学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
194 / 252

第194話

しおりを挟む
春日悠一かすがゆういち 視点◆

姉貴の介入で百合恵ゆりえと別れ、すぐに藤川悦子ふじかわえつこさん・・・悦子と再婚した。

百合恵との離婚が成立する前はしおらしく振る舞っていた悦子は本質的には図太い性格のようで、百合恵が出ていった直後に百合恵の荷物を撤去させ、互いの両親への挨拶もしないまますぐにに住み着き、婚姻届もすぐに書かされた・・・確認はしてないが役所に提出されていて公的には俺と悦子は夫婦となっているのだろう。



姉貴も目をかけている後輩がいるからか休日には都合をつけてやってくることが多くなり、ここのところうんざりするくらい顔を見ている。

とは言え、姉貴は良かれと思っているのがわかるし、その気持ちは感じられるのでまだマシで、悦子は裏表が激しくしかもその裏を姉貴には見せていないようで悦子の悪意に姉貴の善意が後押しする様な格好になり俺の精神的な負担はかなり大きなものになっている。

悦子と一緒に生活をする様になって1ヶ月半くらいだと言うのに既に家にいることが苦痛になり始めている。

だからと言って職場は俺が百合恵にDVしていたと言う話が広まっていたところに離婚したことで拍車がかかり、時間を置かず悦子と再婚したことで手に負えない状況になっていて、事ある毎に露骨な陰口が耳に入ってくる様になっていて、職場にもいたくない状況だ。

また、悦子とは身体の相性が良いのかと思っていたが、恐らく経験が多い故にセックスが上手いというだけの様だ。婚姻するまでは貞淑を装って露骨な事をしなかったが、婚姻してからは隠す気がなくなったのかAV女優みたいなテクニックで俺の身体を弄び、些細な刺激でも大きな嬌声をあげる貞淑とは対極にあるような状況だ。ただの男好きだったらまだマシで、AV女優や風俗勤めや援助交際などいかがわしい事をしていたのではないかと思わされるくらいだ。

百合恵は俺とが初めてで恐らく俺以外とはそういう事をしてなかっただろうし、それでも何とか尽くそうと俺にすら知られない様に注意を払いながら慣れないAVを見て羞恥に耐えながら巧くなろうとしていたのも知っている・・・百合恵はそういうところも真面目で良い嫁だった。

俺が百合恵を嫌ったことはなかったけど、嫌われるようなことはたくさんしてしまったのは猛省しているところだが、覆水は盆に返らない・・・願わくばもう一度やり直す機会が欲しいが・・・


また密かに俺の生殖能力について検査し、結果は能力がかなり弱く妊娠を望むなら不妊治療を行う必要があるということだった・・・無知にもこどもを授からないのは全て百合恵の体質のせいだと思い込み、あまつさえ俺の家族と一緒になって皮肉を言い続けていたのだから、愛想を尽かされて当然だろう。

百合恵に会って謝罪をさせてもらいたいが、落ち着いて仕事ができない分を家に持ち帰ってやっていたり、悦子の相手をさせられたり、更にはよく来るようになった姉貴の相手までする羽目になっている現状ではその時間を作ることもできやしない・・・あーもうめちゃくちゃだよ!



その前に、また始まる一切心が休まらない休日を目前に逃げていなくなりたい衝動が掻き立てられている。



二之宮凪沙にのみやなぎさ 視点◆

那奈ななさんへのプレゼント選びの下調べに街へ出てきた。

那奈さんの誕生日まではまだ少し日数に余裕があるし、美波みなみさんは期末テストが目前の時期なので、今週はひとりで予習と言った感じになる。

いくら美波さんが一緒に選ぶのを手伝ってくれると言ってくれているからと何の準備もしないのは良くないだろうと思ったからだ・・・もっとも、以前の私だったらそんな事を考えもしなかったと思う。美波さんの人の善さに付け入るようではあるけれど、親しくあり続けたいと思える初めての友人で、それを維持し続けるためにどうすればと考えて、浮かんできたことだ。


それにしても、さすが12月。街には人が多いです。

予算はそれなりにあるので、デパートから見て回ることにしました。



「おいアンタ!二之宮凪沙だよね!」


小物のコーナーで品物を見ていたら、少し大柄の中学生か高校生くらいの女性に突然肩を掴まれ怒鳴り付けられた。


「何黙ってんだよ!」


急なことだったので返す言葉が出てこず頭の中で今の事態を整理している間に相手の女性が更に怒声を重ねてきた。


「急でしたので、状況を理解するのに動けませんでした。
 あなたは何者なのでしょうか?」


「あなたに人生を滅茶苦茶にされた高橋英人たかはしひでとの妹だよ!」


「高橋先輩の妹さんでしたか・・・私が悪かった点があることは事実なのでその点については謝罪しますが、現状へ繋がる行動を選ばれたのは高橋先輩ご自身です」


「はぁ?アンタが余計なことしなかったら兄ちゃんはあんな事しなかったよ!」


たしかに妹さんの言う通り、唆したのは私なのは間違いなく、それがなければ学校を退学し社会的制裁を受けることもなかったかもしれません。あるいは、集団となる様にした事で罪悪感を希薄にし、私が知らないところでも蛮行を繰り返すようになったとなると、それも私が悪かったのかもしれません。

しかし、全て選んだのは高橋先輩で、私は私を相手にすることだけを提案しただけですし、他の人へその牙を向けたのは高橋先輩の責任です。

そんなことまでは私のせいだと認めるわけにはいきません。私一人ならともかく那奈さんにご迷惑をおかけしてしまいますので、謝罪すらしてはいけない場面です。


「たしかに余計なことをしたのは事実ですが、それを都合よく解釈して実行されたのは高橋先輩です。
 私以外の生徒に行なったのは私の預かり知らない話ですし、その事まで私の責任にされては困ります」


「なによ!アンタは自分が悪くないとでも言いたいの!」


「いいえ、悪い部分はありました。でも仲村なかむら先輩たちへ同じ事をしたのは高橋先輩達の選択です。
 そもそもそんな事をしていた事すら知らなかった私にその責任まで私に押し付けないでください」


「なに屁理屈並べてるのよ!」


「屁理屈ではないですよ。ただの事実です」


「もうふざけんなよ!」


我慢ができないとばかりに妹さんは私に殴りかかってきました。

妹さんの拳が思いのほか勢いよく頬に当たり、頭部へ強い衝撃を受け意識を失った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話

頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。 綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。 だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。 中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。 とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。 高嶺の花。 そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。 だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。 しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。 それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。 他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。 存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。 両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。 拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。 そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。 それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。 イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。 付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...