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第186話
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◆神坂冬樹 視点◆
昨夜は僕らの実家へ行き美晴さんの妊娠の報告と婚約や結婚の予定について話をして、出産や子育てを中心に協力してもらう事を約束してもらった。
僕自身が結婚できる年齢でないほど若すぎるという自覚があるけど、信頼してもらえていて問題にならないと思ってもらえていたのは逆に驚かされたけど、みんなに歓迎してもらえて良かった。
あとは特に協力をしてくれている婆ちゃんにも挨拶へ行きたいと思っているけど、日程の調整も必要だろうしその相談も兼ねて今夜にでも報告の電話をしようと思う。
発熱時のガイドラインによる待機期間が明けたので、土日を挟んで5日ぶりに登校した。
「おはよう」
「フユキ、大丈夫ですか?」
「うん、元々疲れが出てただけみたいで日曜には回復してたんだけど、念のための待機で来てなかっただけだから」
教室へ着いて挨拶をしたらローラン君が心配する声を掛けてくれたので返答した。
「待機とは聞いておりましたが、お顔を見て安心しました」
「気に掛けてくれてありがとうございます」
梅田さんも心配してくれていたようで申し訳なくなる。
他にも仲が良い人と顔を合わせるたびに挨拶と様子を伺うやり取りをし、それを何回か繰り返した。
始業のギリギリの時間になってハルと美波が駆け込むように入ってきた。
「ハルカ!おはようございます!
遅かったですけど、どうされたのですか?」
「うん、おはよう。美波ちゃんが寝坊してて家を出るのが遅くなっちゃったの」
「ひっどい!春華ちゃんだって寝坊してたんでしょ。
夏菜お姉ちゃんが先に行くってうちに寄ってくれた時に春華ちゃんを起こしてきたって言ってたよ」
「あはは、バレてたかぁ。でも、あたしが先に支度できて美波ちゃんを待って少し出遅れたのは本当じゃん」
「それはそうだけど・・・」
「ハルカだけでなくミナミまで、何かあったのですか?」
「あったと言えばあったけど・・・」
ローラン君の問に対してハルは何と言って返して良いのかと歯切れが悪く、視線を僕の方へ向けてきた。
「冬樹さんが関係しているのですか?」
勘が鋭いのか梅田さんがハルの視線から僕へ質問を投げかけてきた。
「あはは、あるのかもしれないですね。僕が昨夜神坂と美波の家族にけっこう重大な話をしたので・・・」
頬を掻きながら梅田さんへ返答していたところで始業のチャイムが鳴り始め、高梨先生が入室してきてSHRが始まった。
SHRが終わったところで高梨先生の元へ行き話したいことがあるので時間を作ってもらうようにお願いし、昼休みに第二音楽室の準備室で聞いてもらえることになった。
休み時間の話題は期末テストについてが中心になり僕が授業の重要点などを教えて欲しいというと美波やローラン君達も教えて欲しいと言い出して、昼休みや放課後は法律研究部の部室を開放して部員を中心に勉強会を行うことにした。
誰かしら部員がいる状態になるだろうから部員以外も誘っても良いことにして、ハルが元のクラスの友達や大山さんが所属してるグループの人達にも声を掛けるなどけっこう大所帯になりそうな気配だった。
昼休みになり高梨先生を訪ねた。
「先日はわざわざお越しいただいたのにご挨拶もできずにすみませんでした」
「それは気にしないでください。春華さん達から聞いていますけど、歓迎会で疲れてダウンしてしまったそうですね。
やはり、春華さんや美波さんへの心無い言葉が精神的に厳しかったですか?」
「そうですね。やっぱりハルや美波へのそう言った風当たりは不快ですし、疲弊した理由に含まれると思います・・・
でも、それは僕の問題なので先生は気になさらないでください」
「そうは言われても気になりますし、今のわたしは冬樹くんの担任なのですよ。
心配するのは仕事の内ですから、冬樹君が何を思ってもわたしは気にしますよ」
「すみません。できるだけ先生に気を遣わせないように気を付けます。
話は変わって、美晴さんやみゆきさんから伝わっているかと思いますが、美晴さんが僕のこどもを身籠っていました。
先生が美晴さんの背中を押したり気遣ってくださっていたとのことで、本当にありがとうございました」
「まずは、おめでとうございます。普通なら高校生が親になるなんてと思うところですけど、冬樹君なら問題ないですよね。
わたしにとって美晴さんは友人ですし、気を使うのは当たり前です。
あまり大っぴらには手伝えませんけど、できることはさせてもらいますから何かあったら相談してくださいね」
「ありがとうございます。とりあえず今は大丈夫ですけど、その時にはそのお言葉に甘えさせてもらいます」
それから先生が離婚して今はみゆきさんとルームシェアをしていることを話してもらったり、そこでみゆきさんがしていることの愚痴を聞いたりしていたら昼休みは終わった。みゆきさんへの不満を言っているものの先生の表情は微笑んでいて信頼しているのだろうなというのを感じさせるものだった。みゆきさんとの付き合いはまだ浅いけれど、面倒見がよく美晴さんの事を気にかけてくれているし僕も嫌いにはなれない。
午後の授業も問題なく終わり、放課後には部室へ顔を出した。
梅田さんは用事があるということで来ていないけど、ローラン君に江藤君を中心に注目の生徒がいることもあり所狭しと大勢集まっていた。
姉さんの他にも3年生が来ていて、早くも勉強会のための部屋という感じになった様に思う。
僕はクラスの授業は受けていなかったので、ハルや新谷君によるテストに出そうなポイントの説明は為になっているし、他の皆もそれぞれ教えあっていたりしていて有意義そうだ。
勉強会は少しずつ人が減っていき、最終下校時刻で部室を閉める段階になった時にはほとんどいなくなっていた。3年生は姉さんともう一人の男子で、その人は姉さんに好意を持っている雰囲気だけど、当の姉さんは全然気付いていないのが気の毒に思える。姉さんは昔から恋愛に興味がない感じだったけど、こういった場面を見ることはなかったので新鮮だ。
ハルもローラン君や新谷君から好意を持たれている様で、姉さんとは違いその好意には気付いている様だ。でも、どうすれば良いのか戸惑っている様でよくたじろいでる。身内の贔屓目だけど、姉さんもハルも見た目は良いし性格だって悪くはないと思うから好意を持たれても不思議はないし、歓迎するかどうかは別として嬉しくは思う。
自分が美晴さんを愛しているからか他の人の恋愛事情も応援したくなるし、姉さんもハルも良い人と縁ができて欲しい・・・それと美波も。
昨夜は僕らの実家へ行き美晴さんの妊娠の報告と婚約や結婚の予定について話をして、出産や子育てを中心に協力してもらう事を約束してもらった。
僕自身が結婚できる年齢でないほど若すぎるという自覚があるけど、信頼してもらえていて問題にならないと思ってもらえていたのは逆に驚かされたけど、みんなに歓迎してもらえて良かった。
あとは特に協力をしてくれている婆ちゃんにも挨拶へ行きたいと思っているけど、日程の調整も必要だろうしその相談も兼ねて今夜にでも報告の電話をしようと思う。
発熱時のガイドラインによる待機期間が明けたので、土日を挟んで5日ぶりに登校した。
「おはよう」
「フユキ、大丈夫ですか?」
「うん、元々疲れが出てただけみたいで日曜には回復してたんだけど、念のための待機で来てなかっただけだから」
教室へ着いて挨拶をしたらローラン君が心配する声を掛けてくれたので返答した。
「待機とは聞いておりましたが、お顔を見て安心しました」
「気に掛けてくれてありがとうございます」
梅田さんも心配してくれていたようで申し訳なくなる。
他にも仲が良い人と顔を合わせるたびに挨拶と様子を伺うやり取りをし、それを何回か繰り返した。
始業のギリギリの時間になってハルと美波が駆け込むように入ってきた。
「ハルカ!おはようございます!
遅かったですけど、どうされたのですか?」
「うん、おはよう。美波ちゃんが寝坊してて家を出るのが遅くなっちゃったの」
「ひっどい!春華ちゃんだって寝坊してたんでしょ。
夏菜お姉ちゃんが先に行くってうちに寄ってくれた時に春華ちゃんを起こしてきたって言ってたよ」
「あはは、バレてたかぁ。でも、あたしが先に支度できて美波ちゃんを待って少し出遅れたのは本当じゃん」
「それはそうだけど・・・」
「ハルカだけでなくミナミまで、何かあったのですか?」
「あったと言えばあったけど・・・」
ローラン君の問に対してハルは何と言って返して良いのかと歯切れが悪く、視線を僕の方へ向けてきた。
「冬樹さんが関係しているのですか?」
勘が鋭いのか梅田さんがハルの視線から僕へ質問を投げかけてきた。
「あはは、あるのかもしれないですね。僕が昨夜神坂と美波の家族にけっこう重大な話をしたので・・・」
頬を掻きながら梅田さんへ返答していたところで始業のチャイムが鳴り始め、高梨先生が入室してきてSHRが始まった。
SHRが終わったところで高梨先生の元へ行き話したいことがあるので時間を作ってもらうようにお願いし、昼休みに第二音楽室の準備室で聞いてもらえることになった。
休み時間の話題は期末テストについてが中心になり僕が授業の重要点などを教えて欲しいというと美波やローラン君達も教えて欲しいと言い出して、昼休みや放課後は法律研究部の部室を開放して部員を中心に勉強会を行うことにした。
誰かしら部員がいる状態になるだろうから部員以外も誘っても良いことにして、ハルが元のクラスの友達や大山さんが所属してるグループの人達にも声を掛けるなどけっこう大所帯になりそうな気配だった。
昼休みになり高梨先生を訪ねた。
「先日はわざわざお越しいただいたのにご挨拶もできずにすみませんでした」
「それは気にしないでください。春華さん達から聞いていますけど、歓迎会で疲れてダウンしてしまったそうですね。
やはり、春華さんや美波さんへの心無い言葉が精神的に厳しかったですか?」
「そうですね。やっぱりハルや美波へのそう言った風当たりは不快ですし、疲弊した理由に含まれると思います・・・
でも、それは僕の問題なので先生は気になさらないでください」
「そうは言われても気になりますし、今のわたしは冬樹くんの担任なのですよ。
心配するのは仕事の内ですから、冬樹君が何を思ってもわたしは気にしますよ」
「すみません。できるだけ先生に気を遣わせないように気を付けます。
話は変わって、美晴さんやみゆきさんから伝わっているかと思いますが、美晴さんが僕のこどもを身籠っていました。
先生が美晴さんの背中を押したり気遣ってくださっていたとのことで、本当にありがとうございました」
「まずは、おめでとうございます。普通なら高校生が親になるなんてと思うところですけど、冬樹君なら問題ないですよね。
わたしにとって美晴さんは友人ですし、気を使うのは当たり前です。
あまり大っぴらには手伝えませんけど、できることはさせてもらいますから何かあったら相談してくださいね」
「ありがとうございます。とりあえず今は大丈夫ですけど、その時にはそのお言葉に甘えさせてもらいます」
それから先生が離婚して今はみゆきさんとルームシェアをしていることを話してもらったり、そこでみゆきさんがしていることの愚痴を聞いたりしていたら昼休みは終わった。みゆきさんへの不満を言っているものの先生の表情は微笑んでいて信頼しているのだろうなというのを感じさせるものだった。みゆきさんとの付き合いはまだ浅いけれど、面倒見がよく美晴さんの事を気にかけてくれているし僕も嫌いにはなれない。
午後の授業も問題なく終わり、放課後には部室へ顔を出した。
梅田さんは用事があるということで来ていないけど、ローラン君に江藤君を中心に注目の生徒がいることもあり所狭しと大勢集まっていた。
姉さんの他にも3年生が来ていて、早くも勉強会のための部屋という感じになった様に思う。
僕はクラスの授業は受けていなかったので、ハルや新谷君によるテストに出そうなポイントの説明は為になっているし、他の皆もそれぞれ教えあっていたりしていて有意義そうだ。
勉強会は少しずつ人が減っていき、最終下校時刻で部室を閉める段階になった時にはほとんどいなくなっていた。3年生は姉さんともう一人の男子で、その人は姉さんに好意を持っている雰囲気だけど、当の姉さんは全然気付いていないのが気の毒に思える。姉さんは昔から恋愛に興味がない感じだったけど、こういった場面を見ることはなかったので新鮮だ。
ハルもローラン君や新谷君から好意を持たれている様で、姉さんとは違いその好意には気付いている様だ。でも、どうすれば良いのか戸惑っている様でよくたじろいでる。身内の贔屓目だけど、姉さんもハルも見た目は良いし性格だって悪くはないと思うから好意を持たれても不思議はないし、歓迎するかどうかは別として嬉しくは思う。
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