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851. 万能の霊薬4
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誠一は剣豪の頭を持ち上げて、自分の右膝に乗せた。
「教え子に看取られる。悪くないですな、ごほっ」
「いえ、先生には果たすべき約束があります」
誠一は剣豪の口にエリクサーを含ませた。
エリクサーは剣豪の身体に溶け込むように消えていった。
剣豪の顔に生気が戻り、身体中が輝いた。
無音であった。世界から音が失われようであった。
人の吐息や鼓動、夕暮れの時に帰路へつく虫や鳥たちの羽音、
さえずりすら聞こえなかった。
静謐が永遠に続くかのようであった。
その静謐はヴェルによって破られた。
「聞けアルフレート・フォン・エスターライヒ。
俺は世界の全てがお前を否定しようとも
俺はお前の意思を尊重する。
これは俺の子、孫の代にも続く約束だ」
「あなたの思い、叶えるために私の知見、知識で助けるわ。
あなたが途を違えそうになったら、私は嫌われようとも
あなたを諫めるわ」
誠一は二人を見た。一言だけ伝えた。
「ありがとう」
生気の戻った剣豪は、誠一の方を向いて
地面に正座をしていた。
表情は真剣そのもので冗談の通じる雰囲気は
一切なかった。
「鬼谷十四郎は、アルフレート・フォン・エスターライヒ様に
生涯の忠誠を誓います。
如何なる難敵、難事も我が刀の一振りが途を開きましょうぞ」
誠一も剣豪の宣誓に真剣に答えた。
「アルフレート・フォン・エスターライヒは
鬼谷十四郎の忠誠を受け入れる。
これからもよろしくお願いします」
誠一は剣豪に手を差し伸べた。
剣豪はその手を握った。
そしてゆっくりと立ち上がった。
「アル、あなた、やっぱり最高よ」
キャロリーヌが誠一に抱き付いた。
「まったくあんたらしいわよ」
両手を頭の後ろで組みながらサリナが笑った。
「まだまだ学ぶべきことは多々あるが、その心意気良し」
マリアンヌが納得の表情で呟いた。
誰が最初だったのだろうかは誰にも分からない。
勝利の雄叫びの何倍もの歓声が兵士たちの間に突然、起こった。
その歓声は天に住まう神々へ届かんばかりの歓声であった。
誰もがこの奇跡に感動し、この奇跡にあやかろうと
あらん限りの声をあげた。
南方戦役の勝利は、神の奇跡によって霞んでしまった。
「教え子に看取られる。悪くないですな、ごほっ」
「いえ、先生には果たすべき約束があります」
誠一は剣豪の口にエリクサーを含ませた。
エリクサーは剣豪の身体に溶け込むように消えていった。
剣豪の顔に生気が戻り、身体中が輝いた。
無音であった。世界から音が失われようであった。
人の吐息や鼓動、夕暮れの時に帰路へつく虫や鳥たちの羽音、
さえずりすら聞こえなかった。
静謐が永遠に続くかのようであった。
その静謐はヴェルによって破られた。
「聞けアルフレート・フォン・エスターライヒ。
俺は世界の全てがお前を否定しようとも
俺はお前の意思を尊重する。
これは俺の子、孫の代にも続く約束だ」
「あなたの思い、叶えるために私の知見、知識で助けるわ。
あなたが途を違えそうになったら、私は嫌われようとも
あなたを諫めるわ」
誠一は二人を見た。一言だけ伝えた。
「ありがとう」
生気の戻った剣豪は、誠一の方を向いて
地面に正座をしていた。
表情は真剣そのもので冗談の通じる雰囲気は
一切なかった。
「鬼谷十四郎は、アルフレート・フォン・エスターライヒ様に
生涯の忠誠を誓います。
如何なる難敵、難事も我が刀の一振りが途を開きましょうぞ」
誠一も剣豪の宣誓に真剣に答えた。
「アルフレート・フォン・エスターライヒは
鬼谷十四郎の忠誠を受け入れる。
これからもよろしくお願いします」
誠一は剣豪に手を差し伸べた。
剣豪はその手を握った。
そしてゆっくりと立ち上がった。
「アル、あなた、やっぱり最高よ」
キャロリーヌが誠一に抱き付いた。
「まったくあんたらしいわよ」
両手を頭の後ろで組みながらサリナが笑った。
「まだまだ学ぶべきことは多々あるが、その心意気良し」
マリアンヌが納得の表情で呟いた。
誰が最初だったのだろうかは誰にも分からない。
勝利の雄叫びの何倍もの歓声が兵士たちの間に突然、起こった。
その歓声は天に住まう神々へ届かんばかりの歓声であった。
誰もがこの奇跡に感動し、この奇跡にあやかろうと
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南方戦役の勝利は、神の奇跡によって霞んでしまった。
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