そう、だね」
「美晴達を見ているのが辛かったら一人暮らしをしてもいいわよ」
「一人暮らし?」
「ええ、美晴が大学へ進学したのを機に一人暮らしをしたでしょ。
あれだって美波と冬樹くんが相思相愛なのを見ているのが辛いからって距離を置きたがったのよ。
美晴はせっかく優秀な大学へ行けたから勉強に専念したいとかもっともらしい事を言って一人暮らしを願ったたけど、本心は美波と冬樹くんを見ていたくなかったからだったのよ」
「そ・・・う、だよね。そんな気はしてた・・・」
「だからね。その気持ちを汲んで一人暮らしをさせてあげたの。
別に他の大学でも一人暮らしをしたいと言うならさせてあげても良かったけど、美晴は頭が良いからもっともらしい理由を作れる大学へ入っちゃったのよね」
「そんな理由であの大学へ入っちゃうんだからすごいよね、ふふっ」
「でも、そんな理由は要らないわよ。美晴はタイミングが良かったから燃え上がっちゃったけど、普通は距離を置いたら気持ちを落ち着かせられるし、美波が距離を置きたいなら言ってね」
「うん、ありがとう。でも、とりあえず今は大丈夫・・・だと思う」
「わかったわ。一人暮らしをしないにしても、溜め込まないで愚痴でも相談でもしてちょうだいね」
「う、ん、あり、が、とう・・・」
気が付いたら涙が流れてて、声もうまく発音できなくなってた。お母さんは傍に来て、抱き締めてくれた。
「おがあざん・・・わだじどうじでバガなんだろ・・・どうじで」
捻り出すように悲鳴混じりに嗚咽し、お母さんの胸に顔をうずめたらお母さんは優しく頭を撫でてくれた。
「泣けるのは良いことよ。その気持ちが明日前へ進むチカラになるから・・・今は泣いて悪いものを外へ流し出してしまいなさい」
しばらくお母さんの胸に顔を押し付けて泣いていたら、いつの間にかお父さんがお風呂から上がってきていて、頭を撫でてくれた。
お父さんは何も言わないけど、お母さん同様に色々わかっていたみたいだ・・・
フユが休みだったり停学で不在の男子がいるから教室が少し静かな感じではあったけど取り立てて問題もなく終わり、期末テストが近いこともあって生徒会執行部の仕事もなく美波ちゃんと下校した。
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小父さんが帰宅してきた直後にフユからメッセージが届き、あと30分くらいで到着するということなので自室で受験勉強をしているお姉や帰宅したばかりのパパを呼んできて受け入れる用意を整えた。
小父さんが部屋着へ着替えてひと心地ついた頃フユ達がやってきた。
話は美晴お姉がフユのこどもを身籠ったことと、ちゃんと婚約し結婚ができる18歳になったらすぐに籍を入れたいということだった。また、付随して美晴お姉の事を助けて欲しいと言うことと、あたし達が手助けしやすいように近所へ引っ越ししてくることも考えているという。
小母さんは察していたのかすぐに歓迎してくれていたし、他のみんなも驚いたり頭の中で整理するのに少し時間を要したりしたけど祝福して歓迎した。
手助けについても小母さんとお母さんがあたし達が赤ちゃんだった頃に使っていたものをどこへ仕舞っていたかなどと相談をし始めたし、小父さんやお姉やパパも何ができるかわからないけど協力すると言っていた。
美波ちゃんは祝福の言葉を口にはしていたものの、考え込んでしまっていた・・・フユへの気持ちが整理できてないのかもしれない。
早すぎはするけどおめでたい事なのであたし達の雰囲気は和やかでフユもずっと微笑んでいた。ただ、あたしは・・・恐らくママもお姉もパパも・・・フユが神坂家で気を失ってしまった時のことが脳裏にあって不安な気持ちが薄っすらと靄がかっていた。
フユ達が帰っていき、あたし達も家へ戻り、お姉の部屋を訪ねた。
「ねぇ、お姉。フユと美晴お姉は良かったんだよね?」
「良かったと思うぞ。特に美晴さんは冬樹のことをずっと想っていた様だし、冬樹だって恋愛に昇華したのは最近でも子供の時からずっと美晴さんを慕っていた。
それに若いのは間違いないが、冬樹は相当な資産を持っているし、そもそも稼ぐ力を持っているからお金に困ることはないだろう。
勉学だって、そろそろ高卒認定試験の結果が出る頃だが、冬樹ならほぼ間違いなく全教科で合格できているだろうから高校へ行く必要もなくなる。
学校側も瑕疵があったから冬樹に対して悪いようにはしないだろうし、行ける時だけ行くという選択肢も出てくるだろう」
「そっか、高卒認定に合格してたら大学受験はできるんだよね」
「そうだ。来年こどもが生まれて、子育てを考えると冬樹が浪人しても良いとするかもしれない・・・口にして思ったが、それは美晴さんが嫌がるだろうな。
冬樹はお金も能力もあるし、美晴さんはそれ以上にはっきりと学歴があるから、もし将来働く事にしなっても就職では困らないだろう。
それに私だって伯母になるのだからこどもの面倒を手伝うのはしたいと思うし、それも楽しみだ。
母さん達も快く手伝うだろうし、そういう意味でも環境は悪くない」
「たしかにそうだね。あたしも叔母さんになるからには襁褓を替えたりミルクをあげたりしてあげたいし、フユが言っていた通りに近所に越してくるなら、頼まれなくても行っちゃうかな」
「まぁ、そういう事だ」
「ところでさ、お姉・・・」
「なんだ?」
「当たり前のことなんだけど、フユと美晴お姉は赤ちゃんができることをしたんだよね?」
「そ、そうだな」
お姉はあたしが言いたいことの意図を察したのか声が上擦った。
「美波ちゃんもさ、顛末はともかく最初は自分から良いと思ってそういうことをしたわけじゃない・・・お姉はその・・・したことある?」
「わ、私は、な、な、ないぞ!
お前は何を聞きたいんだ?」
「あたしはそういう事を全然考えたこともなかったからさ・・・美波ちゃんは鷺ノ宮とした時はカッコいいと思ったし興味があったって言ってたし、やっぱり高2になると興味を持つのかなって思って・・・」
「ま、まぁ、言わんとする所はわからないでもないが、生理と同じだろう。私より先に春華や美波が来た時は落ち込みもしたが、タイミングなんか人それぞれだ。
人と比較するなら、私だってまだだし、美晴さんは21歳のつい最近までしてなかったはずだぞ」
「あはは、たしかにそうだね。変に焦ってもそれこそ美波ちゃんみたいに良くないことになってしまうかもしれないし、フユや美波ちゃんがーって焦らないことにするよ」
「そうだぞ。後悔することになるかもしれないから慎重に慎重を重ねるくらいでちょうどいいんだ」
「お姉、自分に言い聞かせてるでしょ」
「なあっ・・・まぁ、そういう側面がないとも言えないな」
焦るつもりはないけど、フユと美晴お姉は幸せそうな顔をしていたし憧れるなぁ。
◆岸元美波 視点◆
お姉ちゃんと冬樹が話があるとやってきて、その内容はお姉ちゃんの妊娠と冬樹が18歳になったら結婚することを前提とした婚約をするというもので、岸元の両親に神坂家のみんなが祝福と歓迎をしていて、更に出産で大変だろうから手伝えることは手伝っていくという事で早くも新しい家族を待ち望んでいる雰囲気だった。
わたしもそのムードに水を差す様なことをするつもりはなく、表面的にはみんなと同じ様に振る舞っていたけど、気持ちの引っ掛かりが拭えなかった。
もちろんお姉ちゃんのことは好きだし尊敬もしているし、話をする前まで持っていた冬樹にアピールしてわたしに振り向いてもらいたいと言う思いも吹っ飛んでいる。今更ふたりの仲を邪魔しようなんて気持ちはないけれど、仲睦まじく微笑み合っている冬樹とお姉ちゃんやそれを祝福しているみんなの空気からは疎外感を覚えている・・・
・・・そして、恐らくこの疎外感はずっと付き纏ってくるのだろうという予感がしている。
あの日・・・ちゃんと冬樹を信じていれば・・・
お風呂を出て入れ替わりでお父さんがお風呂へ行き、リビングで髪を乾かし始めたら食器洗いを終えたお母さんもリビングへやってきた。
「美波、今日はごめんなさいね。あなたには辛かったでしょう」
「え?なに?何のこと?」
「恍けないでもいいわよ。あなただって冬樹くんのことを好きなんでしょ?」
「・・・うん、そう、だね」
「美晴達を見ているのが辛かったら一人暮らしをしてもいいわよ」
「一人暮らし?」
「ええ、美晴が大学へ進学したのを機に一人暮らしをしたでしょ。
あれだって美波と冬樹くんが相思相愛なのを見ているのが辛いからって距離を置きたがったのよ。
美晴はせっかく優秀な大学へ行けたから勉強に専念したいとかもっともらしい事を言って一人暮らしを願ったたけど、本心は美波と冬樹くんを見ていたくなかったからだったのよ」
「そ・・・う、だよね。そんな気はしてた・・・」
「だからね。その気持ちを汲んで一人暮らしをさせてあげたの。
別に他の大学でも一人暮らしをしたいと言うならさせてあげても良かったけど、美晴は頭が良いからもっともらしい理由を作れる大学へ入っちゃったのよね」
「そんな理由であの大学へ入っちゃうんだからすごいよね、ふふっ」
「でも、そんな理由は要らないわよ。美晴はタイミングが良かったから燃え上がっちゃったけど、普通は距離を置いたら気持ちを落ち着かせられるし、美波が距離を置きたいなら言ってね」
「うん、ありがとう。でも、とりあえず今は大丈夫・・・だと思う」
「わかったわ。一人暮らしをしないにしても、溜め込まないで愚痴でも相談でもしてちょうだいね」
「う、ん、あり、が、とう・・・」
気が付いたら涙が流れてて、声もうまく発音できなくなってた。お母さんは傍に来て、抱き締めてくれた。
「おがあざん・・・わだじどうじでバガなんだろ・・・どうじで」
捻り出すように悲鳴混じりに嗚咽し、お母さんの胸に顔をうずめたらお母さんは優しく頭を撫でてくれた。
「泣けるのは良いことよ。その気持ちが明日前へ進むチカラになるから・・・今は泣いて悪いものを外へ流し出してしまいなさい」
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