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第212話
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◆神坂春華 視点◆
終業式が終わり、HRで高梨先生のお話と通知表の配付が終わって気持ちの上では何年にも感じるほど長かった二学期も終わった。
「ねぇねぇ、レオン君、瞬君。これからクラスの有志で集まって打ち上げするんだけど来ない?」
「アタシ達あんまり話ができてなかったし、このまま冬休みに入る前に仲良くしたいなって思うんだよね」
普段の振る舞いからあたしに対して隔意を持っていると思われる女子グループがローラン君達を打ち上げに誘いに来ていた。
恐らく参加するのはあたし達と必要以上に接点を持とうとしないメンバーなのが推測できる。
当然ローラン君や江藤君の行動を縛るつもりはないけど、正直なところ参加されたら面白くない。
「ボクとシュンだけですか?」
「もちろん、梅田さんや神坂さん達も良かったら参加して欲しいと思っているよ」
「そうですか。
と言うことだそうですけど、ハルカはどうですか?」
ローラン君があたしへ振ると、声を掛けてきている女子達が一斉に『お前は来るな』という圧力を乗せた視線を向けてきた。
「あ、あたしは用事があるから・・・」
「そうですか。ハルカが行かないならボクも不参加ですね」
あたしが用事があると言ったら緩んだ圧力もローラン君があたしを理由に不参加と言ったら憎しみすら感じるものへ変わった。
「神坂さんは学校からレオン君のお世話を頼まれてるのかもしれないけど、別に神坂さんとずっと一緒じゃないとダメってことはないでしょ?
たまにはアタシらとも遊ぼうよ」
「そうだよ。わたし達だってローラン君と仲良くなりたいって思ってるんだよ!」
「たしかにハルカやケンゴを頼るように先生には言われていますけど、そう言われたから一緒にいるわけではないですよ。
ハルカの人柄に好意を持って仲良くなりたいと思っているから一緒にいるのです。
ちなみに、ボクが何も知らないと思っているのだとしたら舐められたものですね。
アナタ達が普段からハルカやミナミへの悪口を言っていることをボクは知っていますよ。
逆に聞きますけど、仲が良い友人達の悪口を言う人間と仲良くなりたいですか?」
ローラン君は捲し立てるように言い放ち、更には彼女たちが言っていたらしいあたしや美波ちゃんへの悪口を言い始めて、それが合っているのか彼女たちの顔色はどんどん悪くなっていった。
「俺もローランと一緒だな。友人に限らず陰口を言っている様な奴らとは仲良くする気はない」
そして江藤君も彼女たちを拒否してくれ、居た堪れなくなった彼女たちは小声で謝罪のような事を言ってから去っていった。
彼女たちがあたしや美波ちゃんの悪口を言っていることは知っていたけど、その内容までは漠然としか把握していないのにローラン君は一言一句正確に諳んじていたようだった・・・どうしてそこまで詳しく知っていたのだろう?
気にはなったものの、いくら考えても答えは出ないと思うのでみんなに別れの挨拶をして美波ちゃんと帰路についた。
もっとも、今グループになっているメンバーのみんなとは連休中に約束があるので連休明けまでずっと会えないということはないので『良いお年を』とは言わなかった。
◆レオンローラン 視点◆
日本へ来て秀優高校へ留学生として入り、ハルカと出会った。
最初は一目惚れだったけど、接していくたびに魅力を感じることが増え、恋仲になりたいと思っている。
日本ではクリスマスに恋人同士が一緒に過ごす風習があると知りハルカを誘ってどこかへ出掛けたいと思ったけど、両親から時期を合わせて日本へ行くのでクリスマスは一緒に過ごそうと言われ、残念ながらハルカとクリスマスを過ごすことは断念した。
両親には少なくとも日本で高校を卒業するまでは日本へ居て良いと約束してもらっているし、大学については話をしてないもののちゃんと話せば日本での進学を認めてくれるだろうし、今焦って行動しても良くないと思っている。
そのハルカは一部のクラスメイトから悪口を言われている。
ハルカとその友人のミナミはボクや同時に秀優高校へやってきたシュンやカオリと仲が良いことが妬まれている上に、ボクが留学してくる前に大きな因縁を生むトラブルが遭った影響もあるらしい。
ボクは嫌な性格の人間と付き合いたくないし、ハルカに対して悪口を言う人間は相手にもしたくないので避けるようにしている・・・わかりやすく態度に出していると思うのだけど、気付いてくれないのが残念だ。
その悪口を言っていることを知ったきっかけは、このクラスの教室にだけ防犯カメラが設置してあることに気付いたことだ。
最初見た時は全てのクラスに設置してあるものだと思って気にしていなかったけれど、他のクラスへ行った時にはカメラが見当たらず、意識して探したところボクが見た限りではボクの所属するクラスと隣のクラスにしか設置されていない事に気付いてからその存在が不気味に思えた。
まるでこのクラスと隣のクラスだけを監視する目的で設置されているような・・・気になったので防犯カメラの素性についてわからないかと試みたもののボクの知識や技量では手が出せず、データを取得している組織や人物を特定することもできなかった。
防犯カメラがある事を学校に相談してみようかとも考えたけれど、それがきっかけでクラスを異動することになってハルカと別れてしまう可能性に思い至り躊躇してしまっている。同様にハルカや他の生徒に相談してもそこからの流れで学校へ知られ、やはりハルカとクラスが別れてしまうことになるのではないかと考えてしまうとその選択肢も躊躇してしまう。
せめて、何らか手掛かりが掴めればと思いボクらの教室にICレコーダーを忍ばせて様子を伺っていたら、防犯カメラについての手掛かりは掴めなかったものの彼女たちが悪口を言っていることを知れた。
真実なのか妄想なのかわからないけど悪意だけは明確でそんな態度の人間とは関わり合いになりたくないと思わされていたので、話しかけられても角が立たない様に拒否していたけど、今日は明日からハルカと会えない日が続く事への苛立ちもあって勢いづいてしまい言い過ぎてしまった。
◆岸元美波 視点◆
ローラン君は打ち上げへ誘っていた女子たちに対して断わり、それでもと繰り返し誘って来たところでわたしや春華ちゃんへ悪口を言っていることを理由に拒絶し、更にはまるで側で聞いていたかの様に詳らかに語って撃退してくれた。
何故そんなに詳しく知っていたのか気になり尋ねてみた。
「ねぇ、ローラン君。さっき彼女たちが言っていた悪口について言われている本人のわたしですら知らない事まで詳しく語っていたけど、どこで知ったの?」
「あまり大きな声では言えないのですけど、この教室に気になる事があってICレコーダーを忍ばせていました」
普段から表現がオーバーで発声が大きいローラン君にしては珍しく小声で答えてくれた。
たぶん聞こえているのはわたしとすぐ側にいる冬樹くらいだろう。
「そうなんだ。気になることって解決した?
もし解決してないなら協力するよ」
「お気持ちは嬉しいですけど、誰にも言えないです。
話は違いますけど、一つ訊いてもいいですか?」
「もちろん良いよ」
「この学校のセキュリティ体制はどんな感じなのかわかりますか?」
「たしか、警備会社が入っていて最後に退出される先生がセットしていくことになっていたと思うよ・・・聞きかじりだし間違っているかもしれないから、話半分に聞いてね」
「それだけですか?」
「うん、それだけだったと思う。他にセキュリティと言うと防犯カメ・・・」
冬樹が密かに防犯カメラを設置していて、わたしが凌辱された時の光景を見られていた事を思い出し、言葉が詰まってしまった。
「防犯カメラ!
あるんですか!?」
「・・・いや、うん・・・学校は設置していないと思うよ」
ものすごい勢いで食い付かれて返答に窮してしまったけど、できるだけ冷静を装って返答した。
◆神坂冬樹 視点◆
ローラン君と美波とのやり取りで、ローラン君は防犯カメラの存在に気付いていて、何らかの思惑があって他の人に知られない様に調べようとしていそうだと感じた。
たしかに、この教室と他は数か所しか設置されていない防犯カメラの存在に気付いたら訝しまれるのは当然だと思う。
自分が逆の立場だったらやはり不安になるし不快にもなる。それを学校へ相談しない意図までは理解できないけど、警戒されてしまっているのだと仮定して行動するべきだと思う。
まずは、連休中に撤去して僕へ繋がらない様にしないといけないけど、ただ単純に物が無くなっているとそれはそれで存在を認識しているローラン君からは不自然に見えるだろうし、ダミーを用意しないといけないだろう。
取り急ぎ、今日帰宅したら手配して三学期が始まる前には対応を終わらせておこうと思う。
終業式が終わり、HRで高梨先生のお話と通知表の配付が終わって気持ちの上では何年にも感じるほど長かった二学期も終わった。
「ねぇねぇ、レオン君、瞬君。これからクラスの有志で集まって打ち上げするんだけど来ない?」
「アタシ達あんまり話ができてなかったし、このまま冬休みに入る前に仲良くしたいなって思うんだよね」
普段の振る舞いからあたしに対して隔意を持っていると思われる女子グループがローラン君達を打ち上げに誘いに来ていた。
恐らく参加するのはあたし達と必要以上に接点を持とうとしないメンバーなのが推測できる。
当然ローラン君や江藤君の行動を縛るつもりはないけど、正直なところ参加されたら面白くない。
「ボクとシュンだけですか?」
「もちろん、梅田さんや神坂さん達も良かったら参加して欲しいと思っているよ」
「そうですか。
と言うことだそうですけど、ハルカはどうですか?」
ローラン君があたしへ振ると、声を掛けてきている女子達が一斉に『お前は来るな』という圧力を乗せた視線を向けてきた。
「あ、あたしは用事があるから・・・」
「そうですか。ハルカが行かないならボクも不参加ですね」
あたしが用事があると言ったら緩んだ圧力もローラン君があたしを理由に不参加と言ったら憎しみすら感じるものへ変わった。
「神坂さんは学校からレオン君のお世話を頼まれてるのかもしれないけど、別に神坂さんとずっと一緒じゃないとダメってことはないでしょ?
たまにはアタシらとも遊ぼうよ」
「そうだよ。わたし達だってローラン君と仲良くなりたいって思ってるんだよ!」
「たしかにハルカやケンゴを頼るように先生には言われていますけど、そう言われたから一緒にいるわけではないですよ。
ハルカの人柄に好意を持って仲良くなりたいと思っているから一緒にいるのです。
ちなみに、ボクが何も知らないと思っているのだとしたら舐められたものですね。
アナタ達が普段からハルカやミナミへの悪口を言っていることをボクは知っていますよ。
逆に聞きますけど、仲が良い友人達の悪口を言う人間と仲良くなりたいですか?」
ローラン君は捲し立てるように言い放ち、更には彼女たちが言っていたらしいあたしや美波ちゃんへの悪口を言い始めて、それが合っているのか彼女たちの顔色はどんどん悪くなっていった。
「俺もローランと一緒だな。友人に限らず陰口を言っている様な奴らとは仲良くする気はない」
そして江藤君も彼女たちを拒否してくれ、居た堪れなくなった彼女たちは小声で謝罪のような事を言ってから去っていった。
彼女たちがあたしや美波ちゃんの悪口を言っていることは知っていたけど、その内容までは漠然としか把握していないのにローラン君は一言一句正確に諳んじていたようだった・・・どうしてそこまで詳しく知っていたのだろう?
気にはなったものの、いくら考えても答えは出ないと思うのでみんなに別れの挨拶をして美波ちゃんと帰路についた。
もっとも、今グループになっているメンバーのみんなとは連休中に約束があるので連休明けまでずっと会えないということはないので『良いお年を』とは言わなかった。
◆レオンローラン 視点◆
日本へ来て秀優高校へ留学生として入り、ハルカと出会った。
最初は一目惚れだったけど、接していくたびに魅力を感じることが増え、恋仲になりたいと思っている。
日本ではクリスマスに恋人同士が一緒に過ごす風習があると知りハルカを誘ってどこかへ出掛けたいと思ったけど、両親から時期を合わせて日本へ行くのでクリスマスは一緒に過ごそうと言われ、残念ながらハルカとクリスマスを過ごすことは断念した。
両親には少なくとも日本で高校を卒業するまでは日本へ居て良いと約束してもらっているし、大学については話をしてないもののちゃんと話せば日本での進学を認めてくれるだろうし、今焦って行動しても良くないと思っている。
そのハルカは一部のクラスメイトから悪口を言われている。
ハルカとその友人のミナミはボクや同時に秀優高校へやってきたシュンやカオリと仲が良いことが妬まれている上に、ボクが留学してくる前に大きな因縁を生むトラブルが遭った影響もあるらしい。
ボクは嫌な性格の人間と付き合いたくないし、ハルカに対して悪口を言う人間は相手にもしたくないので避けるようにしている・・・わかりやすく態度に出していると思うのだけど、気付いてくれないのが残念だ。
その悪口を言っていることを知ったきっかけは、このクラスの教室にだけ防犯カメラが設置してあることに気付いたことだ。
最初見た時は全てのクラスに設置してあるものだと思って気にしていなかったけれど、他のクラスへ行った時にはカメラが見当たらず、意識して探したところボクが見た限りではボクの所属するクラスと隣のクラスにしか設置されていない事に気付いてからその存在が不気味に思えた。
まるでこのクラスと隣のクラスだけを監視する目的で設置されているような・・・気になったので防犯カメラの素性についてわからないかと試みたもののボクの知識や技量では手が出せず、データを取得している組織や人物を特定することもできなかった。
防犯カメラがある事を学校に相談してみようかとも考えたけれど、それがきっかけでクラスを異動することになってハルカと別れてしまう可能性に思い至り躊躇してしまっている。同様にハルカや他の生徒に相談してもそこからの流れで学校へ知られ、やはりハルカとクラスが別れてしまうことになるのではないかと考えてしまうとその選択肢も躊躇してしまう。
せめて、何らか手掛かりが掴めればと思いボクらの教室にICレコーダーを忍ばせて様子を伺っていたら、防犯カメラについての手掛かりは掴めなかったものの彼女たちが悪口を言っていることを知れた。
真実なのか妄想なのかわからないけど悪意だけは明確でそんな態度の人間とは関わり合いになりたくないと思わされていたので、話しかけられても角が立たない様に拒否していたけど、今日は明日からハルカと会えない日が続く事への苛立ちもあって勢いづいてしまい言い過ぎてしまった。
◆岸元美波 視点◆
ローラン君は打ち上げへ誘っていた女子たちに対して断わり、それでもと繰り返し誘って来たところでわたしや春華ちゃんへ悪口を言っていることを理由に拒絶し、更にはまるで側で聞いていたかの様に詳らかに語って撃退してくれた。
何故そんなに詳しく知っていたのか気になり尋ねてみた。
「ねぇ、ローラン君。さっき彼女たちが言っていた悪口について言われている本人のわたしですら知らない事まで詳しく語っていたけど、どこで知ったの?」
「あまり大きな声では言えないのですけど、この教室に気になる事があってICレコーダーを忍ばせていました」
普段から表現がオーバーで発声が大きいローラン君にしては珍しく小声で答えてくれた。
たぶん聞こえているのはわたしとすぐ側にいる冬樹くらいだろう。
「そうなんだ。気になることって解決した?
もし解決してないなら協力するよ」
「お気持ちは嬉しいですけど、誰にも言えないです。
話は違いますけど、一つ訊いてもいいですか?」
「もちろん良いよ」
「この学校のセキュリティ体制はどんな感じなのかわかりますか?」
「たしか、警備会社が入っていて最後に退出される先生がセットしていくことになっていたと思うよ・・・聞きかじりだし間違っているかもしれないから、話半分に聞いてね」
「それだけですか?」
「うん、それだけだったと思う。他にセキュリティと言うと防犯カメ・・・」
冬樹が密かに防犯カメラを設置していて、わたしが凌辱された時の光景を見られていた事を思い出し、言葉が詰まってしまった。
「防犯カメラ!
あるんですか!?」
「・・・いや、うん・・・学校は設置していないと思うよ」
ものすごい勢いで食い付かれて返答に窮してしまったけど、できるだけ冷静を装って返答した。
◆神坂冬樹 視点◆
ローラン君と美波とのやり取りで、ローラン君は防犯カメラの存在に気付いていて、何らかの思惑があって他の人に知られない様に調べようとしていそうだと感じた。
たしかに、この教室と他は数か所しか設置されていない防犯カメラの存在に気付いたら訝しまれるのは当然だと思う。
自分が逆の立場だったらやはり不安になるし不快にもなる。それを学校へ相談しない意図までは理解できないけど、警戒されてしまっているのだと仮定して行動するべきだと思う。
まずは、連休中に撤去して僕へ繋がらない様にしないといけないけど、ただ単純に物が無くなっているとそれはそれで存在を認識しているローラン君からは不自然に見えるだろうし、ダミーを用意しないといけないだろう。
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