学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
186 / 252

第186話

しおりを挟む
神坂冬樹かみさかふゆき 視点◆

昨夜は僕らの実家へ行き美晴みはるさんの妊娠の報告と婚約や結婚の予定について話をして、出産や子育てを中心に協力してもらう事を約束してもらった。

僕自身が結婚できる年齢でないほど若すぎるという自覚があるけど、信頼してもらえていて問題にならないと思ってもらえていたのは逆に驚かされたけど、みんなに歓迎してもらえて良かった。


あとは特に協力をしてくれている婆ちゃんにも挨拶へ行きたいと思っているけど、日程の調整も必要だろうしその相談も兼ねて今夜にでも報告の電話をしようと思う。



発熱時のガイドラインによる待機期間が明けたので、土日を挟んで5日ぶりに登校した。


「おはよう」


「フユキ、大丈夫ですか?」


「うん、元々疲れが出てただけみたいで日曜には回復してたんだけど、念のための待機で来てなかっただけだから」


教室へ着いて挨拶をしたらローラン君が心配する声を掛けてくれたので返答した。


「待機とは聞いておりましたが、お顔を見て安心しました」


「気に掛けてくれてありがとうございます」


梅田うめださんも心配してくれていたようで申し訳なくなる。

他にも仲が良い人と顔を合わせるたびに挨拶と様子を伺うやり取りをし、それを何回か繰り返した。

始業のギリギリの時間になってハルと美波みなみが駆け込むように入ってきた。


「ハルカ!おはようございます!
 遅かったですけど、どうされたのですか?」


「うん、おはよう。美波ちゃんが寝坊してて家を出るのが遅くなっちゃったの」


「ひっどい!春華はるかちゃんだって寝坊してたんでしょ。
 夏菜かなお姉ちゃんが先に行くってうちに寄ってくれた時に春華ちゃんを起こしてきたって言ってたよ」


「あはは、バレてたかぁ。でも、あたしが先に支度できて美波ちゃんを待って少し出遅れたのは本当じゃん」


「それはそうだけど・・・」


「ハルカだけでなくミナミまで、何かあったのですか?」


「あったと言えばあったけど・・・」


ローラン君の問に対してハルは何と言って返して良いのかと歯切れが悪く、視線を僕の方へ向けてきた。


冬樹ふゆきさんが関係しているのですか?」


勘が鋭いのか梅田さんがハルの視線から僕へ質問を投げかけてきた。


「あはは、あるのかもしれないですね。僕が昨夜神坂かみさかと美波の家族にけっこう重大な話をしたので・・・」


頬を掻きながら梅田さんへ返答していたところで始業のチャイムが鳴り始め、高梨たかなし先生が入室してきてSHRが始まった。


SHRが終わったところで高梨先生の元へ行き話したいことがあるので時間を作ってもらうようにお願いし、昼休みに第二音楽室の準備室で聞いてもらえることになった。


休み時間の話題は期末テストについてが中心になり僕が授業の重要点などを教えて欲しいというと美波やローラン君達も教えて欲しいと言い出して、昼休みや放課後は法律研究部の部室を開放して部員を中心に勉強会を行うことにした。

誰かしら部員がいる状態になるだろうから部員以外も誘っても良いことにして、ハルが元のクラスの友達や大山おおやまさんが所属してるグループの人達にも声を掛けるなどけっこう大所帯になりそうな気配だった。



昼休みになり高梨先生を訪ねた。


「先日はわざわざお越しいただいたのにご挨拶もできずにすみませんでした」


「それは気にしないでください。春華さん達から聞いていますけど、歓迎会で疲れてダウンしてしまったそうですね。
 やはり、春華さんや美波さんへの心無い言葉が精神的に厳しかったですか?」


「そうですね。やっぱりハルや美波へのそう言った風当たりは不快ですし、疲弊した理由に含まれると思います・・・
 でも、それは僕の問題なので先生は気になさらないでください」


「そうは言われても気になりますし、今のわたしは冬樹くんの担任なのですよ。
 心配するのは仕事の内ですから、冬樹君が何を思ってもわたしは気にしますよ」


「すみません。できるだけ先生に気を遣わせないように気を付けます。
 話は変わって、美晴さんやみゆきさんから伝わっているかと思いますが、美晴さんが僕のこどもを身籠っていました。
 先生が美晴さんの背中を押したり気遣ってくださっていたとのことで、本当にありがとうございました」


「まずは、おめでとうございます。普通なら高校生が親になるなんてと思うところですけど、冬樹君なら問題ないですよね。
 わたしにとって美晴さんは友人ですし、気を使うのは当たり前です。
 あまり大っぴらには手伝えませんけど、できることはさせてもらいますから何かあったら相談してくださいね」


「ありがとうございます。とりあえず今は大丈夫ですけど、その時にはそのお言葉に甘えさせてもらいます」


それから先生が離婚して今はみゆきさんとルームシェアをしていることを話してもらったり、そこでみゆきさんがしていることの愚痴を聞いたりしていたら昼休みは終わった。みゆきさんへの不満を言っているものの先生の表情は微笑んでいて信頼しているのだろうなというのを感じさせるものだった。みゆきさんとの付き合いはまだ浅いけれど、面倒見がよく美晴さんの事を気にかけてくれているし僕も嫌いにはなれない。



午後の授業も問題なく終わり、放課後には部室へ顔を出した。

梅田さんは用事があるということで来ていないけど、ローラン君に江藤えとう君を中心に注目の生徒がいることもあり所狭しと大勢集まっていた。

姉さんの他にも3年生が来ていて、早くも勉強会のための部屋という感じになった様に思う。

僕はクラスの授業は受けていなかったので、ハルや新谷しんたに君によるテストに出そうなポイントの説明は為になっているし、他の皆もそれぞれ教えあっていたりしていて有意義そうだ。

勉強会は少しずつ人が減っていき、最終下校時刻で部室を閉める段階になった時にはほとんどいなくなっていた。3年生は姉さんともう一人の男子で、その人は姉さんに好意を持っている雰囲気だけど、当の姉さんは全然気付いていないのが気の毒に思える。姉さんは昔から恋愛に興味がない感じだったけど、こういった場面を見ることはなかったので新鮮だ。

ハルもローラン君や新谷君から好意を持たれている様で、姉さんとは違いその好意には気付いている様だ。でも、どうすれば良いのか戸惑っている様でよくたじろいでる。身内の贔屓目だけど、姉さんもハルも見た目は良いし性格だって悪くはないと思うから好意を持たれても不思議はないし、歓迎するかどうかは別として嬉しくは思う。

自分が美晴さんを愛しているからか他の人の恋愛事情も応援したくなるし、姉さんもハルも良い人と縁ができて欲しい・・・それと美波も。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...